涅 槃 6    100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
涅槃図に合掌礼の外知らず 大橋敦子 雨月 201207
名刹の浄土涅槃図古構図 大島みよし 201207
涅槃会の鐘鳴り渡る伊勢平野 桜井知恵子 雨月 201207
涅槃図に会ふに覚悟のやうなもの 後藤比奈夫 ホトトギス 201208
嘆きより和みに涅槃し給へる 鳳蛮華 201209
嘴開けて燕哭きゐる涅槃絵図 横山昭子 雨月 201301
色湧いて鯉があぎとふ涅槃かな 伊藤白潮 201303
涅槃図の真筆偽筆ともかくも 能村研三 201303
百畳の風を背に涅槃像 能村研三 201303
三五夜の月が点睛涅槃図は 大畑善昭 201303
藻の匂ひ強き涅槃の夜なりけり 荒井千佐代 201305
緋の色はもとより深き涅槃絵図 箕輪カオル 201305
涅槃像海の青さのただならず 水野恒彦 201305
涅槃図の絵解きの僧の薄衣 箕輪カオル 201305
白象のほそきまなじり涅槃の日 本多俊子 201305
御涅槃嘆きの弟子の耳大き 浅田光代 風土 201306
藻絡みの舳綱の張りや涅槃変 荒井千佐代 201306
うすずみの川流れゐる涅槃かな 水野恒彦 夢寐 201306
幾世経し涅槃図の朱の瑞々し 桜井知恵子 雨月 201306
涅槃図はそろそろ満席ではないか 鶴巻誉白 ろんど 201306
涅槃会や咽の奥みせ猫あくび 海村禮子 春燈 201306
涅槃の日暮れて来世を諾へり 松本周二 かさね 201306
涅槃会に侍りて胸のつかへ解け 片岡良子 雨月 201306
涅槃仏安房の男波を台座とし 佐久間由子 201401
まづ阿難たしかめてより涅槃絵図 吉田政江 201401
枯るる中涅槃心地のやぐら前 田中貞雄 ろんど 201403
海鳴りを遥かに涅槃し給へり 佐久間由子 201404
潮溜りに稚魚の遊べる涅槃かな 荒井千佐代 201405
古釘の支ふる涅槃図の嘆き 楠原幹子 201405
千本の杉の幽暗涅槃寺 石田阿畏子 馬醉木 201405
雨音を聞くかに涅槃したまへる 涼野海音 火星 201405
涅槃図の樹々の悲しみ枯色に 塩見英子 雨月 201405
涅槃図に両手を付いて膝進め 林いづみ 風土 201405
涅槃図に膝行しつつ仰ぎけり 西岡啓子 春燈 201405
涅槃泣く人の裾廻を獣啼く 安部和子 雨月 201405
裏山に獣のこゑや涅槃変 柴田佐知子 201405
海冥く鳥ごゑ遠き涅槃かな 水野恒彦 201405
修復の軸芯太き涅槃絵図 福本すみ子 201405
涅槃会や近づいてくる白い雲 本多俊子 201405
幾曲り廊下の奥の涅槃像 谷岡尚美 201406
唇のゆたかに嘆く涅槃絵図 大山文子 火星 201406
涅槃図を架けて見上ぐる雲の上 瀬瀬野喜代子 万象 201406
涅槃図に儒家は小さく描かれゐて 瀬瀬野喜代子 万象 201406
涅槃会や寺の山水誉め合うて 内海良太 万象 201406
慟哭の声はろかなる涅槃変 大橋淳一 雨月 201406
里びとの南無妙唱和涅槃寺 内海良太 万象 201406
淀みなく涅槃絵図説く僧若し 笹倉さえみ 雨月 201406
夜の山の近々とある涅槃寺 錫木妙子 馬醉木 201406
涅槃図の蘊蓄を聞く正座して 田代貞枝 201407
お涅槃を螺旋三回り薄暑かな 能村研三 201407
涅槃図を咫尺に拝す仔細かな 大橋敦子 雨月 201410
涅槃会の沖よか明けて来るかな 田中佐知子 風土 201411
涅槃図やひとりの鍋の味をみる 堀内一郎 堀内一郎集 201412
レーザーの指し棒が説く涅槃図会 能村研三 201503
涅槃会の花供祖団子待ちどおし 廣瀬将也 201504
涅槃会や夜は清めの般若湯 鈴木鳳来 故山 201505
涅槃図の宙にシュレジンガーの猫 竪山道助 風土 201505
涅槃像顔に日当たりゐて寒し 石井秀一 風土 201505
涅槃会や龍角散の飴舐めて 中島陽華 201506
涅槃会や絵図の誦経と聞きもして 片岡良子 雨月 201506
誰それに似しと涅槃図囲みけり 平居澪子 六花 201506
お涅槃の塩塩梅は上上で 辻響子 201506
フリテンくん涅槃の雨に濡れてゐる 辻水音 201506
涅槃図を下げたる紐の頼りなし 松田明子 201506
涅槃図や足よりのほる老いの冷え 齋藤晴夫 春燈 201507
笹山に風立ちやすき涅槃かな 鈴木静恵 花こぶし 201508
とりけもの哭いて静かな涅槃絵図 松田明子 201508
海鳴りや耳たぶ大き涅槃仏 石崎和夫 201510
けだものの舌みな赤き涅槃像 伊藤通明 201603
内陣の闇に眼の慣れ涅槃絵図 内海良太 万象 201605
線香に咽せて涅槃の寺を辞す 福島せいぎ 万象 201605
涅槃会の散華一片しをりとし 井浦美佐子 201605
窓越しに涅槃図確と拝みぬ 大橋晄 雨月 201605
山の樹の大方切られて涅槃かな 山田佳子 201606
あるだけの椅子満席や涅槃寺 小林のり人 春燈 201606
大勢で来て涅槃図にかしこまる 内海良太 万象 201606
涅槃図の前に園児等畏まる 福武幸子 万象 201606
涅槃絵図哭かざるもののなかりけり 大橋淳一 雨月 201606
室町の朱の色あせず涅槃絵図 大橋淳一 雨月 201606
沖遥か顕つ海光や涅槃像 水野恒彦 201607
羊がいつぴき羊がにひき涅槃かな 中島陽華 201607
三本の矢は折れ難し涅槃西嵐 前田美恵子 201607
あかときの地震に揺れをり涅槃像 犬塚李里子 201607
円柱にぐらついてゐる涅槃絵図 松田明子 201607
犬待たせ涅槃寺へと上がり込む 小林朱夏 201608
まだ入れさうなる涅槃像の隅 後藤立夫 ホトトギス 201609
画遊師の蔬果涅槃図や青い鳥 元橋孝之 京鹿子 201609
初夢の写し出したる涅槃かな 沼田巴字 京鹿子 201701
詼諧の僧が案内や涅槃寺 能村研三 201704
涅槃図の巻き皺にある信憑性 能村研三 201704
涅槃図の木の間の風に吹かれたし 内藤静 風土 201705
槐の字の鬼に親しき涅槃空 雨村敏子 201705
近づけば燭や昂る涅槃絵図 植田桂子 馬醉木 201705
慟哭の顔ばかりなり涅槃絵図 大橋淳一 雨月 201706
その母の雲居に嘆く涅槃変 大橋淳一 雨月 201706
鳥どちは大地に哭けり涅槃変 大橋淳一 雨月 201706
鋏上げ蟹の哭きゐる涅槃絵図 大橋淳一 雨月 201706
失神せる美男の僧や涅槃絵図 村上美智子 雨月 201706
涅槃図や嘆きの象は鼻を上げ 秋川泉 あを 201705
張りぼての白象居なくなり涅槃 岩月優美子 201706
涅槃 →7      

 

2021年3月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。