辣 韮   62句

辣韮や好きとも嫌ひともいへず   竹内弘子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
泥辣韮市におろされすぐ糶らる 皆川盤水 春耕 199908
辣韮漬く鉛筆舐める癖の妻 勝亦年男 200008
雨雲の迅し辣韮漬けをれば 暮目良雨 春耕 200008
辣韮の皮むく折込みチラシの上 竹内弘子 あを 200101
お好みの味に辣韮漬けにけり 小橋安子 いろり 200109
一日の仕事となりし辣韮漬 鏡山千恵子 帆船 200207
辣韮をむく包丁と決めてあり 関章子 百鳥 200209
辣韮を一畝売ると翁の言ふ 小林れい 酸漿 200209
酢辣韮母なきあとの琥珀色 柴田久子 風土 200211
母健にふるさと辣韮掘る最中 近藤豊子 雨月 200307
辣韮を剥くすこやかな両の五指 竹内弘子 あを 200406
辣韮をかみ独り居の茶粥かな 沼口蓬風 河鹿 200408
辣韮のけっとばし漬家伝なる 岡谷栄子 200409
辣韮漬の骨法夫の会得せし 荒井慈 春燈 200409
病むところなくて辣韮漬けにけり 原田ゆふべ 草の花 200409
半島のぼんやり見ゆる辣韮掘 大山文子 火星 200410
辣韮を漬けて心も豊なり 先崎きくよ 酸漿 200410
浜辣韮根ごと採り上げ子沢山 有島夛美 河鹿 200508
九頭竜に辣韮洗ひの屑流れ 高浜年尾 ぐろっけ 200508
辣韮や砂丘を渡る風の声 老川敏彦 ぐろっけ 200508
辣韮漬け愚かな母で通しけり 中野あぐり ぐろっけ 200508
夫好む憎き臭ひの辣韮漬く 品川鈴子 ぐろっけ 200508
大いなる雲の影ゆく辣韮畑 杉浦典子 火星 200509
雷雲や辣韮の皮増やしをり 浜口高子 火星 200510
ぱりぱりと辣韮を噛む独り酒 滝沢伊代次 万象 200606
恋なんかする暇あらず辣韮掘る 片山タケ子 200608
辣韮切る省略できぬことばかり 藤井佐知子 200709
辣韮を洗ひつ砂丘はるかなり 石田邦子 遠嶺 200809
土つきの辣韮買ひきて用多き 平川倫子 ぐろっけ 200809
辣韮洗ふぎゆぎゆぎゆうと肌泣かせ 布川直幸 200810
辣韮のごとく着ぶくれゐたりけり ことり 六花 200812
辣韮漬けいつも誰かが探し物 近藤倫子 ぐろっけ 200908
詩にせむと句種洗へり泥辣韮 布川直幸 201008
念入りに辣韮洗ふ外流し 鈴木一三 末黒野 201009
辣韮を漬けることさへ生き甲斐に 平居澪子 六花 201009
手早さの衰へ一日辣韮漬け 長崎桂子 あを 201009
何もかも忘れひたすら辣韮洗ふ 布川直幸 201106
辣韮噛む朝の雨の明るさに 上谷昌憲 201108
辛疎な評聞く辣韮食みながら 秋葉雅治 201109
亡き妻や辣韮漬けに沈みゐる 大島翠木 201109
辣韮の漬かり浅かり洗飯 山田六甲 六花 201109
辣韮を漬ける細君ゐて我が家 荒木甫 201110
辣韮の匂ひの写経してをりぬ 竹内悦子 201110
目覚ましにシャキシャキバリッ辣韮を 宮村フトミ ぐろっけ 201210
雨音やつるりつるりと辣韮剥く 山内碧 201210
ネット見て母に尋ねて辣韮漬 斉藤祐子 あを 201308
辣韮を洗ふ指紋の薄るるまで 秋千晴 201409
辣韮剥く灯しいきいきして来たり 甲州千草 201507
辣韮漬傳く女の即戦力 和田政子 201507
辣韮剥き了へて生き生きする灯 甲州千草 201509
辣韮漬け妻の一日の終りけり 秋山信行 やぶれ傘 201510
辣韮掘る地を這ふやうにいざるやに 池田光子 風土 201610
梅漬けて辣韮漬けて清廉潔白 木戸渥子 京鹿子 201610
辣韮をかりりと深長な意見 甲州千草 201707
老人の家に辣韮の花咲けり 小林愛子 万象 201712
辣韮を漬けて半日終はりけり 笹倉さえみ 雨月 201810
辣韮漬け十指すこやかなる日暮 大沢美智子 201908
辣韮を洗へばなべて菩薩めく 平田はつみ 馬醉木 201908
辣韮の匂ひのしたるゴミ置き場 きくちきみえ やぶれ傘 202007
漱石を捲りし指の辣韮むく 長谷川歌子 春燈 202108
辣韮を漬けて昼よりカレー煮る 伊藤薫 やぶれ傘 202110
辣韮のお茶漬けさらさら屁の河童 山田六甲 六花 202205
辣韮剥く掌に無垢の白光る白 丸山佐伎子 末黒野 202209

 

2023年5月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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