61句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
わが男どき待たむ鰊を火に炙り 伊藤白潮 199807
雛の膳合はせ鰊と野老かな 高橋洋子 200006
月照らす鰊番屋の空火鉢 山本耀子 火星 200012
大原に着きて昼餉の鰊そば 阿部ひろし 酸漿 200107
蝉鳴いて鰊番屋の太柱 川崎妙子 風土 200109
わすれぐさ鰊番屋に錨銹び 川崎妙子 風土 200109
秋声や鰊に湧きし絵の古び 大石よし子 雨月 200111
威を残す鰊御殿や今朝の秋 岩永節 春耕 200111
顔見世や鰊の小骨まだとれぬ 中原道夫 銀化 200202
節分の京に来て食ふ鰊蕎麦 松崎鉄之介 200204
煮くづれしままなる昨夜の鰊鍋 井口光雄 200205
鰊食ぶオランダの天ふり仰ぎ 長山あや 円虹 200206
鰊には世の拗ねものの味がする 長山あや 円虹 200206
来しと云ひまだ来ぬといひ鰊かな 稲畑汀子 ホトトギス 200303
顔見世の夜の部を待つ鰊蕎麦 山下佳子 馬醉木 200304
身欠鰊炊く香厨に母の居て 梅原美子 200306
食卓の真中にでんと初鰊 川越勢津子 200405
懐かしき友の渋みや鰊蕎麦 田中時子 八千草 200410
夫帰宅間髪入れず鰊焼く 川越勢津子 200506
鰊乗る四角四面の会津焼 高橋洋子 200507
会津の膳身欠鰊の必ずあり 松崎鉄之介 200508
風花の舞へり茶店の鰊蕎麦 天田美保子 酸漿 200603
鰊曇り雀の来なくなる不思議 松原智津子 万象 200606
梅咲いて高窓くらき鰊倉 田辺みのる 万象 200606
水揚げの鰊の眼血走れり 笹原紀世子 200706
走り鰊焼く山の端をくゆらせて 小林輝子 風土 200707
鰊ぐもり運河に揺るる昼の舟 佐々木幸 200707
たつぷりと北の匂ひの鰊焼く 川瀬千恵 春燈 200712
魁に海鳥の群れ鰊群来 中島玉五郎 200804
鰊群来とは幻よ秋鴎 坂上香菜 200811
春鰊厨に匂ひ満たしけり 柿崎寿恵子 酸漿 200905
鰊群来白く濁せる海の色 柴田良二 雨月 200906
はるかなる四島鰊曇かな 関根洋子 風土 201006
姉さんに離れて父は鰊を煮る 佐藤喜孝 あをかき 201007
鰊群来夢見る老の紫煙かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201103
鰊群来北の生活の動き出す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201103
鰊群来てふ古の栄華かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201103
鰊樽塩の噴きたる重石かな 松本文一郎 六花 201108
鰊食ぶ肩に鱗をつけしまま 山田正子 201205
鰊待つ番屋に叩く津軽三味 山口誠 馬醉木 201206
鰊大群戦争支度せにゃならぬ 貝森光洋 六花 201208
鰊群来奥に飾りの釘隠し 高松由利子 火星 201306
心にも色の変はり目鰊群来 木暮陶句郎 ホトトギス 201307
海だけがひかりて鰊曇かな 木暮陶句郎 ホトトギス 201307
鰊群来水平線に夢の跡 木暮陶句郎 ホトトギス 201307
昇り藤鰊御殿をひと廻り 吉田克美 ろんど 201310
顔見世やはねて老舗の鰊そば 中道愛子 201402
木枯のきのふと過ぎし鰊そば 竹内弘子 あを 201403
赤をまぜ鰊曇りの空描きぬ 遠山みち子 201407
鰊焼く香り夜風にまぎれをり 鈴木良戈 201505
灯台も鰊番屋も海霧のなか 原田しずえ 万象 201510
トンネルを抜けて広ごる鰊空 榎美幸 万象 201605
身欠き鰊誘はれ茸と佃煮に 高野昌代 201605
はまなすや鰊大漁詠みし句碑 赤堀洋子 万象 201701
ぷつ切りの鰊およがせ三平汁 佐藤哲 万象 201703
手や顔に飛び散る鱗鰊群来 高山誓英 万象 201705
鰊群来今は昔の語り種 河本由紀子 京鹿子 202008
鰊群来見下す年尾句碑の黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 202203
鰊焚く銀鱗はじく夕厨 平田きみ やぶれ傘 202207

 

2023年3月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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