野 分 9       100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ミサイルの突き抜けてゆく野分雲 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
野分雲絡まつてゐる電波塔 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
野分後マザーテレサの慶事かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
かたねりの闇を震はせ野分立つ 亀井福恵 京鹿子 201709
野分立つ雲にあらがふ阿蘇五岳 穐好樹菟男 馬醉木 201710
橋桁を揺すぶつてゐる野分かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
大川の水裏返しゆく野分 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
野分だつ謀反ごころのなくはなし 千田百里 201710
鶏冠のまだ揺れてゐる野分あと 能村研三 201710
解散とは箆棒手立て野分立つ 七郎衛門吉保 あを 201711
仏彫る流木選び野分跡 尾崎千代一 末黒野 201711
野分中仄かにぬくし夕刊紙 小林共代 風土 201711
叢に鳴くもの増ゆる野分後 笠井敦子 201711
まさをなる空放りおく野分かな 森村江風 201711
疑へば総てが翳る夕野分 渕上千津 201711
ホッチキスきつちり噛みし野分あと 柴崎英子 201711
野分寄す国難問ふてふ総選挙 松村光典 やぶれ傘 201712
野分あと人群れやすく去りやすく 赤石梨花 風土 201712
御師の宿敷居にすべる夕野分 小林共代 風土 201712
鳶横にななめに滑り野分だつ 南うみを 風土 201712
みだるるも清女の愛でし野分あと 片山博介 春燈 201712
経験値活かせぬ今年の野分かな 堀岡せつこ 201712
野分晴富士山東京スカイツリー 荒木甫 201712
家ごとに祭提灯野分過ぐ 柿沼盟子 風土 201712
町川の水嵩増せる野分かな 岡田史女 末黒野 201712
植ゑし物すべて倒して野分晴 榎美幸 万象 201712
まつすぐに風紋きざむ野分かな 山田春生 万象 201712
幣ちぎり野分の退る神の巌 岡村清美 馬醉木 201712
丹沢の手にとる近さ野分晴 内海良太 万象 201801
地球儀の海より野分あふれだす 亀井福恵 京鹿子 201801
言ひ方を違へ野分のまんなか 井上菜摘子 京鹿子 201801
野分去る森はきらりと凝まりぬ 伊藤希眸 京鹿子 201801
怖き絵を見たさに並ぶ野分中 森高武 風土 201801
野分後広き琵琶湖の濁りけり 駒井でる太 馬醉木 201801
野分去り校庭に降る日差しかな 田中信行 201801
底抜けにおしやべりな空野分あと 稗田寿明 201801
唇の渇きに覚むる野分かな 藤生不二男 六花 201801
蟷螂の高く舞ひたる野分あと 飛高隆夫 万象 201802
ごつごつと妙義山嶺野分雲 今村千年 末黒野 201802
四月二日野分会芦屋例会 稲畑廣太郎 ホトトギス 201804
欠けもせぬ猿の腰掛野分後 宮元陽子 末黒野 201804
四月二十三日野分会東京例会 稲畑廣太郎 ホトトギス 201804
寝室は野分の気配閉ざされし 稲畑汀子 ホトトギス 201809
顔一つ吹きのこさるる野分あと 神蔵器 風土 201810
長靴に腰埋め野分の老教師 能村登四郎 201810
梵鐘や野分一過を愉快がり 定梶じょう あを 201811
野分とて物買ひ込みて籠城す 赤座典子 あを 201811
野分来て高温ひやり季動く 遠山悟史 京鹿子 201811
海神の旗の揚がりし野分晴 市村健夫 馬醉木 201811
一ト部屋に家族集まり待つ野分 有松洋子 201811
青空の張りつめてゐる野分前 石橋幾代 201811
うしろより青空覗く夕野分 吉澤恵美子 春燈 201812
裏返す枕の上を野分過ぐ 近藤牧男 春燈 201812
まばたきをする間も野分近づき来 近藤牧男 春燈 201812
遠野分足のうらより目覚めけり 柴崎甲武信 春燈 201812
一書もて野分に籠もるひと日かな 鈴木直充 春燈 201812
根上りの松の星霜野分雲 富川明子 201812
湯浴みする音高々と野分あと 中谷富子 201812
野分去り朝の軒端の雀どち 峰幸子 末黒野 201812
日は照るもにはかにせまる野分雲 小嶋紘一 末黒野 201812
列島は長し野分と地震に暮れ 伊藤由良 末黒野 201812
雪洞の避難余儀なき野分かな 根本公子 末黒野 201812
蔵の扉の鏝絵の竜虎野分呼ぶ 升田義次 馬醉木 201812
野分波沖ゆく船の行き交ひて 岡木まち子 馬醉木 201812
野分あと我が表札はポストヘと 吉田悌子 京鹿子 201812
夕刊のとどいてをりぬ野分中 橋本順子 201812
いしぶみの影は翳へと野分あと 鷺山珀眉 京鹿子 201812
野分過ぎ古墳あやしきまで緑 平居澪子 六花 201812
忌憚なく陵に吹く野分かな 平居澪子 六花 201812
指揮棒のいよよ小刻み野分立つ 上谷昌憲 201812
野分かな鬼の唐衣銀の蛇 明星舞美 船団 201812
眠りより覚め早暁の大野分 相川健 201901
何やかや隣へ詫びに野分晴 南うみを 風土 201901
大玻璃戸の軋み怯ゆる野分かな 荻巣純子 雨月 201901
能舞台開け放ちたる野分あと 岡井マスミ 末黒野 201902
軽軽といのち吹かれてゐる野分 岩岡中正 ホトトギス 201903
三月二十五日野分会東京例会 稲畑廣太郎 ホトトギス 201903
鶏の餌をたつぷりと野分あと 栗原京子 201904
鶏小屋へ卵を取りに野分あと 栗原京子 201904
かはたれや野分のあとも竹騒ぎ 兒玉充代 201905
百面相は鏡の中に野分晴れ 川島由紀子 船団 201906
野分後てふ三瓶野の夜空はも 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
列島の季節裏返して野分 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
駒ヶ岳野分の雲に走りけり 山田六甲 六花 201910
野分立つ亜細亜三国ひと睨み 鈴鹿呂仁 京鹿子 201910
神々に戦の哀史野分立つ ほんだゆき 馬醉木 201910
草払ひ雲ひきちぎり野分過ぐ 菊谷潔 六花 201911
竹林のモンスター吼ゆ野分けかな 田尻勝子 六花 201911
沖合を占めて動かず野分雲 佐津のぼる 六花 201911
野分して空を刷きゐる茜雲 山下健治 春燈 201911
置き去りのままのトロッコ野分雲 渡辺若菜 春燈 201911
猫若し野分の揺らす紐にじゃれ 森なほ子 あを 201912
野分去りのたりのたりの大西洋 七郎衛門吉保 あを 201912
カナダ沖野分の来たり浪の船 七郎衛門吉保 あを 201912
海峡の潮目くつきり野分あと 佐津のぼる 六花 201912
朝まだき風を残していく野分 湯本正友 やぶれ傘 201912
野分晴れ夕鐘とどく聖橋 塙誠一郎 201912
野分立つほつれ懸かりの滝一縷 能村研三 201912
雑魚跳ねて藻畳ゆらぐ野分な 穐好樹菟男 馬醉木 201912
歩く事一番大事野分晴 溝越教子 春燈 201912
公園に野分の痕の木々匂ふ 田中たつを 雨月 201912
一服のお茶を熱目の野分あと 佐藤淑子 雨月 201912
野分→10      

 

2021年9月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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