小糠雨   104句

小糠雨なり猿山は冬に入る    大山夏子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
アカシヤの香や降りよどむ小糠雨 井田実代子 雨月 199807
糠雨に煙の花のもしゃもしゃと 大橋敦子 雨月 199808
取りとめもない雨終の小糠雨 林田紀音夫 海程 199810
小糠雨立つ気配なき孕鹿 星佳子 199907
草餅に草の香つよし小糠雨 林翔 200005
海棠の花には触れぬ小糠雨 村井久美子 200006
大川に糠雨の降る梅若忌 堀田知永 俳句通信 200006
糠雨や尻艶やかに祭馬 西田もとつぐ 俳句通信 200008
糠雨の浮島合歓の花明り 大和田鏡子 俳句通信 200008
山荘の糠雨に出て芹を摘む 品川鈴子 船出 200104
小糠雨草木にもよし朝寝にも 村越化石 200106
馬鈴薯の花や夕ベの小糠雨 岡本明美 俳句通信 200108
糠雨の日暮さそへり沈丁花 丹羽敦子 酸漿 200205
沈丁の庭へ真昼の小糠雨 小田悦子 雲の峰 200205
糠雨の降るや陸稲の苗代に 春田淳子 雲の峯 200207
糠雨の子午線を越え蛸買ひに 大柳篤子 雲の峰 200208
子燕の力尽きたる小糠雨 鈴木勢津子 200209
みせばやや糠雨かかる遊女の碑 谷野由紀子 雲の峰 200210
糠雨や団地に隣る葱畑 山口マサエ 雲の峰 200302
紅梅の上向きで受く小糠雨 赤座典子 あを 200303
糠雨の降る杉山の花通草 松下八重美 200304
頬白のこづたふ庭や小糠雨 竪ヤエ子 雲の峰 200305
春耕の前も後ろも小糠雨 小澤克己 春の庵 200305
小糠雨割箸に挿す種袋 原茂美 雲の峯 200306
小糠雨蛍袋を包み降る 村越化石 200308
糠雨の阿武隈山地著莪の花 山下美絵子 遠嶺 200309
倒木へ小糠雨降り薮茗荷 田中藤穂 築地吟行 200310
小糠雨とまと畑につづれさせ 佐藤喜孝 あを 200310
小糠雨穂に出てゆらぐ草の花 芝尚子 あを 200311
糠雨の重さにしなう蜘蛛の糸 西島みね子 八千草 200401
初蝶の翅に重たき小糠雨 城下明美 ぐろっけ 200405
丹波路や花アカシヤに小糠雨 岡田滋夫 雲の峰 200408
若楓糠雨を遊ばせてをり 辻本斐山 ホトトギス 200409
糠雨にけむる居久根や鶫来る 小柴健一 春耕 200412
糠雨に藤たちのぼる巴塚 田野力 万象 200508
糠雨に濡れてあやめの濃紫 小松渓水 酸漿 200508
小糠雨きのふの茅の輪そのままに 高尾豊子 火星 200510
小糠雨うるしびかりに芭蕉 佐藤喜孝 あを 200510
笛の音や櫻もみぢに小糠雨 内藤紀子 遠嶺 200601
糠雨に啓蟄の土ほとびたる 佐藤淑子 雨月 200606
小糠雨手すさびに煮る苺ジャム 池田光 200608
小糠雨夜鷹の声の咽ぶがごと 小林昌子 200609
御鹿みかの湯の小糠雨なり緑さす 宇田喜美栄 200705
いつのまに冬田にひかる小糠雨 佐藤喜孝 あを 200711
小糠雨さくら餅はや売り切れて 田中藤穂 あを 200805
糠雨の柳生の郷の苗圃かな 飯塚ゑ子 火星 200806
菖蒲田をめぐりし後の小糠雨 黒須洋子 遠嶺 200808
小糠雨大山蓮華咲きそめし 伊藤いな栄 酸漿 200808
馬鈴薯の花も盛りの小糠雨 山崎澄子 酸漿 200808
糠雨に明けて竹酔日しづか 朝妻力 雲の峰 200808
糠雨に足の向く先七変化 渡邊孝彦 やぶれ傘 200808
底紅に糠雨太る坂の町 朝妻力 雲の峰 200810
湯豆腐や小糠雨降る夜となる 國保八江 やぶれ傘 200903
糠雨に梢つつまれ春近し 布川直幸 200905
立夏過ぎ一枚羽織る小糠雨 渡辺暁 酸漿 200907
糠雨にまなこをあらふ秋の蝉 布川直幸 200911
糠雨の遊行柳の刈田かな 松本三千夫 末黒野 200912
小糠雨音なく萩のこぼれけり 大橋伊佐子 末黒野 200912
サルビアの盛りや小糠雨の降る 齋藤朋子 やぶれ傘 201001
糠雨に夕日差しくる初燕 大崎紀夫 やぶれ傘 201007
郭公の棲む森からの小糠雨 和賀俊子 ぐろっけ 201009
糠雨におにはしばみの花濡るる 阿部ひろし 酸漿 201104
梅苑の奥処けぶらひ小糠雨 森脇貞子 雨月 201106
蜘蛛の囲をあぶり出したる小糠雨 内藤呈念 ホトトギス 201111
糠雨の雫となれり花木五倍子 辻井ミナミ 末黒野句集 201203
常磐木の傷あと芽吹き粉糠雨 渕上千津 201204
早春の樹々少し濡れ小糠雨 長島清山 かさね 201205
すぐ上がる八十八夜の小糠雨 松本三千夫 末黒野 201207
沼けぶり蒲の穂に凝る小糠雨 岡野里子 末黒野 201211
糠雨の水玉となり花あやめ 時田義勝 やぶれ傘 201301
糠雨にねずみもちの実ぬれにけり 藤井美晴 やぶれ傘 201302
肩濡らす糠雨しきり川床用意 あかさか鷹乃 ろんど 201309
町筋にわたる糠雨傘雨の忌 川崎真樹子 春燈 201407
葉桜に糠雨降らす隅田川 中島玉五郎 201408
みんみんの声切れ切れに小糠雨 松村光典 やぶれ傘 201412
秋祭終へて蔵町小糠雨 菅野日出子 末黒野 201502
障子洗ふこぬか雨降る裏通り 西田たかこ 万象 201502
小糠雨鶯声を惜しまざる 小川玉泉 末黒野 201509
烏瓜の縞の在る時小糠雨 篠田純子 あを 201512
小糠雨ビエンナーレの案山子かな 七郎衛門吉保 あを 201512
小糠雨話しかけたき藁塚ならぶ 工藤義夫 馬醉木 201601
春潮に荒縄からむ小糠雨 加藤峰子 201606
花合歓に小糠雨降る船木崎 駒井でる太 馬醉木 201610
子規庵の藤房つたふ小糠雨 宮崎高根 201707
海棠のほてり鎮める小糠雨 加藤峰子 201707
小糠雨薔薇に水玉残しけり 稲田延子 やぶれ傘 201709
糠雨の森の深さや水引草 岡野里子 末黒野 201712
数珠玉の艶のさみどり小糠雨 岡野里子 末黒野 201712
小糠雨音なく萩のこぼれけり 稲垣佳子 末黒野 201712
落鮎や錦帯橋に小糠雨 笹村政子 六花 201801
糠雨にときをり揺るる野紺菊 山下良江 万象 201802
築山に萌ゆる皐月や小糠雨 黒木東吾 六花 201810
青饅や終日小糠雨降れり 石橋邦子 春燈 201905
リラ冷えの淡き門灯小糠雨 石黒興平 末黒野 201908
疵一つなき蜘蛛の囲や小糠雨 菅野日出子 末黒野 201909
青苔の青艶めけり小糠雨 内田梢 末黒野 201909
小糠雨河津桜のつづく道 山岸明子 201910
梔子の花なほ白く小糠雨 大坂正 末黒野 201910
芽柳の彩育むや小糠雨 高木邦雄 末黒野 202008
葉にこもる沈丁の香や小糠雨 池乗恵美子 末黒野 202008
終日や寒気よびこむ小糠雨 秋山文子 末黒野 202105
小糠雨参道の翠重たげに 菅原朋子 202109
沈丁の匂ふ夜陰の小糠雨 原口久恵 春燈 202206
小糠雨新緑いよよ鮮やかに 岡野里子 末黒野 202209
花菖蒲ひらく朝や小糠雨 北野節子 末黒野 202209

 

2023年6月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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