夏の朝     88句

夏の朝空より象が降りてくる    平井照敏

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夏の朝疎水は町を急ぐなり
小澤克己
遠嶺
199810
コーヒーを少し濃くして夏の朝
花島陽子
遠嶺
199911
夏の朝ジャのつく言葉ジャムとジャニガニ
星野早苗
空のさえずる
200002
夏の朝犬連れし子は青年に
林田加杜子
いろり
200009
大利根の濁流はやし夏の朝
瀧澤春吉
遠嶺
200012
夏の朝不思議空間森の中
川副民子
船団
200102
僧院に家鴨の遊ぶ夏の朝
河野彩
春耕
200107
琴の緒の間合ひすばやし夏の朝
大西桑風
馬酔木
200108
荒川車庫都電出はらひ朱夏の朝
大島寛治
雨月
200108
巫女が沓揃へてをりし夏の朝
小山徳夫
遠嶺
200109
群青の甍の映ゆる夏の朝
花島陽子
遠嶺
200110
夏の朝産着抱き締め対面す
荒幡美津恵
遠嶺
200111
夏の朝見失ひたる貝ボタン
芝尚子
あを
200208
鶏鳴の立夏の朝を応へ合ふ
目貫るり子
ホトトギス
200209
しのび寄る気配晩夏の朝かな
稲畑汀子
ホトトギス
200308
短めの白のセーラー夏の朝
赤池英津子
遠嶺
200410
運びきて紐とく金幣夏の朝
南奉栄蓮
風土
200410
軍手はや洗ひ晒して首夏の朝
濱田萬里子
河鹿
200508
幼子の声する窓辺夏の朝
山荘慶子
あを
200509
目薬の一滴夏の朝始まる
芝尚子
あを
200610
飛び易し立夏の朝のけづりぶし
風間史子
200708
新書成る峯祝ぐ夏の朝日光
林友次郎
遠嶺
200709
もくもくと烏湧き出づ夏の朝
浮田胤子
ぐろっけ
200709
ミキサーに野菜の悲鳴夏の朝
泉田秋硯
200710
夏の朝母より先に子が起きる
田中眞由美
ぐろっけ
200808
夏の朝漕ぐ子の車輪大きくて
伊吹之博
京鹿子
200810
夏の朝燒たて固きフランスパン
新関一杜
京鹿子
200907
コーヒーの香り豊かに夏の朝
五十嵐勉
200908
丹波路の大樹を見上ぐ夏の朝
木村美猫
ぐろっけ
200908
夏の朝死んだ女に猫二匹
北側美美
200908
光芒を過るタンカー夏の朝
山崎稔子
末黒野
200911
夏の朝まづ一笑ひ手水使ふ
伊吹之博
京鹿子
201009
羊水をおよぎきったる夏の朝
吉弘恭子
あを
201009
夏の朝せせらぎ聞こゆ京の庭
伊吹之博
京鹿子
201010
老いてなほ学ぶ日々なり夏の朝
上藤八重子
酸奬
201010
白く浮ぶモーターボート夏の朝
山荘慶子
あを
201010
幼子の髪結ひあげて夏の朝
山荘慶子
あを
201010
白鷺の高枝にをりぬ夏の朝
伊藤公子
酸奬
201011
聴診器で木のこゑを聞く夏の朝
渡邉孝彦
やぶれ傘
201012
発砲音猿追ひ返す夏の朝 山崎里美 201109
夏の朝禽舎の如き寺の森 中村高也 末黒野 201109
サボテンの花涼しげに夏の朝 吉田博行 かさね 201201
ふと心添はぬ立夏の朝の冷え 稲畑汀子 ホトトギス 201205
嗽して鴨居の古ぶ夏の朝 芝宮須磨子 あを 201207
川風にヨガのポーズや夏の朝 五十嵐勉 201208
野の草に花光りをり初夏の朝 郡山真帆 かさね 201208
日に射られ眠気を覚ます夏の朝 菊地崇之 かさね 201208
夏の朝低き天井武家屋敷 吉田啓悟 かさね 201209
夏の朝天に召されし摩耶子かな 副島いみ子 ホトトギス 201301
夏の朝欅の瘤を突く鴉 大坪景章 万象 201310
時差ボケで早起きとなる夏の朝 伊吹之博 京鹿子 201410
薄紅の棚引く雲や朱夏の朝 黒滝志麻子 末黒野 201411
夏の朝息子の寝息ありにけり 松村光典 やぶれ傘 201412
歓声は海から聞ゆ夏の朝 高橋泰子 201509
吾が愛でし紫紺の花や夏の朝 長谷仁子 春燈 201509
筆先にみなぎる力夏の朝 丹羽武正 京鹿子 201510
夏の朝静もる湖は魁夷の藍 竹内タカミ 201510
列にゐる胸の高まり夏の朝 岡本尚子 風土 201605
退院の日から出社や夏の朝 稲畑廣太郎 ホトトギス 201606
蜂蜜の金いろ掬ふ夏の朝 はしもと風里 201609
岸からも鳥の舞ひたつ夏の朝 出口誠 六花 201609
夏の朝鏡の中に母を観る 秋川泉 あを 201609
献血に並ぶB型夏の朝 南北佳昭 船団 201701
君といて窓に山いる夏の朝 坪内稔典 船団 201702
夏の朝五體字類の紺表紙 陽山道子 船団 201702
削ぎ売りのハムももいろに夏の朝 野中亮介 馬醉木 201708
飛行機のゆつくりおりる初夏の朝 出口誠 六花 201708
双葉から本葉と夏の朝ひらく 平田和代 201709
昆布だし効し味噌汁朱夏の朝 中谷富子 201710
にぎやかな声街通る夏の朝 藤波松山 京鹿子 201711
初夏の朝のひかりの部屋に入る 白石正躬 やぶれ傘 201907
雑草の風きらきらと夏の朝 岩田洋子 201908
手に慣らすマウスの鼓動夏の朝 近藤真啓 春燈 201908
夏の朝まづ腰に吊る花鋏 間島あきら 風土 201909
草も樹も輝き返し朱夏の朝 杉原ツタ子 201909
七分丈子に脛毛あり夏の朝 伊吹之博 京鹿子 201911
ワープロの音夢と知り夏の朝 河野昭彦 ホトトギス 201911
うつらうつら鳩の声聞く夏の朝 本郷美代子 やぶれ傘 201911
トレニアの呱々の声聞く夏の朝 松尾龍之介 202002
魂のそつとぬけ行く夏の朝 江見巌 六花 202010
捨てられたサムソナイトに夏の朝 佐藤千重子 202011
夏の朝土手から川を見て帰る 白石正躬 やぶれ傘 202109
角曲り夏の朝日を正面に 神山市実 やぶれ傘 202110
つぴつぴと鳥の鳴きゐる夏の朝 亀岡睦子 やぶれ傘 202110
一日を生きゆく目覚め夏の朝 須藤常央 ホトトギス 202111
喜びも悲しみも夢夏の朝 河野昭彦 ホトトギス 202111
四方開け風道つくる夏の朝 七郎衛門吉保 あを 202209
物干せば風の寄り付く夏の朝 菊池和子 京鹿子 202211
噛むやうに牛乳のむ子夏の朝 貫井照子 やぶれ傘 202212

 

2023年7月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。