涅 槃 8    78句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
竹藪の揺れしづまらぬ涅槃変 犬塚李里子 201707
笹叢は風のささめく涅槃かな 井上和子 201706
寝台車下段に涅槃したまへり 高橋龍 201707
竹林の夕べさわだつ涅槃かな 戸栗末廣 201707
涅槃図のここに入れよと指差す子 矢野百合子 201707
涅槃図の象の哀しみ鼻掲げ 松尾龍之介 201707
遅れ来しものに空けおく涅槃絵図 松田明子 201707
草木も歎いてゐたる涅槃変 戸栗末廣 201709
涅槃図を掲げ大本山の格 稲畑廣太郎 ホトトギス 201803
高僧を訪へば涅槃図迎へくれ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201803
愁ひまだ眉間に少し涅槃像 近藤喜子 201805
お涅槃や雨に取り込む植木鉢 木村美翠 201805
お涅槃やがうがうと山迫り来る 雨宮桂子 風土 201805
室町の朱の色あせぬ涅槃絵図 大橋淳一 雨月 201806
火を吹きて竜王哭す涅槃変 大橋淳一 雨月 201806
涅槃絵図釈迦を立たせて納めけり 村上美智子 雨月 201806
涅槃絵解き伊勢の訛の親しさに 村上美智子 雨月 201806
涅槃法話聞く最前の席占めて 岡田ちた子 雨月 201806
日のさして涅槃図の雲かがよへる 大川ゆかり 201806
涅槃図へ長き廊下の続きけり 高倉和子 201807
涅槃図へ亀が急いでゐるところ 戸栗末廣 201807
涅槃図の余白荒野につながりぬ 山本則男 201807
青よりも赤の哀しき涅槃像 和田華凛 ホトトギス 201808
息つめて視る涅槃図の摩耶夫人 服部早苗 201809
小流れの調べ野にあり涅槃寺 平田初音 京鹿子 201901
涅槃図の裏より覗く寺の猫 小林朱夏 201904
明晰に読み解いてをり涅槃絵図 能村研三 201904
涅槃図の余白震はす風一陣 岡本尚子 風土 201905
お涅槃の玻璃に輝く落暉かな 半谷洋子 201905
鏡青く青く磨きて涅槃の日 森祐司 201905
忘れゐし吾も仏弟子涅槃の日 中貞子 201905
涅槃図に声なき声の満ちてを 長谷川祥子 馬醉木 201906
涅槃図に猫をる寺の息づかひ 竹内悦子 201906
人生の起伏を埋める涅槃かな 岩月優美子 201906
涅槃像死して死なざる腕枕 福森順子 京鹿子 201907
目覚むれば我涅槃図の中にをり 天谷翔子 201909
涅槃図の石の彫刻祈り満つ 植木やす子 201909
写生子の画紙をはみだす涅槃像 平田はつみ 馬醉木 202004
紙懐炉抱き涅槃会の寺にゐる 増成栗人 202004
はんなりと口無瀬戸の涅槃闇 和田照海 京鹿子 202005
涅槃会の読誦にまじる鳴咽かな 藤生不二男 六花 202005
もろ鳥や大涅槃図にある余白 河野亘子 馬醉木 202005
お涅槃日鯉口開けて集り来 中田みなみ 202006
海峡の潮の昂る涅槃かな 笹村政子 六花 202006
涅槃図の薄れうすれて遊ぶごと 柴田佐知子 202006
賽銭箱に祖父の名のある涅槃寺 三井所美智子 202010
涅槃図や世界の嘆き受け止めて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202103
高僧の来て涅槃会の畏まる 稲畑廣太郎 ホトトギス 202103
涅槃図の明るきまでの空の色 増成栗人 202104
涅槃図へ入れぬ猫が膝へ来る 後藤兼志 202104
青笹に日のあたりたる涅槃かな 能村研三 202104
涅槃図の遠近合はぬひとところ 能村研三 202104
涅槃図の皺に鬼畜の微かな笑み 柴田佐知子 202104
涅槃図の隅を見てゐる膝ついて 青谷小枝 やぶれ傘 202105
涅槃図の余白は民の嘆く場所 千田百里 202105
安堵なる目許口許涅槃像 平野多聞 202106
象の背を濡らして涅槃しぐれかな 千田百里 202106
絵硝子の透けて夕日の涅槃絵図 里村梨邨 202106
みづうみの芯の明るき涅槃雪 南うみを 風土 202106
黒松の直幹を打つ涅槃雪 能村研三 神鵜 202107
涅槃図の真筆偽筆ともかくも 能村研三 神鵜 202107
百畳の風を背に涅槃像 能村研三 神鵜 202107
涅槃像真似して眠る万愚節 水谷昭代 202107
流れ星流るる先の涅槃かな 高橋将夫 202112
涅槃図の黙に明るさありにけり 増成粟人 202204
涅槃図に隙間麻酔の効きはじむ 和田照海 京鹿子 202204
涅槃図の獅子は腹出し嘆きをり 秋川泉 あを 202204
遠目にも竹林の濃き涅槃の日 能村研三 202205
涅槃図の巻き皺嘆き深めたる 橋添やよひ 風土 202205
涅槃図のうしろ若狭の潮けむり 南うみを 風土 202206
ジオラマの江戸の町なみ涅槃かな 野村昌代 202206
どぜうにも仏在せり涅槃変 神蔵器 風土 202207
片肘に日の名残りゐる涅槃かな 笹村政子 六花 202206
お涅槃の銀座に画廊訪ねけり 祐森司 202210
熱々の海鮮リゾット涅槃雪 畑田久美子 202210
手枕の仮寝のごとし涅槃像 永淵惠子空 202211
涅槃図の畳へ赤子降ろしけり 永淵惠子 202212
涅槃 →1

 

2023年3月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。