95句

荻吹くや葉山通ひの仕舞馬車    高浜虚子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ささら荻ここに古筆の高野切 平橋昌子 199812
荻の穂や略しすぎたる島の地図 井上菜摘子 京鹿子 199901
みんな手をぶら下げてゐる荻の風 田畑幸子 火星 200001
荻吹くや厚板をもて橋となす 安原猶子 200001
霜の荻揺るぎも見せぬ余生かな 土肥屯蕪里 俳句通信 200002
浜荻の枯の流るる朝日なか 安原楢子 200003
枯荻や旅チビ下駄になるまでの 沼田巴字 京鹿子 200004
茫々と荻枯れ渡り隠れ里 桑田青虎 ホトトギス 200006
去ぬ燕浜荻原に集結す 和田祥子 馬醉木 200012
荻刈つて輪中の風の拠り処なし 水谷芳子 200103
荻の穂の窓辺に揺るるガラス館 三村武子 酸漿 200111
荻の風僧衣の利休過りけり 斉藤由美 ぐろっけ 200210
荻のこゑ人を待つ戸に鍵かけず 久保秀貴 雲の峰 200210
はるかよりアビラウンケン荻の声 高橋将夫 200211
荻の風さざ波をたて川渡る 川瀬信子 築港 200212
父母の遺影新居に移す荻の声 佐野幸子 百鳥 200212
追伸の気になつて来し荻の声 吉田康子 青山椒 200303
荻の原沈めつくして秋洪水 荻原トシ子 対岸 200311
昃るは昏るるに似たり荻の花 上林孝子 200403
海風があふつ島山荻の声 佐藤淑子 雨月 200403
荻の声ビュッフェの鋭線ふりかぶる 山元志津香 八千草 200409
深淵の青きを見たり荻の風 飛山ますみ 遠嶺 200411
舟方の客待ちあぐね荻の風 増田松枝 馬醉木 200412
入り潮の蛇行してくる荻の花 阿波岐滋 草の花 200412
陵に磴のありけり荻の風 与川やよい 遠嶺 200501
今を生きいまを遊べと荻の声 大曽根育代 遠嶺 200501
石山を吹き来て荻の声となる 窪田佳津子 雨月 200502
対岸の旅情ひからぶ荻の声 山元志津香 八千草 200503
荻分けて先き行く人のただ無口 鎌倉喜久恵 あを 200511
火のかたちとはにかはらず蘆荻燃す 八田木枯 晩紅 200512
荻を吹く風のかたちに湖北なる 豊田都峰 京鹿子 200512
荻の声はるかなりけり荒御魂 高橋将夫 200512
入水塚ささぐは荻の風ばかり 豊田都峰 京鹿子 200512
人の声荻のすきまに光る沼 出来由子 200601
真ん中の子の疎まるる荻の風 KOKIA 六花 200601
荻の風富士の裾野へ埋葬す 佐藤淑江 対岸 200601
由布院へ荻枯るる径坂なせり 佐野和子 栴檀 200604
草若葉荻の中なる雉の声 菊地恵子 酸漿 200606
たがへたる道と気付きぬ荻のこゑ 藤井寿江子 馬醉木 200611
荻むらの高なびきして膳所城址 豊田都峰 京鹿子 200612
渡船場の水の寂びゐる荻の花 石川倜子 馬醉木 200701
枯荻の逆らひつつも靡く風 浅野恵美子 酸漿 200704
高荻の裾の紅天守低し 伊丹さち子 馬醉木 200704
みずうみへ渡りてゆける荻の声 山田六甲 六花 200710
荻騒に馴れてきたりし厠窓 竹内水穂 火星 200712
大勢の去りし義仲寺荻のこゑ 千田百里 200801
水の上を水さばしれり荻若葉 加藤みき 200806
待ちながら瞼閉づれば荻の声 ことり 六花 200809
荻の声遠き昔を呼びさます 鈴木清子 遠嶺 200901
山頂のレーダードーム荻の風 小嶋泰家 炎環 200910
みづうみの風すべり来る荻の声 金原登志子 馬醉木 200912
池心噴き荻鷹揚に穂にいでし 東野鈴子 雨月 201002
高札の河童奉行や荻の声 柴田志津子 201002
遠謀のしばらく荻の角となり 小形さとる 201008
嘘のまま通すがよきと荻の声 能村研三 201010
切りつぎや曲線描く荻の花 林日圓 京鹿子 201011
対岸に灯りほつほつ荻の声 大木清美子 201012
荻の穂の白髪の揺るる水ほとり 丹生をだまき 京鹿子 201101
又三郎の寂しさ荻の声となる 近藤喜子 201201
敦盛も直実もゐて荻のこゑ 西村純太 201201
ゆふづつや猪名の川原の荻の声 丸尾和子 雨月 201201
魏志倭人伝記す遺跡や荻さやぎ 塩見治郎 雨月 201203
荻原を縛り付けたる大地なり 瀬川公馨 201211
集落を結ぶ石橋荻の風 亀井紀子 201401
阿を語る老僧の背に荻の風 蒲田豊彦 雨月 201401
池の荻立ち直りては穂を散らす 笹村政子 六花 201403
荻の穂を解きて金沢日和とも 今村征一 ホトトギス 201403
ベランダの荻一株の荻の風 浜口高子 火星 201412
荻原や川の出合ひの水濁り 渡邊孝彦 やぶれ傘 201502
まづ捨つることから始む荻の声 寺田すず江 明日葉 201505
あるときは相聞なりし荻の声 岩月優美子 グピドの瞳 201506
荻の風空を夜鳥のよぎるこゑ 藤井美晴 やぶれ傘 201511
荻の風うしろ姿の待ちゐたる 井浦美佐子 201512
荻の穂の白く波立つ夕べかな 森岡恵子 万象 201602
川合ひの静脈めきて荻の声 山本久江 201602
孝行をさせてもくれず荻のこゑ 浅木ノヱ 春燈 201612
荻の風私の家へつづく道 辻水音 201612
荻のこゑ信ずるものは強かりき 加藤みき 201701
荻の声子供等の声スワン舟 中山皓雪 201701
水よりも荻のかがやく十三夜 手島南天 万象 201701
四阿の明るうなりし荻の風 笹村政子 六花 201712
残照や湖面吹き来る荻の絮 林八重子 馬醉木 201712
易きにながる身をしめん荻の声 柴田靖子 201712
目をこらし失せもの探す荻の声 秋川泉 あを 201801
さざ波の風を集めて荻の花 住田千代子 六花 201902
荻枯れて通へる風もなかりけり 笹村政子 六花 202002
枯荻の汀の岩の白さかな 住田千代子 六花 202005
荻の声里山に雲下りて来て 土井三乙 風土 202012
ゆるやかに穂の戻りくる荻の風 笹村政子 六花 202012
伸びる穂にあつまる光荻の原 秋川泉 あを 202110
吟詠のひとり復習ひや荻の風 升田ヤス子 六花 202202
四阿の高さに荻の騒ぎかな 住田千代子 六花 202202
荻の風芒の風や川流る 星野椿 ホトトギス 202203
ほめられもせず荻の枯れゆく風の中 木多芙美子 春燈 202203
荻若葉流れに古き丸太橋 天野美登里 やぶれ傘 202208

 

2023年8月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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