夏負け    93句
作品
作者
掲載誌
掲載年月
夏負けもせずに胸中秋を待つ 熊谷みどり いろり 199908
夏負や鉾の筆・舌殉ふべく 亀丸公俊 銀化 199909
夏負けの目に畦曲り畦曲る 奥田節子 火星 200010
夏負けず叔母百才の祝ひごと 久保田一豊 いろり 200010
夏負の粥さへ重き箸づかひ 塩谷はつ枝 馬醉木 200011
夏負けの始まりのまづ歯が痛む 田中藤穂 あを 200108
夏負けて素直な男われとなる 二村蘭秋 雨月 200109
夏負けや食べてもちから出ず仕舞ひ 保坂加津夫 いろり 200109
夏負けて影しをしをと蹤いてくる 窪田佳津子 雨月 200111
誰彼に似し雲の貌夏負す 渡邉友七 あを 200208
夏負けて根性腐りかも知れぬ 大橋敦子 雨月 200209
夏負けて太陽金輪際怖る 大橋敦子 雨月 200209
根性の立てやうもなく夏負けて 大橋敦子 雨月 200209
夏負けて鬼城の叱咤浴ぶごとし 大橋敦子 雨月 200209
夏負けの身にまんまろき月のあり 大橋敦子 雨月 200210
夏負けてパソコンキーにうろうろす 川上恵子 雨月 200210
夏負けて無駄口すべて省きけり 明田和子 200210
夏負けて「はいはいさやう」と言ふばかり 志麻茜 銀化 200210
夏負けて口ごもること増えにけり 飯塚雅子 200210
痩身に甘んじ夏負など知らず 長沼三津夫 200211
夏負けの夫に小ぶりの握り飯 中島知惠子 雨月 200212
夏負けて子規の根性見て来り 大橋敦子 ホトトギス 200302
夏負けて鬼城の叱咤浴びにけり 大橋敦子 ホトトギス 200302
夏負の身にまんまろき月ありて 大橋敦子 ホトトギス 200302
夏負けて尻の穴とも掌の卵 佐藤喜孝 青寫眞 200304
夏負けの汗のわが身をいとひ臥す 渡邉友七 あを 200308
夏負けと言ひしも夫の振り向かず 苑実耶 200310
堤防の頭を越す高さ夏負けす 吉田三保 200310
採寸や夏負けの胸張りてみし 木船史舟 200312
正信偈あぐ夏負けの声絞り 大橋敦子 雨月 200410
夏負けて父母の遺影に取り縋る 大橋敦子 雨月 200410
夏負けの朝より弱音吐きゐたる 下平しづ子 雨月 200410
夏負けを顔には出さず客迎へ 青木勝子 200411
夏負けを知らで小辺路をひた歩く 大石よし子 雨月 200411
料理下手自認して夏負けてゐる 滝川あい子 雨月 200411
ガーリック利かせ夏負けなどはせぬ 能村研三 200508
夏負けてゐる切り口のまつ平 田中英子 火星 200510
夏負けて真珠二連のネックレス 丸山照子 火星 200510
横になればすぐ来る睡魔夏負けて 斉藤陽子 雨月 200511
夏負けを隠す女の肩パット 村上和子 ぐろっけ 200512
夏負けの靴片方が脱げにけり 山田六甲 六花 200609
夏負の路頭に迷ふごときかな 木内憲子 200610
夏負けてどの樹ともなく生臭し 生方ふよう 200611
箸の重さも夏負けの後遺症 小林正史 200612
夏負けのきざしの蹄拭ひけり 根本ひろ子 火星 200710
夏負けて地獄曼陀羅眺めをり 折橋綾子 200711
夏負を少し気にして大会に 浅井青陽子 ホトトギス 200803
夏負けてメロン正しく切り分くる 山尾玉藻 火星 200807
夏負けの吾が身より出る大阪弁 山尾玉藻 火星 200807
夏負けて読まざる本を重ねゆく 出来由子 200809
夏負けてスープに利かすハーブかな 森山のりこ あを 200810
夏負けて明日へと嵩む卓のメモ 鼠津野朝子 馬醉木 200811
夏負けてレジ係また愛想よく 清水幸治 200811
身の重さいまだ夏負け残れるか 滝川あい子 雨月 200902
夏負けに柴漬とことん微塵切り 小澤菜美 200910
残業に夏負け休暇欲しきかな 宮田香 200911
夏負けのからだころがる畳かな 西宮舞 200911
夏負をせぬぞと鰺を焦がしけり 橘正義 春燈 200911
髪を束ねて夏負けを知らぬ妻 手拝裕任 201008
夏負けて思はぬのを買ひにけむ 高倉和子 201009
がま口を夏負の手で開けにけり ことり 六花 201009
夏負けを言ふ人にあり底力 鎌倉喜久恵 あを 201009
夏負けやプラネタリウムすぐ夜に 深澤鱶 火星 201010
布團より低きものなし夏負す 佐藤喜孝 あを 201010
夏負けて内の阿修羅も細りけり 中条さゆり 201011
正眼に構へイチロー夏負けず 竹内弘子 あを 201011
夏負けと言ひつすき焼囲みをり 渋谷ひろ子 酸漿 201012
夏負けや言葉まづしく文字小さく 鈴木榮子 繭玉 201105
夏負けて家事万端の手抜きかな 菅野蒔子 末黒野 201110
夏負けや野阜(のづかさ)までは登り来て 能村研三 201110
夏負けて閻魔に捧ぐる延命香 田中一美 ろんど 201111
夏負けに句座休みては伏目勝ち 土屋青夢 ぐろっけ 201112
夏負けや両足遠くある思ひ 荻野加壽子 万象 201112
何よりも夏負けてゐる我が身とも 大橋敦子 雨月 201210
夏負けの身に訃報あり何とせむ 大橋敦子 雨月 201210
夏負けか鴉は嘴を閉ぢもせず 川崎真樹子 春燈 201310
引き潮のやうに夏負けしてをりぬ 細川洋子 201310
はやばやと夏負したる医師かな 稲畑汀子 ホトトギス 201407
師の秘薬熊の胆てふ夏負けて 森屋慶基 風土 201510
夏負けの顔の居並ぶメトロかな 中島ひろし 末黒野 201511
夏負けの友の衰へ同窓会 長崎桂子 あを 201608
物忘れの一つや二つ夏負けて 佐藤淑子 雨月 201608
夏負けて文字は遠ざけ画集見る 中原吟子 雨月 201611
首へ吊る眼鏡夏負けしてをりぬ 中川句寿夫 ここのもん 201705
夏負けや舐めて匂はす薄荷糖 中川句寿夫 ここのもん 201705
夏負けて京都ばあむの穴の中 たかはしすなお 201709
夏負けて手足の長くなつてをり 諸岡和子 201709
夏負けの舌に転ばす金平糖 金森教子 雨月 201710
「老いては子に従へ」と夏負けはせず 橘正義 春燈 201811
夏負けの読書いつしか上の空 亀田虎童子 201909
夏負けに効きさう烏骨鶏のたまご 田代民子 202102
夏負けや負けず嫌ひと言はれても 亀田虎童子 202109
夏負けやとぎれとぎれのアルペジオ 大曲ゆき枝 末黒野 202211

 

2023年7月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。