佞武多(ねぶた・ねぷた)    124句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ねぶた桟敷に奥方気分最前列 金升富美子 199810
旅の夜の佞武多囃子に更けにけり 坂中紀子 円虹 199812
武者ねぶた海へ送りぬ夜半の月 島田万紀子 馬醉木 199812
熱気なほ佞武多の闇に旅惜しむ 坂中紀子 円虹 199812
吾も跳ね人佞武多に旅の夜を惜しむ 坂中紀子 円虹 199812
露天湯に佞武多武多の火照り鎮めけり 坂中紀子 円虹 199812
まだ佞武多麟子聞こえぬ朝散歩 坂中紀子 円虹 199812
みすずかるみちのくのおくねぶたかな 保坂加津夫 いろり 199909
武者佞武多闇動かして迫りくる 三浦恵子 円虹 200011
ゆさゆさと太刀揺れてくる武者佞武多 三浦恵子 円虹 200011
ねぶたの夜戻りて宿の握り飯 和田崎増美 雨月 200011
暮れきらぬ空に出陣待つ佞武多 三浦恵子 円虹 200011
跳ね囃子ねぶた老若赤蹴出し 岡田芳子 ぐろっけ 200011
夜の闇を押すごとく行く大佞武多 笠原ひろむ 200011
大見えをきつて佞武多の審査受く 三浦恵子 円虹 200011
佞武多笛うまし津軽に稼ぎきて 三浦恵子 円虹 200011
雨止みてより光増す佞武多の燈 伯井茂 春耕 200011
佞武多祭乱舞の後を風が掃く 笠原ひろむ 200011
しんがりの佞武多の笛の遠ざかる 鈴木大林子 春耕 200110
大ねぶたそれぞれ跳人二千率て 内山芳子 雨月 200111
ねぶたゆく男も赤き蹴出し見せ 内山芳子 雨月 200111
大ねぶた大ゆすりして迫り来る 内山芳子 雨月 200111
背なの子のひとりの佞武多囃子かな 貝森光大 六花 200112
剣先の闇押しひろげ武者ねぶた 近藤暁代 馬醉木 200112
灯数殖えねぶた跳人の鈴の音 近藤暁代 馬醉木 200112
背ナの子のひとりの佞武多囃子かな 貝森光大 六花 200112
膝小僧越後さぶいかねぶたいか 栗栖恵通子 200205
出陣のねぶた跳人が夜を乱舞 栢森定男 あを 200208
骨組みも出来てねぶたの祭来る 田中重子 雲の峰 200208
弘前ねぶた研艶競ふ見送り絵 宮津昭彦 200208
ラッセラーねぶたばやしの声響く 栢森定男 あを 200208
みちのくの短い夏のねぶた祭 栢森定男 あを 200208
むせぶほどねぶた囃子に近づきぬ 中村恭子 200301
武士の眼の大きく佞武多灯りけり 今瀬剛一 対岸 200310
志功生誕百年雨のねぶた練る 久保晴子 雨月 200311
亡き人にねぶたの話ロゼワイン 村林久子 遠嶺 200311
弁慶の立往生もねぶたかな 高野清風 雲の峰 200410
火の夜の一期一会の佞武多かな 貝森光大 六花 200410
アテルイの裔の血騒ぐ佞武多かな 大森道生 春燈 200411
佞武多の灯こころ許せる人とゐて 水野あき子 遠嶺 200411
ねぶたとて絵団扇持ちて跳ね踊る 早崎泰江 あをかき 200509
またがりて女人も佞武多太鼓打つ 鷹羽狩行 200510
武者どれも女難の相や佞武多来る 鷹羽狩行 200510
夕闇に脚の生えたるねぶたかな 中島陽華 200510
天の打水そのあとに佞武多出す 鷹羽狩行 200510
夜の底を浮かせ浮かせてねぷた来る 鷹羽狩行 200510
ねぷたの灯ともるを津軽富士も待つ 鷹羽狩行 200510
ねぷたの灯連ね竜宮城めざす 鷹羽狩行 200510
水尾曳くがごとくに離りねぷた笛 鷹羽狩行 200510
おのが絵の下を歩きてねぷた絵師 鷹羽狩行 200510
後続の扇も見えてねぷたの夜 鷹羽狩行 200510
これはまた孔雀びらきに子のねぷた 鷹羽狩行 200510
星々の手をつなぎ合ひ佞武多来る 橋本榮治 馬酔木 200511
ねぶた果て大渋滞の動かざる 北川隆子 200512
夏惜しむ津軽にねぷたねぶたかな 愛澤豊嗣 馬醉木 200611
ねぶた来る津軽の闇を払ひつつ 仲田美智子 200611
夏惜しむ津軽にねぷたねぶたかな 愛澤豊嗣 馬醉木 200611
ねぶた見る東北弁に囲まれて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200708
灯の入りし金魚ねぶたを曳きゆくよ 岡有志 ぐろっけ 200711
灯を入れて燃ゆる白眼佞武多武者 山本吉人 200711
鼻緒緊めねぶた祭の人となる 長谷英夫 馬醉木 200812
武者ねぶた先づ薙刀の揺らぎ発つ 長谷英夫 馬醉木 200812
二の腕の筋肉円きねぶたかな 寺田正人 200910
目も口も赤く染まりし佞武多かな 寺田正人 200910
海峡の風ともなりてねぶた笛 寺田正人 200910
佞武多師の茶をすすりをりねぶた背に 寺田正人 200910
小屋へ入る笛の寂しき佞武多かな 寺田正人 200910
陸奥湾をぐっと睨みて鬼佞武多 手島伸子 雨月 200912
陸奥の闇震はせ乱舞武者佞武多 手島伸子 雨月 200912
母の夢醒めし師走のねぶた汁 伊東湘三 春燈 201003
大寒を揺るがさむとて「ねぶた」の来 東亜未 あを 201003
跳人はね天地揺るがすねぶたの夜 川合八重子 酸漿 201010
恐しきねぶた灯籠襲ひくる 川島澄子 酸漿 201010
鮮やかな彩撒き散らし佞武多の夜 片山博介 春燈 201011
夜半の雨佞武多の熱をさましけり 片山博介 春燈 201011
眉上げて出陣近し武者佞武多 片山博介 春燈 201011
暗闇にとよむ佞武多の大太鼓 片山博介 春燈 201011
大闇を押し広げくる武者ねぶた 山下佳子 201011
修羅場塗り温和の戻るねぷた絵師 古川忠利 ろんど 201011
志功展ねぶた祭の色基 長崎桂子 あを 201110
煌々とねぶたを飾るホテルかな 和田郁子 201110
沖に湧く雲にぶつかるねぶた笛 古川忠利 ろんど 201111
離郷の朝ねぶた埃の靴を履く 古川忠利 万華鏡 201206
残照やねぷたの形へ雲の峰 山田六甲 六花 201209
稲妻に太刀をかざしてねぶた武者 山田春生 万象 201211
ねぶた見し昂りにあり眠られず 奥田智久 ホトトギス 201303
ねぶたの夜闇の深さは空にあり 奥田智久 ホトトギス 201303
ねぶた果つ闇へ名残の笛を吹く 山口誠 馬醉木 201311
ねぶた笠乱舞の鈴の魂鎮め 鎌田慶子 ろんど 201311
ねぶた来る先陣切つて跳ぶ跳人 大橋弘子 末黒野 201312
長き爪山車をはみ出すねぶたかな 吉田葎 201401
ねぶた絵の灯ともり跳人勢ひ立つ 秋葉雅治 201410
ねぶた山車見栄切る武者の気迫かな 中井登喜子 201410
ひと夏の命を焦がすねぶたの夜 中井弘一 201410
過ぎてゆく勝負のまなこねぷたかな 鎌田悟朗 ろんど 201410
燃えに燃えねぷたねぶたの最終日 鎌田慶子 ろんど 201411
向日葵の影ねぶたげの朝かな 鎌田光恵 201411
旅人をおどろかしたるねぶた武者 山田春生 万象 201411
燃えに燃えねぷたねぶたの最終日 鎌田慶子 ろんど 201411
灯を入れて今立ち上がる大佞武多 田村すゝむ 風土 201412
跳ぬるたび佞武多の太鼓地に響く 黒滝志麻子 末黒野 201511
いづこにも月なき夜やねぶた笛 山田春生 万象 201511
ラツセラー佞武多明りに跳る声 中村三郎 京鹿子 201511
降り立てばねぶたの余韻響く街 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
闇を裂くねぶた形相手振鉦 伊藤紫水 風土 201609
星空へ胸をそらして立ねぶた 三枝正子 万象 201610
海渡御の大賞ねぶたや綺羅つくし 山口誠 馬酔木 201611
昨夜竿灯今宵佞武多や一人旅 鍋島武彦 末黒野 201612
お囃子や一度ゆきたきねぶた祭 石橋邦子 春燈 201810
眦の裂けてねぶたの怒り武者 山口誠 馬醉木 201811
山門の迎春ねぶたくぐりけり 門伝史会 風土 201904
ねぶた果てみちのくらしく明け初むる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201908
みちのくの妖しく暮れてねぶたかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201908
みちのくの夜をねぶたに明け渡す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201908
港の灯ねぶたに溶けてゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201908
武者ねぶた総身で命輝かす 高橋将火 201911
望郷の明り耀ふ佞武多かな くどうひろこ 201911
熱情を秘めて真白き佞武多小屋 須賀ゆかり 202105
夕風や光の塊の佞武多発つ 須賀ゆかり 202105
灯されていよよ血走る佞武多の眼 須賀ゆかり 202105
みちのくの鼓動よ佞武多来たりけり 須賀ゆかり 202105
大波の青溢し行く佞武多かな 須賀ゆかり 202105
ひと夜さの水脈滲ませて佞武多去る 須賀ゆかり 202105
ねぷた出陣ねぶた凱旋静と動 河本由紀子 春燈 202110

 

2022年8月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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