桜湯/桜漬     75句

桜湯に眼もとがうるむ仮の世や    佐藤鬼房

作品
作者
掲載誌
掲載年月
桜湯を飲みてご両家和みけり
本間清
199906
木簡やそろつとほぐす櫻漬
延広禎一
199907
まなぶたを夢のふたとも桜漬
彌榮浩樹
銀化
200005
しづまりし湯にほぐれゆく桜漬
當麻幸子
俳句通信
200006
東京弁関西弁や桜湯に
村田明子
円虹
200007
桜湯や申し分なき空の色
佐藤博美
200012
三編みを解いてゆくよ桜漬
久森知子
船団
200109
桜湯の瓶だけ見せてもらひけり
山田六甲
六花
200205
桜湯に更けゆく宿の波の音
竪ヤエ子
雲の峰
200205
桜湯にかしこまりゐる男かな
浜麻衣子
六花
200206
櫻湯の花のひらくや玉手箱
中野京子
200207
桜湯の香に親しみてひとりの夜
大橋敦子
雨月
200305
存分に遊びし夜の桜漬
柴田佐知子
200305
喰ひ初めの膳に桜湯ひらきをり
佐々木孝子
200306
櫻湯に櫻餅二ツ祇園茶屋
山本晃一
200312
桜湯を出す子よ粗相なきやうに
池田崇
200401
杉の間に桜湯運ぶ山日和
北吉裕子
雲の峰
200404
桜湯の湯氣のかかりし繭雛
須永トシ
栴檀
200405
長居して桜湯の出る喫茶店
苑実耶
200407
余生とはこんなものかな櫻漬
荒幡美津恵
遠嶺
200505
束の間の日ざし桜湯花ひらく
的池遙
百鳥
200506
立ち寄りて桜湯一服お相伴
福島松子
ぐろっけ
200507
てのひらに囲ふ桜湯帰郷せり
大塚まや
京鹿子
200507
櫻湯の香りの立ちて瞑想す
小林恵子
遠嶺
200508
櫻湯や吉野の一重ひらきをり
瀧春一
常念
200606
櫻湯や一枚板に窪みあり
小山百合子
遠嶺
200606
蘇る桜湯いのちのさくらいろ
水谷芳子
雨月
200606
桜湯の思ひ重ぬるごとき紅
樺山翠
雨月
200606
桜湯や絹座布団の房ゆたか
中田みなみ
200606
桜湯の喉越しやさし夕茜
森山のりこ
あを
200706
瑠璃色の器にもりし桜漬
森山のりこ
あを
200706
桜湯で婚のひと日の始まりぬ
恩塚典子
ぐろっけ
200709
桜湯を古唐津に入れもてなせり
河村泰子
ぐろっけ
200807
たんまりと寝ての遊山や桜漬
小形さとる
200808
祝婚の桜湯汲みて両家和し
本多正子
雨月
200808
水筒に桜湯詰めて貰ひけり
ことり
六花
200903
四阿に桜湯を吹き冷ましをり
山田六甲
六花
200904
来客に桜湯を出し黙しをり
ことり
六花
200904
桜湯やゆるゆる緩む脳の襞
七種年男
200906
桜湯やジーンズの子も畏まり
大塚和子
200907
桜湯をふふみ心のほぐれゆく
島貫寿恵子
雨月
200907
桜漬こころ和するといふことも
庵原典子
201005
盆に置く桜湯の香の揺れにけり
ことり
六花
201104
余震あり桜湯すこし飲みあます
岡部玄治
201106
湯わかしを卓に二つの桜漬
五十嵐勉
201107
さくら湯にひらく御移りまつしじま
佐藤美紀
ろんど
201107
客人へつぎつぎ注ぎ桜漬
上月智子
末黒野
201108
付文のごとくほぐるる桜漬 柴田佐知子 201207
雑談をしばし止めるや桜湯に 岡野安雅 かさね 201306
花浴びつ賜ふさくら湯緋毛氈 和田郁子 201306
桜湯の花びらゆれてさくら色 辻香秀 201405
さくら湯はうすき天女の裳裾かな 仲由美 ろんど 201406
ゆつたりと桜湯ふくみ式を待つ 久世孝雄 やぶれ傘 201407
一日の終りにひらき桜漬 小林愛子 万象 201408
桜湯のさくらさくらと花ひら 後藤立夫 ホトトギス 201408
桜湯や絹座布団の嵩ゆたか 中田みなみ 201505
小田原の桜漬とよ白湯ゆるぶ 平田紀美子 風土 201507
桜湯のゆつくり開く両家の座 小山直子 末黒野 201507
限定と言はれて買ひぬ桜漬 箕輪カオル 201508
桜湯の香の残りたる白磁かな 笹村政子 六花 201508
桜湯の色は雪洞ともる色 後藤立夫 ホトトギス 201509
桜湯の香のほのぼのと三姉妹 岡淑子 雨月 201606
桜湯や夫との月日父母を越え 長谷川翠 馬醉木 201606
桜湯の灯火に一花開きたる 水谷文謝子 雨月 201607
桜湯に解きほぐさるる蟠り 江島照美 201607
萩碗に桜湯ひらく安けさよ コ田千鶴子 馬醉木 201703
桜湯の花味はへり花の宿 岡田桃子 201807
悪友の快癒しみじみ桜漬 谷陽右 馬醉木 201905
湯を注せば春さきがけの桜漬 善野行 六花 202006
桜湯に宴の楚々と始まれり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202104
桜湯や来賓控室の黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 202104
桜漬開き二人の門出かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202104
晴ればれと桜湯の花ひらきけり 木村瑞枝 やぶれ傘 202108
桜湯や遠き縁者と隣あひ 佐々木茂 202205
桜湯や小さき吐息の波立ちて 新倉ゆき江 末黒野 202208

 

2023年3月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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