夏シャツ (開襟シャツ・アロハシャツ)  94句

夏シャツが白く浮かびて夜の庭   栢森定男

作品
作者
掲載誌
掲載年月
香港の窓に身捨つるごと夏シャツ 能城檀 船団 199907
夏シャツの駅の三人掛木椅子 梅田津 銀化 199909
夏シャツや人の夫みな健やかに 萩原記代 199909
夏シャツを帆とし少年橋を越す 宿谷晃弘 200008
良寛へ一筆啓上アロハシャツ 深澤鱶 火星 200009
夏シャツや岩波文庫星三つ 市川英一 遠嶺 200010
アロハシャツ夫も俄にハワイ人 竹下昭子 ぐろっけ 200102
ヌード小屋夏シャツの衿老紳士 篠田純子 あを 200107
お揃ひの夏シャツを着て二重橋 荻島雪子 百鳥 200109
吾が夫も開襟シャツも褪せにけり 須佐薫子 帆船 200207
尖塔の影夏シャツのわが胸へ 小澤克己 遠嶺 200210
若さ楽し夏シャツの背に風はらみ 岡本眸 200210
住職の夏シャツなれば問ひ易く 板橋智恵子 百鳥 200309
少年の背丈のとみにアロハシャツ 金田きみ子 200309
吟行へ枝折戸出づるアロハシャツ 品川鈴子 ぐろっけ 200309
役辞して名刺不要やアロハシャツ 櫻井幹郎 百鳥 200310
アロハシャツ着て信ずるに足る男 荒井和昭 200311
夏シャツをざぶざぶ明日へ夢つぎつぎ 岡本眸 200311
夏シャツの男ら数珠を持て余す 大山文子 火星 200409
煎餅の夕飯がはりアロハシャツ 林裕美子 六花 200411
夏シャツやひとりが好きな訳じやない 伊藤早苗 200508
ゆつたりと夏シャツ肩に載せにけり 小林正史 200510
アロハシャツ珊瑚の海を夢に見て わかやぎすずめ 六花 200510
職退きし一人がりゆうとアロハシャツ 磯崎清 200511
夏シヤツにしつとり夜の海の媚 瀧春一 瓦礫 200606
退院の夏シヤツの息子に嬰わたす 吉永寿美子 四葩 200609
夏シャツの肩の紅あと問はずをく 加藤峰子 200609
作占ひの珠数を廻はすにアロハシャツ 紺野とも子 200610
朝帰りナナハンに乗るアロハシャツ 深見眞弓 200610
二の腕に観音の彫りアロハシャツ 上原重一 200709
夏シャツに手を通し風あることを 小川美知子 200709
オートバイ齢重ねしアロハシャツ 唐鎌光太郎 ぐろっけ 200710
漁具店の魚拓に並ぶアロハシャツ 北島和奘 風土 200901
袖口のはしやいでをりぬアロハシャツ 藤井みち子 200907
アロハシャツ町会改革空まはり 藤野寿子 あを 200907
文豪の著作権者のアロハシャツ 能村研三 200909
夏シャツのいま頼もしき反抗期 小石珠子 春燈 200911
アロハシャツ胸に十字の光りもの 森山八重子 ぐろっけ 200911
夕ならひ手配写真は夏シャツで 千田百里 201002
夏シャツを干す小劇場の二階かな 安永圭子 風土 201008
遠出せむ快癒後アロハシャツを着て 田辺博充 201008
夏シャツや首一本が立っている あかさか鷹乃 ろんど 201009
走り出す子の夏シャツは海の色 村田望 201010
ATMに操られをるアロハシャツ 守屋井蛙 酸漿 201010
学僧の紺の夏シャツ給仕する 鈴木浩子 ぐろっけ 201012
片耳にピアス八個やアロハシャツ 鎌倉喜久恵 あを 201109
アロハシャツ着て職員のクールビス 田下宮子 201110
空港の大き荷物やアロハシャツ 平澤侃 末黒野 201110
アロハシャツひとつの記憶よみがへる 荒木稔 ぐろっけ 201111
夏シャツをはだけて男通りけり 山田六甲 六花 201208
牧水の歌碑や少女の開襟シャツ 佐藤弘香 ろんど 201209
人込みをすり抜けてゆくアロハシャツ 岩下芳子 201210
若旦那家事に育児にアロハシャツ 福島松子 ぐろっけ 201211
第一章椅子にたたんだアロハシャツ 中原幸子 船団 201301
アロハシャツ鳴けば鶏とさか揺れ 塩見恵介 船団 201304
ファッションの街夏シャツの襟立てて 森下康子 201307
舞台跳ね夏シャツの群れ駅頭へ 川南隆 ろんど 201411
分身の夏シャツ干さる恐妻家 村田岳洋 ろんど 201411
街おこしアロハシャツ着て市職員 羽賀恭子 201509
アロハシャツ海軍カレー注文す 森清信子 末黒野 201509
陰干しの元つはもののアロハシャツ 風間史子 201511
陰干しの元つはもののアロハシャツ 風間史子 201511
葬祭も結婚式もアロハシャツ 阿久津勝利 万象 201512
角打や鮫の模様のアロハシャツ 秋月祐一 船団 201512
夏シャツの袖から覗く肘の色 小山陽子 やぶれ傘 201607
夏シャツがペットボトルをわしづかみ 佐藤惠子 風土 201608
アロハシャツ妻の買ひ物メモ胸に 松本三千夫 末黒野 201609
裂帛の気合をこめてアロハシャツ 柳川晋 201610
てなづけつ糊の夏シャツたたみけり 高橋道子 201610
傍目にも陳腐な父のアロハシャツ 中川句寿夫 ここのもん 201705
白シャツやミルクスタンドあるホーム 高木嘉久 201709
自転車のシャツを帆のごと青田ゆく 山内碧 201709
横須賀を歩くに欲しきアロハシャツ 福島茂 201710
人の世に生き白シャツは汚さざる 高橋将夫 201710
川船の白シャツ干せる遡江かな 尾崎千代一 末黒野 201711
子のくれし白シャツ値札付きしまま 大野芳久 やぶれ傘 201710
白シャツの並ぶバス停椅子青し 倉澤節子 やぶれ傘 201808
真つ白き開衿シャツや夏期講座 加藤みき 201809
その下の筋肉動くアロハシャツ 吉田葎 201809
末つ子のお調子者よアロハシャツ 井上石動 あを 201808
前髪を靡かせ父の開襟シャツ 笹村恵美子 201809
白シャツに揚梅の汁こぼしけり 延川五十昭 六花 201810
ごきげんな風に干さるゝアロハシャツ 和田華凛 ホトトギス 201906
アロハシャツ議会の席にちらほらと 平野秀子 末黒野 201909
白シャツの光る校章渡船発ち 尾崎千代一 末黒野 201910
ぴつたりと言はれた筈のアロハシャツ 川高郷之助 201910
白髪の翁の似合ふアロハシャツ 金山雅江 春燈 202108
現役のころの夏シャツ並べて地味 川高郷之助 202109
理由なき反抗二歳のアロハシャツ 藤代康明 202109
夏シャツや腕たつぷりの化粧水 和田慈子 末黒野 202109
伊勢丹の手提げ袋にアロハシャツ 柴崎和男 やぶれ傘 202210

 

2023年5月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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