刀  豆(鉈豆)     55句

刀豆や親王樣の齒の力   正岡子規

作品
作者
掲載誌
掲載年月
天道やなんてなた豆法螺の貝 岡井省二 199807
刀豆のくれなひの畑暮れかかる 大和田鏡子 俳句通信 200010
境内にナタ豆実る南光坊 河野友子 六花 200211
刀豆や今日のカレーは極辛で 稲畑廣太郎 ホトトギス 200308
刀豆や滅法冷ゆる結願寺 黒田咲子 200402
刀豆の硯の脇に置かれあり 水野恒彦 200411
刀豆の日に呆けたる青さかな 黒田咲子 200501
刀豆の二つ乾びし容かな 石脇みはる 200501
秋篠の森や刀豆干されある 植木戴子 200502
槐マンダラ鯨と犀と刀豆と 谷岡尚美 200512
刀豆の冷え首筋に当てらるる 河崎尚子 火星 200512
刀豆やまことに刀のかたちして 長沼紫紅 200601
刀豆の日をふふみたる淡みどり 長沼紫紅 200601
刀豆の思はぬ重さありにけり 長沼紫紅 200601
刀豆にひそみし種の白きかな 長沼紫紅 200601
これはまた刀豆といふ不思議 長沼紫紅 200601
鉈豆のかんらかんらと笑ひたる 天野きく江 200601
鉈豆の数をかぞへて去ににけり 小形さとる 200702
刀豆やもぐら通りしあとがある 石脇みはる 200711
わし掴みして刀豆を呉れにけり 飛鳥由紀 200801
鉈豆のふくらみに日のあつまりぬ 近藤きくえ 200801
鉈豆の蔓窓に伸び診療所 岡田房子 酸漿 200802
鉈豆の風音なりし昼寝覚 山尾玉藻 火星 200808
鉈豆を刀身叩くごと剥けり 山田夏子 雨月 201005
鉈豆の莢の武骨に似ぬ紅 山田夏子 雨月 201005
鉈豆の種真二つに芽生かな 渡辺玄子 酸漿 201008
刀豆の色を置きたる虚空かな 本多俊子 201103
福神漬なかの鉈豆びいきかな 鳥居おさむ ろんど 201108
刀豆の実は桃色よ空也の忌 竹内悦子 201302
卒寿にて初見参の鉈豆よ 大橋敦子 雨月 201311
鉈豆の豆の大きに仰天す 大橋敦子 雨月 201311
鉈豆の食感いまだ知らずして 大橋敦子 雨月 201311
たちはきたてはき鉈豆の別称と 大橋敦子 雨月 201311
鉈豆のその名に恥ぢぬ豆なれや 大橋敦子 雨月 201311
刀豆を刻んでゐたる白襷 延広禎一 201312
刀豆に日色風色水の色 竹中一花 201312
なた豆の仕舞の花に水の玉 雨村敏子 201401
鉈豆の莢は一尺越えんとす 大橋淳一 雨月 201402
なた豆の花芽雨音聞いてをる 雨村敏子 201409
刀豆ののたりと垂れて重なりぬ 矢野百合子 201501
刀豆の花は桃色大日記 竹内悦子 201512
刀豆や大和魂持つ漢 中貞子 201512
刀豆の鞘で手を切り天を見る 岡山敦子 京鹿子 201601
刀豆の大地貫くほど育つ 山田佳乃 ホトトギス 201701
刀豆の切れ味もまた育ちゆく 今橋眞理子 ホトトギス 201701
刀豆の一刀両断藁人形 中田禎子 201701
刀豆を差して忍者になり切る子 稲畑廣太郎 ホトトギス 201708
刀豆の金物めきし音たつる 樺山翠 雨月 201710
鋼のごと刀豆乾き種成せる 大石喜美子 雨月 201711
刀豆の守り刀となりさうな 蒲田雅子 雨月 201711
刀豆の反りやう正に刃なる 西村しげ子 雨月 202001
ぶらさがる刀豆の莢枯れ切つて 倉澤節子 やぶれ傘 202103
刀豆は仰ぐ高さにちぎれ雲 倉澤節子 やぶれ傘 202112
刀豆や根性論の廃れをり 森岡正作 202210
本家の爺刀豆どさと置きゆけり 鈴木直充 春燈 202211

 

2023年8月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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