寝正月      94句

霞む日も寝正月かよ山の家    一茶

作品
作者
掲載誌
掲載年月
柝の音の過ぎてゆきけり寝正月 小澤克己 遠嶺 199902
こんこんと眠る病夫と寝正月 杉山瑞恵 雨月 199906
携帯に起こされてをり寝正月 稲畑廣太郎 ホトトギス 200001
寝正月出来ざる性と思ひけり 稲畑汀子 ホトトギス 200001
宇宙遊泳もかくやと寝正月 鷹羽狩行 200002
骰ひとつ畳の上に寝正月 鷹羽狩行 200002
老斑もほくろも愛し寝正月 吉田汀史 200003
新聞の裏が透けたり寝正月 山田六甲 六花 200003
怪我せしをかこつけすごす寝正月 杉本寛 200003
座右のもの一切払ひ寝正月 本城布沙女 雨月 200003
寝正月心弱りの許されじ 本城布沙女 雨月 200003
肺炎とおどされ妻と寝正月 二村蘭秋 雨月 200004
水甕の蓋ずれてをり寝正月 仲村菜花 200005
力瘤あるにはあれど寝正月 伊丹三樹彦 200005
寝正月誰かが起きてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200101
寝正月ミサの時間の迫りくる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200101
結局は何も起らず寝正月 稲畑廣太郎 ホトトギス 200101
昼過ぎの青竹踏んで寝正月 山田六甲 六花 200101
寝正月玩具ちらばる中にをり 田所節子 200103
今日よりか寝正月と決めこんで 保坂加津夫 いろり 200104
山襞の毛物見ている寝正月 金子兜太 海程 200105
さいひとつ畳の上に寝正月 鷹羽狩行 十三星 200105
生命なり年替はるごと寝正月 保坂加津夫 いろり 200202
寝正月金の生る木を枕辺に 垣尾美智子 200204
幽閉のじとマンションの寝正月 藤井圀彦 200204
寝正月には縁のなき女かな 稲畑汀子 ホトトギス 200301
寝正月妻悦惚の声を出す 森田春秋子 百鳥 200301
茶柱が立つたと笑ひ寝正月 信崎和葉 六花 200301
存分に寝正月して得し力 山田弘子 円虹 200303
ウエツトスーツ軒に吊して寝正月 柴田久子 風土 200304
寝正月だいたいどこかが痛くなる 香釈好以 八千草 200307
寝正月いま人間になる途中 山田六甲 六花 200402
文庫本五六冊得て寝正月 嶋崎豊子 雨月 200403
南天につぎの羽音や寝正月 城孝子 火星 200404
弱法師寝正月してをりにけり 粟津松彩子 ホトトギス 200405
寝ることのさびしさ知るや寝正月 林翔 200410
寝正月てふ贅沢に籠るかな 隠居正暢 対岸 200504
掛軸に竜の昇れる寝正月 木野本加寿江 火星 200504
文庫本手元に置きて寝正月 三橋早苗 ぐろっけ 200504
抗菌の俎立てて寝正月 小林晋子 200507
寝正月メモに未完の句がひとつ 川口松生 200507
寝正月ようやくわれにかえりけり 小塚嘉人 200507
体力気力萎えてまつこと寝正月 山田をがたま 京鹿子 200603
寝正月十七文字と添ひ寝して 藤一 四葩 200603
今年こそ趣味極め度し寝正月 東野一彌 ホトトギス 200605
卒寿我寝正月には非ざりし 瀧青佳 ホトトギス 200605
目覚めゐて鉛の目蓋寝正月 尼嵜太一郎 ぐろっけ 200606
天井に木目の変化寝正月 尼嵜太一郎 ぐろっけ 200606
寝正月電子レンジのちんと鳴り 池田かよ ぐろっけ 200703
妻を呼ぶことにも慣れて寝正月 ことり 六花 200801
朝夕の区別つかざる寝正月 ことり 六花 200801
寝正月腹時計には勝てずをり 伊藤白潮 200802
子の去りて又寝正月決め込めり 松田邦子 200803
産卵後の鮭のごとくに寝正月 篠田純子 あを 200803
時差惚けを隠れ蓑とし寝正月 千原叡子 ホトトギス 200806
寝正月我に縁なきこととして 稲畑汀子 ホトトギス 200901
三猿のポーズ楽しや寝正月 伊藤憲子 200903
寝正月昼はゆつくり近くなり 米山喜久子 200903
髪結の寝正月てふさもあらん 栗田武三 ぐろっけ 200904
大切に一病抱き寝正月 松嶋一洋 201003
寝正月顔の揃ふは夕つ方 前田玲子 ぐろっけ 201004
点滴を腕に捕へて寝正月 岡野ひろ子 201004
次の世もこのままでよい寝正月 松田都青 京鹿子 201005
妻の亡き寂しき自由寝正月 山田柳水子 ホトトギス 201007
嫁ぎ来て出来ぬひとつは寝正月 中田寿子 ぐろっけ 201102
吸飲みのいい感じして寝正月 安部里子 あを 201103
駅伝のまだ箱根路や寝正月 磯崎清 201104
寝正月天衣無縫の夢遊び 藤岡紫水 京鹿子 201104
駄菓子へとつひ手が伸びる寝正月 瀬島洒望 やぶれ傘 201105
手の届く範囲と決めて寝正月 貝森光洋 六花 201203
サボテンの花赤々と寝正月 涼野海音 火星 201204
歳時記を枕辺に置き寝正月 高橋田鶴子 万象選集 201205
志ん朝の火焔太鼓や寝正月 緑川悠紀子 万象選集 201205
住み慣れしことこそめでた寝正月 山田六甲 六花 201301
水槽の砂よりあぶく寝正月 蘭定かず子 火星 201304
ハツピーと言葉を交はし寝正月 水谷直子 京鹿子 201305
餅つきの筋肉痛ぞ寝正月 山田六甲 六花 201401
寝正月の夫を残して百貨店 石川かおり 福袋 201404
寝正月ベッド砦となつてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201501
孫達に会へぬ今年の寝正月 濱野新 やぶれ傘 201604
はづかしや昼に近きを寝正月 溝内健乃 雨月 201604
喀血の果てに疲れて寝正月 城草太 雨月 201604
留守電に声大きすぎ寝正月 山田六甲 六花 201701
己が愚を振り返りたり寝正月 落合由季女 雨月 201702
寝正月銀河の星と揺られたし 池田光子 風土 201704
賑はひの外にありけり寝正月 森岡正作 201803
西郷どんの寝た畳かや寝正月 田尻勝子 六花 201804
一年の計の手はじめ寝正月 柳川晋 201804
恙無く髭の伸びたり寝正月 石黒興平 末黒野 201805
本も読まず筆も取らずの寝正月 田村すゝむ 風土 201903
去るものを去らしめ妻の寝正月 佐川三枝子 201903
寝正月地球自転の音聞かむ 平野多聞 201904
三食のほかにあれこれ寝正月 小林輝子 風土 202004
携帯の飛び込んでくる寝正月 江見巌 六花 202004
初春と気負し今年も寝正月 渡辺節子 202006
人も木も鳥も大地も寝正月 中西厚子 202104

 

2022年1月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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