左義長      127句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
左義長の火がまなうらに燃えうつり 吉田呉天 風土 199812
左義長の漢火照りか酒照りか 大橋敦子 雨月 199903
左義長の祝詞のあひだ鴉ゐる 吉田島江 火星 199904
左義長や天に昇れる龍一字 水原春郎 馬醉木 200002
左義長や最年少が火を放つ 神蔵器 風土 200003
左義長の灰の降りくる熊の濫 岡田万壽美 雲の峰 200003
左義長の煙上がれり桃色に 宮津昭彦 200003
左義長へ火鑽火掲げ禰宜のゆく 安倍いさむ 円虹 200004
左義長や供物いただく手のいろいろ 関根洋子 風土 200004
左義長に面こがして帰りけり 関根洋子 風土 200004
左義長の幟立て焚く大とんど 永野秀峰 ぐろっけ 200005
左義長の炎のほかを見てをらず 林裕子 風土 200101
雪汚しきつて左義長果てにけり 西村和子 知音 200104
左義長に集ふ火の神風の神 斉木永久 馬醉木 200104
左義長や星にとどけと火の柱 鷹羽狩行 200202
左義長の火にまだ残る五六人 藤井昌治 200203
左義長や片眼だるまも成仏す 水原春郎 馬醉木 200203
左義長の刹那生きむと火の粉飛ぶ 小澤克己 遠嶺 200204
左義長や天狼星を焼き尽す 山陰石楠 200207
燃えしぶる左義長の火を叱陀して 塩川雄三 潮路 200210
左義長のあといつせいに海の星 小澤克己 遠嶺 200210
左義長の用意と気づく浜辺かな 稲畑汀子 ホトトギス 200301
雪投じ左義長の火の止め刺す 大沢敦子 雲の峰 200303
左義長の焔の文字の翻り 長谷英夫 馬醉木 200303
富士塚の左義長の焔に照り出され 阿部範子 200303
左義長の退る他なき火炎かな 太田蓉子 200304
左義長や火の海たひらとなりて果つ 遊橋惠美子 風土 200304
左義長や弁天堂へ石の橋 柿沼盟子 風土 200304
左義長を組み終りたる縄の屑 加古みちよ 火星 200305
左義長の大声あげて立つ火の粉 藤井圀彦 200306
仕上がりし左義長の曳く夕日影 小山徳夫 小春の山河 200401
左義長の火中にだるま天みつめ 辻由紀 雨月 200403
左義長や校門にゐる消防士 佐野幸子 百鳥 200404
左義長の火の粉を逃ぐる楽しさよ 内藤静 風土 200404
左義長のまづ七色の煙立つ 平田はつみ 馬醉木 200404
左義長神輿飾る伊勢えび伊勢の護符 室伏みどり 雨月 200405
左義長の焼き団子にて身の重る 松崎鉄之介 200503
左義長や白一線の夜の渚 松崎鉄之介 200503
左義長の櫓松・樫・銀杏で組む 松崎鉄之介 200503
左義長でほてりたる身の帰路の汗 松崎鉄之介 200503
左義長の餅を至福と詠みて逝く 松崎鉄之介 200504
左義長の果てて星湧く峡の空 淵脇護 河鹿 200504
村人の伝ふ左義長三丈余 植竹美代子 雨月 200604
左義長の火のつくきわにであひたり 谷村幸子 200604
左義長の火の鳥となり千羽鶴 森下清子 200605
左義長の脇に薪積む日暮かな 山田六甲 六花 200702
左義長や煙の中の塞の神 安武晨子 200704
左義長の灰を額に帰りけり 延川笙子 六花 200704
左義長やこの地動かぬ人ありし 苑実耶 200705
左義長の火照り風狂の面構へ 能村研三 200802
左義長の炎天をも突き上げり 中島玉五郎 200803
千里の郷に残る左義長尚びぬ 大橋晄 雨月 200804
左義長の火入れの前の闇堅し 大橋晄 雨月 200804
ジャンパーの焦げ跡左義長帰りかな 上野進 春燈 200805
仰ぎ見る左義長高き飾物 大塚洋子 酸漿 200904
火の端に海左義長の盛りをり 小澤克己 遠嶺 200904
左義長の灰洛外へふうはりと 河村泰子 ぐろっけ 200904
左義長の果てて鈴の音風にあり 長谷英夫 馬醉木 200904
左義長に星のまたたき盛んなり 堀百合子 200904
左義長の村人こぞり吉書揚ぐ 手島伸子 雨月 200905
左義長の松籟高き山の宮 園多佳女 雨月 200905
左義長の灰の浮きたる火伏水 園多佳女 雨月 200905
左義長の跡に潮さす月明り 五領田幸子 馬醉木 200912
左義長の煙染めゐる旭かな 関根洋子 風土 201004
左義長の火明かりに浮く己が顔 田中臥石 末黒野 201004
左義長の炎空へと龍のごと 中井光子 ぐろっけ 201004
左義長の闇を押しやる炎の勢ひ 岩瀬江美子 201004
左義長の火の粉が火の粉追ひかくる 大橋晄 雨月 201005
左義長や里には平家物語 竹下陶子 ホトトギス 201106
左義長の芯は青竹爆裂す 能美昌二郎 201106
左義長の火入れに海辺どよめきぬ 柳澤宗正 万象 201108
左義長の火照りの中で賀詞交す 大西八洲雄 万象 201110
山の神迎へ左義長始まれり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201201
左義長の一番星を燻したる 碇天牛 雨月 201201
左義長の青空暗くしてゐたり 高倉和子 201203
田の神も来て左義長の炎が猛り 上辻蒼人 風土 201204
左義長の煙の先の立山よ 成瀬真紀子 万象 201204
八百年の左義長星を焦しけり 小澤菜美 201204
左義長の爆竹星を飛ばしけり 穐好樹菟男 馬醉木 201204
左義長の振る舞ひの酒竹筒で 上辻蒼人 風土 201204
左義長の振りし火の粉に縄の煤 藤森利子 万象選集 201205
左義長や波に火の粉のこぼれたる 山本カツ子 万象選集 201205
左義長や竹筒の酒振る舞はる 石原弥栄 万象選集 201205
左義長や古き禍事祓ひ給へ 稲岡長 ホトトギス 201205
左義長の火照り身に溜め帰りけり 田勝子 万象選集 201205
左義長の賽銭箱の立つ田かな 渡邉孝彦 やぶれ傘 201206
左義長や風を呼び込む火の柱 前田恵美子 青鷹 201210
左義長の用意の伊豆の浜と見し 稲畑汀子 ホトトギス 201301
左義長の余るほど縄持ち寄り 山田六甲 六花 201302
ふくろふに左義長の夜のしじまかな 奥田順子 火星 201304
眉焦がす左義長前世のことしらず 水野恒彦 201304
背に肩に左義長の福授かれり 嶋崎豊子 雨月 201304
一礼をして左義長に加はりぬ 村上悦子 雨月 201304
左義長や子等の遊べる消防車 橋場美篶 末黒野 201305
左義長のだるまの目より火を噴けり 橋場美篶 末黒野 201305
左義長を火の粉かからぬところより 根橋宏次 やぶれ傘 201403
左義長や一年生が火を放つ 神蔵器 風土 201403
左義長の火の粉銀河の星星に 池内結 末黒野 201404
左義長の燠火鎮めの潮満ち来 田中貞雄 ろんど 201405
左義長の通りすがりのかつぽ酒 岩岡中正 ホトトギス 201407
左義長のどんぐりまなこ整列す 雨宮桂子 風土 201504
左義長の鈴放りたる火勢かな 浅田光代 風土 201504
左義長も粥占ひも雪のなか 浅田光代 風土 201504
左義長や龍あかあかと昇りをり 岩月優美子 201504
左義長の祝詞の声の通りけり 秋田典子 六花 201505
左義長に今なほ平家亡びざる 竹下陶子 ホトトギス 201508
左義長に遅れ輪の端ゆずらるる 高村令子 風土 201604
左義長の火の香纏ひて帰宅せり 山本無蓋 201604
左義長に投ぐ満願の福だるま 佐藤貞子 雨月 201605
左義長や婆が跨ぎて火の終(しまひ) 石川桂郎 風土 201705
左義長の榾よりもらふ煙草の火 佐俣まさを 春燈 201803
大左義長竹爆ぜ峡を轟かす 安江筍子 雨月 201804
左義長の熾に突き出す団子竿 正谷民夫 末黒野 201805
左義長や秘密の袋もつ夫と 辻響子 201903
左義長の青竹雪を引きずり来 南うみを 風土 201904
煙まで燃え左義長の果てにけり 良知悦郎 201905
左義長に近づきすぎる親子かな 永田万年青 六花 201905
左義長や河原で猫の争へる 天野美登里 やぶれ傘 202003
左義長や炎の音と波の音 滝沢いみ子 末黒野 202004
左義長の真火に男神の立ち上がる 宮口征子 馬醉木 202004
左義長の逆巻くほのほ竹弾く 高木邦雄 末黒野 202004
潔く燃え左義長でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 202101
左義長のけむり神社に上がりをり 小池一司 やぶれ傘 202103
左義長や佛の顔に染められし 平野多聞 202104
左義長や焔の中に返事あり 山田佳子 202106
吾子に役付く左義長のにわ固め 石川桂郎 風土 202205
左義長や松風に幣燃え上り 住田千代子 六花 202205

 

2023年1月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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