根 雪    51句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
月現れてことに根雪の軋みけり 梅田津 銀化 199903
刑囚に肥桶ひとつ根雪山 丸山海道 海道全句集 199910
決心の固まらぬまま根雪かな 赤間真弓 銀化 200003
根雪して雑木の山は朝ぼらけ 豊田都峰 京鹿子 200005
白樺を立たせて消えてゆく根雪 村越化石 200005
ゆつくりと根雪の朝の粥を吹く 長谷川鉄夫 200101
瞬けど根雪となりぬ眼底に 中原道夫 銀化 200103
食卓の下は疾うより根雪なる 朱間繭生 銀化 200104
懇懇と言ひ聞かせども根雪となる 中原道夫 銀化 200301
一昼夜降りて一気に根雪かな 根本成子 対岸 200402
鬼押出しの根雪に松の深みどり 関まさを 酸漿 200402
成木責根雪を分けてはじまれり 皆川盤水 雲の峰 200402
その底に流れ聞える根雪かな 北吉裕子 雲の峰 200403
ふるさとや厄介者を根雪といふ 井上菜摘子 京鹿子 200405
月山の根雪隠しぬ名残雪 岩瀬満里子 草の花 200407
山に根雪父と出湯に浸りしこと 野沢しの武 風土 200409
冬林檎根雪のおもさてのひらに 佐藤喜孝 あを 200501
迫り出せる屋根雪屁どさと落つ 重森健吉 築港 200504
故郷は根雪とりとめのない話 浦川哲子 200504
眠る子に浄きつむじや根雪くる 吉田陽代 200601
腰窓の根雪あかりや見舞籠 中田みなみ 200603
青空の覗ける日々の根雪割る 長沼三津夫 200605
飛騨人のつるはしで割る根雪かな 遠藤典子 栴檀 200605
覚悟とは根雪のやうなものならむ 前川明子 200701
満月や根雪山河の深眠り 三宅句生 馬醉木 200703
天上へいつかは還る根雪かな 近藤喜子 200704
物売のこゑの伸びゆく片根雪 中田みなみ 201005
ちちははの棄てし故郷根雪来る 藤原照子 201203
根雪踏む音まとひつく古戦場 鈴鹿けい子 京鹿子 201301
一昼夜根詰めて降りもう根雪 大畑善昭 201302
この雪は根雪になると呟きぬ 清水節子 馬醉木 201303
初雪の根雪となりて橋の上 大日向幸江 あを 201303
根雪来て暫し大地に別れ詩 佐藤淑子 201303
餅を焼く根雪の底の土如何に 古川忠利 ろんど 201305
根雪道鴉の嗤ひ声聞こゆ 田中貞雄 ろんど 201305
朝まだき神の光かブルーの根雪 水谷直子 京鹿子 201305
白富士に隣る甲斐ケ根雪曇 瀧春一 花石榴 201312
掃き寄せて居座りの雪もう根雪 大畑善昭 201402
根雪らし分銅下がりきりのまま 石坂比呂子 ろんど 201402
トントンカシャカシャ根雪掻く音に目覚めけり 中下澄江 201405
牛飼ふ灯ぼうつと根雪の村眠る 佐瀬晶子 ろんど 201502
真白なる根雪の反射空の青 水谷直子 京鹿子 201505
湯を沸す出羽は根雪と聞きしあと 甲州千草 201702
鯉濃は奥羽の力根雪雲 甲州千草 201712
根雪踏み信号待ちの交差点 岡田香緒里 やぶれ傘 201804
よく眠る夢は根雪の消ゆるまで 物江康平 春燈 201805
気がかりは根雪の下の作り物 時澤藍 201805
県境の根雪に落花又落花 岡田桃子 201807
山寺の根雪一気や冬椿 服郎鹿頭矢 馬醉木 201902
蒼みゐる根雪は踏まず穢さずに 能村研三 202002
寒造り根雪の山の聳えけり 岩木茂 風土 202205

 

2023年1月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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