夏痩せ   189句

夏痩の骨にとゞまる命かな   正岡子規  寒山落木

作品
作者
掲載誌
掲載年月
友禅の展示会出で夏痩す 浜口高子 火星 199810
夏痩の友のもてなし笹団子 中里カヨ 酸漿 199910
夏痩せの乳房臍まで届く母 細川知子 ぐろっけ 199910
夏痩や人に会はねば髪も痩せ 田中みちよ 199911
夏痩せの帽子に紙をはさみけり 坂井まさき 六花 199911
椅子の上に正座する癖夏痩せて 史あかり ぐろっけ 199911
夏痩せかミロのヴィーナスAカップ 尾上有紀子 わがまま 200002
夏痩せといへどいよいよ眼に力 鷹羽狩行 200008
黒谷の墓の中来て夏痩す 山尾玉藻 火星 200009
夏痩せて一の鳥居をくぐりけり 加藤真起子 火星 200009
夏痩せて更に邪なるこころ 中原道夫 銀化 200009
夏痩せや重たく見ゆる今朝の風 池尻足穂 俳句通信 200010
夏痩の歴然と吾の体重は 中林京子 雨月 200010
夏痩の袖ふくらます海の風 升本行洋 春耕 200010
夏痩せて親指大きくなりにけり 小林恵美子 船団 200010
夏痩せて砂漠のわだち思ひをり 武井清子 200011
夏痩はならず酒量の又増えて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200108
夏痩せて少年のゐる樹下を過ぐ 能村登四郎 200108
夏痩せて身の一筋のものやせず 能村登四郎 200108
夏痩せの鼓動励ますジャズライブ 篠田純子 あを 200109
言ふまじき夏痩けふの帯かたく 木村風師 馬醉木 200110
夏痩を知らぬ子とゐて太りけり 三井公子 酸漿 200110
夏痩といふ声の子と語りけり 永田二三子 酸漿 200110
夏痩を知らずも恐る紫外線 大石よし子 雨月 200110
夏痩せて鏡の裏を通りけり 能村登四郎 羽化 200110
夏痩せて世への怒りの失せにけり 能村登四郎 羽化 200110
夏痩の声なき鵯に風やさし 岡久枝 酸漿 200111
山羊汁に夏痩知らぬ仲間達 木村恭子 円虹 200111
夏痩せて裏山は眠らぬ木ばかり 塩野谷仁 海程 200112
夏痩せを攻めるエコーの探索子 辰巳比呂史 200202
夏痩をすゝめられゐる治療かな 稲畑汀子 ホトトギス 200207
夏痩せて手間省く日々無洗米 相沢有理子 風土 200209
夏痩せてもかかづらふこと多きかな 田口俊子 200209
セイロンや象も夏痩せするといふ 中川二毫子 遠嶺 200209
看取り女の急な夏痩せ気づかへる 吉田眞弓 雨月 200210
夏痩せの腕に点滴したたれる 嶋田光枝 築港 200210
夏痩せや心中立てでもあるまいに 石山正子 銀化 200210
夏痩せて日記に余白目立ちけり 廣瀬米 200211
夏痩や卵の殻の割れやすき 秋田谷明美 帆船 200211
夏痩もせで飲食の夫婦かな 西村しげ子 雨月 200211
四川広東料理に馴れず夏痩せす 小林佐江子 雨月 200211
夏痩せか目盛り読む目のいぶかしく 河村武信 ぐろっけ 200211
夏痩といふ憧れのやうなもの 長山あや ホトトギス 200212
夏痩を気にせし頃をなつかしむ 稲畑汀子 ホトトギス 200308
夏痩もせぬ食欲も衰へず 稲畑汀子 ホトトギス 200308
夏痩せのこの膝に子ら育ちたる 熊丸淑子 馬醉木 200309
眦の母に似しとや夏痩せて 柴野静 200310
夏痩の嫁に菩薩の胸厚し 磯野しをり 雨月 200310
夏痩せは遠い昔よピサを焼く 前田陽子 200311
夏痩せて学ぶ敬語の誤用例 田村園子 200311
夏痩せて空也の痩せと思ひをり 吉田島江 火星 200311
打たせ湯に夏痩せの首さしのぶる 伊藤白潮 200407
夏痩せてぎらりと若さ取り戻す 松本圭司 200407
夏痩せて老兵はみる露営の夢 杉山誠市 春燈 200409
夏痩もせずに大言壮語かな 中村千代 帆船 200409
夏痩せといふ季語かつて蔓延りし 八田木枯 夜さり 200409
朝からの余分な電話夏痩せず 富沢敏子 200410
胸元にダイヤ夏痩せにはあらず 木村みかん 200410
夏痩せてストローに水啜りけり 木村みかん 200410
夏痩の横顔そして白ワイン 都筑智子 200410
夏痩せや身をひとすぢのガスパッチョ 里中章子 200410
夏痩を動く歩道に運ばるる 鈴木綾子 百鳥 200410
夏痩や外して重き腕時計 櫻井幹郎 百鳥 200410
夏痩せもせず大口を叩きをり 山本明彦 遠嶺 200411
夏痩の手が伸ぶにぎりめしの艶 笠間圭子 京鹿子 200411
ひきつづき粥をすすりて夏痩身 堀内一郎 あを 200411
夏痩もせずに銀座を徘徊す 稲畑廣太郎 ホトトギス 200508
夏痩せて瀧音前後左右より 今瀬剛一 対岸 200508
番犬も妻も娘も夏痩せす 二宮一知 万象 200509
夏痩を竹の線維といふシャツに 三嶋隆英 馬醉木 200510
夏痩せて長子の伽を負ふ子かな 中桐葉子 春燈 200510
夏痩せて言葉貧しくゐたりけり 飯島きみい 対岸 200510
夏痩の胸を素直に笑ひけり 高木智 京鹿子 200510
筆力を見て夏痩せを憂ひけり 泉田秋硯 200511
夏痩せて少年島より帰り来る 九万田一海 河鹿 200512
夏痩知らぬ腕の時計を解き放つ 瀧春一 瓦礫 200606
夏痩をしても巨漢でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200607
夏痩の話しないで私には 稲畑廣太郎 ホトトギス 200608
夏痩せや父の形見の背広着る 松本恒司 ぐろっけ 200609
税保険引かるる預金夏痩す 馬場宏一 春燈 200610
夏痩せて芥川龍之介とも違ふ 森岡正作 200610
背の君の夏痩憂ひ逝きたまふ 山田夏子 雨月 200610
夏痩せてサプリメントは嫌ひです 隅田享子 200611
夏痩せてことに母似の掌 滝川あい子 雨月 200611
あつあつと冬瓜吹いて夏痩せて 浜口高子 火星 200710
夏痩せて黒髪いよよゆたかなる 西山春文 200711
夏痩といふこと知らぬ割烹着 内野俊子 春燈 200711
夏痩せて勘の鋭くなりにけり 能村研三 200711
夏痩の子の出勤を見送れり 大西まりゑ 酸漿 200711
表札の文字さめざめと夏痩せて 田口鷹生 200801
夏痩せの因はおのれに五分の粥 中島玉五郎 200807
夏痩をしたら付き合うてくれるか 稲畑廣太郎 ホトトギス 200808
番犬の面目もなし夏痩せて 宮崎左智子 200810
登山具を糶にかけをり夏痩せて 小林碧郎 馬醉木 200810
生き上手夏痩せもせず愚痴吐かず 鼠津野朝子 馬醉木 200811
甘んじて怠惰夏痩託ちをり 佐藤淑子 雨月 200811
近頃は籠りがちなる夏痩せて 松尾緑富 ホトトギス 200901
夏痩を言はれて細き腕見る 松尾緑富 ホトトギス 200901
夏痩の犬を嘆きて父の痩せ 木村美猫 ぐろっけ 200907
夏痩せて水生動物園にゐる 殖栗歩 炎環 200908
夏痩に紅濃く引きて出でにけり ことり 六花 200908
夏痩せを嘆くつもりのあらざれど 片山由美子 200909
夏痩のおろかな己さらしけり 本田保 春燈 200910
いっかうに夏痩せ知らで古稀過ぎぬ 江木紀子 雨月 200910
夏痩せて入院パジャマ緩くなり 鈴木てるみ ぐろっけ 200911
夏痩の夫の細脛翁さぶ 植村よし子 雨月 200912
夏痩せて直言居上の勢ひ増す 安居正浩 201009
夏痩の肌に添ひくる絹の夜着 ことり 六花 201009
夏痩せてなほ素麺を茹で昼餉 中川すみ子 201010
夏痩せてからだの芯を持ち歩く 斎藤厚子 201010
夏痩の総身こだはり禅問答 西田敏之 ぐろっけ 201010
夏痩のはじまつてゐる海の紺 戸栗末廣 火星 201010
夏痩せて太郎の本を出して見す 深澤鱶 火星 201010
夏痩せす許したまへと祈りては 荒井千佐代 201011
夏痩せて臓器の不全入院す 川崎光一郎 京鹿子 201011
夏痩せて三面鏡を磨きをり 安達実生子 201012
夏痩の期待もうなし春菜会 稲畑汀子 ホトトギス 201106
夏痩をしても佳人は佳人なる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201107
夏痩せし母の足音微かなり 竹内悦子 ちちろ虫 201108
夏痩せて詩嚢の痩せて病得し 松岡三夫 201108
夏痩の猫の平たく角曲る 篠田純子 あを 201108
夏痩せて老女の顔に雛おどる 羽賀恭子 201109
夏痩やひくめにしめし帯のまた 久保田万太郎 春燈 201111
夏痩せて命をかくるもの持たず 鷹崎由未子 花野 201112
郷愁の如夏痩といふことば 稲畑汀子 ホトトギス 201208
夏痩の理由は問はず再会す 稲畑汀子 ホトトギス 201208
昼餉前チョコレイトにて夏痩せぬ 森田子月 ぐろっけ 201209
夏痩や体重計の針鈍き 小林久子 201210
雑踏の浮遊物めき夏痩せて 安居正浩 201210
夏痩や植庖瘡のあと確と 吉村さよ子 春燈 201210
夏痩や父祖の名残る力石 松本俊介 春燈 201211
夏痩せて命をかくるもの持たず 鷹崎由未子 花野 201112
郷愁の如夏痩といふことば 稲畑汀子 ホトトギス 201208
夏痩の理由は問はず再会す 稲畑汀子 ホトトギス 201208
昼餉前チョコレイトにて夏痩せぬ 森田子月 ぐろっけ 201209
夏痩や体重計の針鈍き 小林久子 201210
雑踏の浮遊物めき夏痩せて 安居正浩 201210
夏痩や植庖瘡のあと確と 吉村さよ子 春燈 201210
夏痩や父祖の名残る力石 松本俊介 春燈 201211
夏やせは誰のことかと試着室 松本アイ ぐろっけ 201301
夏痩せもせずに動ける我が身かな 竹内悦子 201310
夏痩せを知らぬパンダの誤妊かな 村田岳洋 ろんど 201310
夏痩せてからんからんと鳴らす下駄 山口ひろよ 201310
夏痩とことわつてゐる生身魂 神蔵器 風土 201310
夏痩せのせり上がりゆく昇降機 七種年男 201310
脳循環炭酸ガスと夏痩と 稲岡長 ホトトギス 201311
夏やせに白粥冷やし梅冷やし 稲岡長 ホトトギス 201312
水菓子の喰べ方下手で夏痩せず 瀧春一 花石榴 201312
きつかけは夏痩と聞くばかりかな 稲畑汀子 ホトトギス 201407
夏痩の目許に力残りけり 稲畑汀子 ホトトギス 201407
夏痩にひそむ病もありぬべし 稲畑汀子 ホトトギス 201407
夏痩とひとに言はれてゐたりけり 神蔵器 風土 201409
夏痩の迦楼羅の面と思ひきや 瀬川公馨 201409
夏痩もせず腹のあつさがますばかり 中堀倫子 201410
夏痩せもせず採寸に身を委ね 大島寛治 雨月 201410
遠き日は夏痩せのひと羨しとも 松尾春香 ろんど 201410
髪切るや夏痩せ顔の丸く見ゆ 杉本裕子 末黒野 201411
夏痩せてみたしと胸の豊かなる 垣岡暎子 火星 201411
夏痩せの肩のあたりの強気かな だいじみどり 201411
戦陣訓に育ちて生きて夏痩せて 小張昭一 春燈 201509
夏痩や真っ正面も横貌も 窪田佳津子 雨月 201510
夏痩せて枯淡の風姿ありやなし 齋藤晴夫 春燈 201511
夏痩せの人ふはふはと寺に来る 福島せいぎ 万象 201511
夏痩せをあなどるなかれ一大事 中道愛子 201512
夏痩に非ず天守も楽々と 稲畑廣太郎 ホトトギス 201607
夏痩や閻魔の秤指で押し 武田巨子 春燈 201608
夏痩せて横書きの世に馴れずをり 湯橋喜美 201609
夏痩せて筋の通らぬことを言ふ 柴田佐知子 201611
夏痩せて耳の奥まで診られけり 中川句寿夫 ここのもん 201705
夏痩せて大きな財布持ち歩く 中川句寿夫 ここのもん 201705
夏痩せの足のしびれを託ちをり 中川句寿夫 ここのもん 201705
夏痩やおろし大根を添へ餃子 篠田純子 あを 201709
夏痩やスリット深き黒ドレス 篠田純子 あを 201709
夏痩せね言葉やはらや栄養士 黒澤佳子 あを 201709
夏痩と言ひて術後を苦笑ひ 五十嵐貴子 末黒野 201711
夏痩せの友を気遣ふ吾も痩 黒澤佳子 あを 201712
夏痩せて父祖の血筋を継ぎしかな 山下健治 春燈 201810
夏痩せて夫婦デュエットの金切声 廖運藩 春燈 201909
夏痩せて張三季四のへぼ象棋 廖運藩 春燈 201909
夏痩にあらず髪膚損なへり 呂秀文 春燈 201909
夏痩せにあらず柩の友のかほ 森なほ子 あを 201909
夏痩の訳尋ぬればペットロス 懸林喜代次 春燈 201911
夏痩せかするりと眼鏡卓に落つ 田中藤穂 あを 202110
夏痩せや体重計のデジタル音 原光生 202110
夏痩をせぬ体質よ塩むすび 渡辺美智子 末黒野 202209
夏痩の吾をはげます人も痩せ 鈴木直充 春燈 202210
夏痩せて組んでは解す一句かな 小田嶋野笛 末黒野 202211
夏痩せやしまひ忘れのワンピース 和田慈子 末黒野 202212

2023年7月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。