レース    70句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
虫つきの葉鶏頭のごときレース編む 倉本美代子 ヒッポ千番地 199905
編みかけのレースとドナーカードかな 川口襄 遠嶺 199909
永遠などどこにも無くてレース編む 能城檀 船団 199912
自己流も又よしとせむレース編み 浜田二子 ぐろっけ 200108
たかぶりの遠のくレース編みはじめ 小野寺和子 200111
黒衣着て憂ひなきかにレース編む 龍神悠紀子 200201
年重ねいよよ小顔やレース着る 大塚まや 京鹿子 200308
独り居の夜をレース編みして過ぎぬ 近藤豊子 雨月 200309
海風のあとの波音レース編む 小林あつ子 火星 200310
鳥の声風の声してレース編む 与川やよい 遠嶺 200311
夢二展へレースの手套はめてゆく 岡本のぶ子 雨月 200406
手のねばり冷ましてゐたるレース編み 鳴海清美 六花 200409
待つことに慣れたるレース編みにけり 遠野萌 200411
病床の寂しさ紛らすレース編み 若柳すずめ 六花 200508
蕉翁の間へ誘へるレース服 辻恵美子 栴檀 200508
レースカーテン装ふごとく引きにけり 岡本眸 200607
ひなげしの風をはらみてレース編み 中村邦彦 200608
レース編むうちに大人になりにけり 田中英子 火星 200609
逢ひに行く後部座席にレース着て 蒔田しをん 200609
音触れてグラスを洗ふレース越し 荻野千枝 京鹿子 200611
枕辺にレースのカーテン行き来する 斉藤裕子 あを 200708
斬新なレースの上着ファッシヨン誌 寺本妙子 200802
忘れたき事ありひたとレース編む 梅原幸子 遠嶺 200808
新しきレースカーテン昇る猫 安部里子 あを 200808
レース手袋そと捨てし別れ来て 新関一杜 京鹿子 200808
妊婦編むレースは夢の形かな 北島和奘 風土 200809
黒レースけもの食ひたる会釈かな 鳥居おさむ ろんど 200907
レース地に透ける素肌の蠱惑かな 江島照美 200908
小刻みにふるへる指でレース編む ことり 六花 200908
レース編みをれば猫きて膝せがむ 山田六甲 六花 200908
レースの風舶来石鹸糸で切る 福永尚子 ろんど 200909
レース着て胸三寸に余る風 丸山佳子 京鹿子 200909
風灼けてレースカーテン膨らます 高橋芳子 火星 200910
エリーゼの曲がたのしとレース編む 筏愛子 200911
レース編む夜の静けさに雨の音 内田和子 酸漿 201009
レース編残して叔母は黄泉の国 神田惣介 京鹿子 201011
纏ひみる母若かりし日のレース 藤原若菜 春燈 201108
レース編み忘れ上手になりにけり 鷹崎由未子 花野 201112
レース編む胸の中にも夜の山河 柴田佐知子 201207
カラヤンを共に聴きてはレース編む 長谷川友子 春燈 201310
旅の前卓布レースに掛け替へぬ 山口ひろよ 201310
レース着こなし歌劇の街の人となる 丸尾和子 雨月 201310
客人ヘレースカーテン風はらむ 小川玉泉 末黒野 201408
レース編む指のささくれ動きけり 横山さくら 春燈 201409
台北はレースの宝庫家苞に 遠藤逍遙子 風土 201411
空つぽになりたくレース編んでゐる 青木朋子 201412
何も無きことの幸せレース編む 岡真紗子 201508
選ばれしことの恍惚レース編む 秋津令 201510
夜の雨好きな曲かけレース編む 立花一枝 201511
巣籠りをレースカーテン越しに見る 秋千晴 201512
美しきレースの日傘おねえ様 江島照美 201610
思ひ出せぬ黒いレースの夢の人 塩貝朱千 京鹿子 201610
レース編む失せゆくものを手繰るかに 田村園子 201610
求めたるヴェニスの扇白レース 森なほ子 あを 201801
窓からは枯木のレース風そよぐ 水谷直子 京鹿子 201802
夏帽の黒レース揺れ女画家 山田由利枝 雨月 201809
修道女の美しき沈黙レース編む 川崎真樹子 春燈 201809
レース手袋指一本づつはづす 玉服部早苗 201811
レースカーテン開けて火星を遠望す 綱徳女 春燈 201811
レース編む刻ゆるやかに流れけり 綱徳女 春燈 201906
レース飾り見えても見えぬ真かな 江島照美 201909
鬱々は母亡きゆゑかレース編む 杉田智榮子 馬醉木 201910
胸中に来し方咲かせレース編む 千田百里 202007
感染症の自粛の日々やレース編む 鈴木静恵 春燈 202008
木もれ陽を編み込むやうにレース針 大日向幸江 あを 202107
レース編む柱時計の鳴る部屋で 北城美佐 202108
レース編む平常心のまだ足らず 平佐悦子 202109
返信は待たず恐れずレース編む 押田裕見子 202112
ほんたうのことは笑つてレース編む 兵藤惠 202208
レース着るセピアの中の母若し 松本胡桃 風土 202209

 

2023年5月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。