夏の旅      80句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
消息の届けば安堵初夏の旅 稲畑汀子 ホトトギス 199805
逝く夏の旅装はうすき風ごろも 小澤克己 遠嶺 199911
身軽さの少し淋しき夏の旅 田中藤穂 「水瓶座」 200002
幾峠いくたび越えぬ夏の旅 稲畑汀子 ホトトギス 200006
咲きつなぐ初夏の旅路に触るる花 稲畑汀子 ホトトギス 200105
笑顔よき人を鼎に夏の旅 小澤克己 遠嶺 200110
浦のつく駅名つづき夏の旅 小島和子 百鳥 200110
積丹の開拓史聞く夏の旅 芝宮須磨子 あを 200208
蝦夷鹿に見つめられつつ夏の旅 於久昭臣 雲の峰 200209
分類に及ばず夏の旅の荷は 伊藤白潮 200307
ふと見ると影と二人の夏の旅 関口ゆき あを 200307
鍔広の帽子を選び初夏の旅 吉川ハマ子 築港 200307
栃餅の香りほのかや初夏の旅 森木久美 雲の峯 200308
初夏の旅はひとまづ蓑笠にて 小澤克己 遠嶺 200308
ポケツトにいつも歳時記夏の旅 伊藤千恵子 帆船 200403
久闊を叙す初夏の旅初め 朝妻力 雲の峰 200406
白檀の粉をみやげに夏の旅 小林登喜枝 万象 200410
吹かるるもそぞろに初夏の旅衣 稲畑汀子 ホトトギス 200505
着迷ふも楽しみ初夏の旅衣 稲畑汀子 ホトトギス 200505
ももちやんと呼ばれる駱駝夏の旅 斧田綾子 対岸 200509
初夏の旅の荷小さく纏めけり 野口光江 遠嶺 200510
この森の追憶夏の旅心 稲畑汀子 ホトトギス 200605
隅田川俯瞰して過ぐ夏の旅 芝宮須磨子 あを 200608
法輪を廻して終ふる夏の旅 平野貴美 四葩 200609
トランクに楽譜をつめる夏の旅 中村洋子 風土 200610
湧水を掬び晩夏の旅をはる 丹羽啓子 馬醉木 200610
海峡をよぎり着陸初夏の旅 渡辺安酔 200708
陣太鼓鳴らして送る初夏の旅 小田知人 ぐろっけ 200708
初夏の旅北海道の大地踏む 渡辺安酔 200708
二千歳てふ樟より精気夏の旅 小城綾子 200709
蓼科の山に一礼夏の旅 安部里子 あを 200709
夏の旅嫁となる娘に買ふカメオ 藤本章子 200711
特急に幾度越されし夏の旅 横内かよこ ぐろっけ 200712
ムックリの調べ湖畔に夏の旅 邑橋節夫 菊揃へ 200806
夏の旅空気枕をたづさへて 田中藤穂 あをかき 200809
そばがら枕かかへて帰る夏の旅 芝宮須磨子 あをかき 200809
渚にて終はりし恋と夏の旅 小澤克己 遠嶺 200810
初夏の旅終へて不順の日に戻る 稲畑汀子 ホトトギス 200905
やどかりを海へ返して夏の旅 中西光 炎環 200908
切替へて晩夏の旅の帰路となる 稲畑汀子 ホトトギス 200908
亡き夫に背を押され出づ夏の旅 家塚洋子 酸漿 200910
夏の旅また膳に付く豆腐かな 宮田香 200910
ジャージーの濃き牛乳や夏の旅 坂根宏子 200911
夏の旅グッチ紛ひのバッグ提げ 能勢栄子 200912
パスポート秋には切るる夏の旅 木下もと子 201008
地球儀の島国に生れ夏の旅 菅澤陽子 春燈 201010
鞄には小さき遺影夏の旅 陶山泰子 ぐろっけ 201012
夏の旅夫を忘れてしまひけり 田代貞枝 201012
首夏の旅十日七曜なき如し 金森信子 雨月 201107
節電の文字そちこちに夏の旅 鈴木阿久 201109
妻と並びすする駅蕎麦夏の旅 湯本実 やぶれ傘 201111
夏の旅あきらめて妻われ看取る 内藤三男 ぐろっけ 201111
風を身に纏うて初夏の旅衣 稲畑汀子 ホトトギス 201205
蹟きて身の程を知る初夏の旅 和田森早苗 201207
駅弁にて締める近江路夏の旅 山本孝夫 201310
手のひらにおさまる手帳夏の旅 細川知子 ぐろっけ 201310
初夏の旅少し身軽くなりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201405
雨去りて初夏の旅路を折返す 稲畑汀子 ホトトギス 201405
散骨へ思ひそれぞれ夏の旅 平居澪子 六花 201412
あらがひて晩夏の旅をこころざす 堀内一郎 堀内一郎集 201412
何よりも快晴夏の旅路かな 稲畑汀子 ホトトギス 201505
夏の旅気温一桁てふ蝦夷地 稲畑廣太郎 ホトトギス 201505
齟齬も又晩夏の旅の一部分 稲畑汀子 ホトトギス 201607
野菜室使ひ切りたし夏の旅 石森理和 あを 201610
芝伸びて夏の旅はや思ひ出に 森なほこ あを 201611
若き日々甦りたる初夏の旅 稲畑汀子 ホトトギス 201705
一日の予定やりくり夏の旅 稲畑汀子 ホトトギス 201707
曇天もまたよしとせむ初夏の旅 佐藤玲子 春燈 201708
脱ぎながら考えている夏の旅 中林明美 船団 201805
初夏の旅故郷と決めてより 稲畑廣太郎 ホトトギス 201805
邂逅の誰彼蝦夷の初夏の旅 稲畑汀子 ホトトギス 201805
若き日を近づけてゐる夏の旅 稲畑汀子 ホトトギス 201807
駅頭はビルばかりなり初夏の旅 佐藤花木 雨月 201810
句碑の字をなつかしみつつ初夏の旅 稲畑汀子 ホトトギス 201905
七十路やガーデン巡る夏の旅 須賀敏子 あを 201908
薬湯に身を預けゐる夏の旅 萩原久代 やぶれ傘 201912
北海道降り立つ初夏の旅一歩 稲畑汀子 ホトトギス 202005
初夏の旅語れば尽きぬ蝦夷の友 稲畑汀子 ホトトギス 202005
初夏の旅終へていつもの日々となる 稲畑汀子 ホトトギス 202005
この夏は近場の旅へ発券機 石塚清文 やぶれ傘 202110

 

2023年8月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。