梨の花     103句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
人送る烟やあらず梨の花 今木偉郎 199806
鈍行の車内からつぽ梨の花 村田近子 遠嶺 199905
常陸野のまほら梨咲く棚曇 岩崎きゑ子 馬醉木 199906
梨花一枝雨帯ぶ中を折りて呉れる 杉崎ちから 海程 199907
小梨咲く穂高奥宮詣でけり 関正夫 酸漿 199908
梨の花天寿なれどもさりながら 田中藤穂 水瓶座 200002
梨花受粉最中の一家総出かな 稲畑汀子 ホトトギス 200004
終の色輝かせつつ梨花土に 稲畑廣太郎 ホトトギス 200004
梨の花二日見ぬ間の風情かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200004
天啓として梨の花日和かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200004
梨棚のぎらぎら眩し花盛り 林翔 200006
單線のゆるきカープや梨の花 岡田有紀子 遠嶺 200007
梨の花咲きて名うての雨女 小山森生 200007
梨の花真白き闇を歩きけり 三村禮子 酸漿 200007
甲斐の国山河のありて小梨咲く 谷寿枝 酸漿 200008
みずうみの端掴むあそび梨咲いて 清水伶 海程 200011
梨咲くや靄がかりなる村の朝 朝妻力 春耕 200012
終ひの地とならむ子の家梨の花 武藤嘉子 木椅子 200102
なつかしき人にも会うて梨の花 稲畑廣太郎 ホトトギス 200104
黎明をうながす峡の梨の花 能村研三 200105
梨の花咲きて新聞休刊日 宮津昭彦 200106
梨畑の花の絨毯もこもこと 村井久美子 200106
梨の花灯ともしごろの静けさに 坂本京子 200107
格天井さながら棚の梨の花 藤井圀彦 200108
信濃路の梨花咲き残る塩の道 藤井晴子 200109
月光に耳ありあまねく梨の花 伊藤和 海程 200110
終の地とならむ子の家梨の花 武藤嘉子 200201
咲き満てる緑白世界梨の園 高沢昌江 ぐろっけ 200205
樹が水を汲み上げてゐる梨花月夜 能村研三 200205
いつせいの梨花マラソンの中継点 湯橋喜美 200206
うつつなに旅ゆき梨花の白かりき 大橋敦子 雨月 200206
剪らる枝縛らるる枝梨咲ける 久保晴子 雨月 200207
対岸も梨咲く里や日照雨くる 西郷利子 200207
梨の花受粉作業の急がるる 安陪青人 雨月 200207
朝より白きにわきて梨の花 山本田津子 200207
すぐそこの丘削らるる梨の花 西郷利子 200207
山々を刺し子模様に梨の花 神谷文子 馬醉木 200207
幾山河越えて胡鬼亡き梨花の郷 禰寝瓶史 京鹿子 200208
梨咲けるオアシス遥か絹の道 寺出訓三 ホトトギス 200308
梨咲くや砂漠の果の土の家 寺出訓三 ホトトギス 200308
念願の小梨満開上高地 赤座典子 あを 200407
梨咲いて母にピンクの肌着あり 城孝子 火星 200408
梨ぶだう開園すると知らせあり 鈴木多枝子 あを 200410
梨咲くや多摩の奥山雨催ひ 四戸和彦 八千草 200510
梨林檎咲きみちのくは白の季 斎藤道子 馬醉木 200607
梨むいて姉と疎開の話など 山本康 200712
初恋や梨の花咲く多摩堤 森理和 あを 200905
韓国からくにに瑠璃のつきあぐ梨花の夜 能村研三 201006
梨の花気圧の谷の次々と 板橋昭子 201006
一村の白に埋もれて梨の花 柴田良二 雨月 201007
川風や授粉にくもる梨の花 中村房子 馬醉木 201007
山頂に暈の日を上げ梨の花 森清堯 末黒野 201008
猿梨の花胸中に山気満ち 大畑善昭 201008
猿梨のからみて高く咲きのぼる 伊藤いな栄 酸漿 201009
梨の花棚を歪めてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104
梨咲きて交配ひと日甲斐の人 田下宮子 201106
梨咲くや雲垣ひらく伯耆富士 石田厚子 馬醉木 201107
梨咲いて水色の月のぼりけり 落合晃 201107
梨咲いて下総台地動きそむ 樋口英子 201107
梨の花小枝揺がす小鳥かな 武智恭子 ぐろっけ 201107
入り際の夢ひやひやと梨の花 福永尚子 ろんど 201107
梨の花咲いて稲城野目覚めゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201204
ローカル線の硬き切符や梨の花 塩田博久 風土 201205
今日の天気曇り時々梨の花 定梶じょう あを 201206
梨花淡し左右に分かるる女坂 神田恵琳 春燈 201207
安楽死思へば淡き梨の花 宇都宮敦子 201207
梨の花村の十戸に貧富あり 鈴木庸子 風土 201208
バス停は道のむかひに梨の花 天野美登里 やぶれ傘 201209
日をおいて読みかへす文梨の花 広渡敬雄 201303
水平に夜をけぶらせて梨花の棚 富川明子 201306
梨花満ちて三反畑風平ら 湯橋喜美 201306
開かんと小梨の蕾くれなゐに 江見悦子 万象 201310
妻が夫支へ人の字梨の花 田中一美 ろんど 201407
流れゆく雲より白し梨の花 山田春生 万象 201407
果てしなき夢の数々梨の花 岩月優美子 201407
一面の白妙まぶし梨の花 手島伸子 雨月 201407
一景の馴れ馴れしくて梨の花 柳本渓光 ろんど 201407
琺瑯の空もちあげる梨の花 中山皓雪 201507
梨咲いて人みな遠し相模の野 田中藤穂 あを 201507
梨咲いてりんごも咲いてとの曇り 川越昭子 万象 201508
星星の遊び場となる梨の花 寺田すず江 201508
蒼天や一村染むる梨の花 園田惠子 末黒野 201604
梨棚の花に日ざしの撥ねてをり 田所節子 201606
青空に古木のかまへ梨の花 吉村さよ子 春燈 201606
夕映えをまとひ台地の梨の花 池谷鹿次 末黒野 201704
水木邸すでに書割梨咲けり 辻前冨美枝 201706
脚本を紡ぎしルーペ梨花ま白 安藤しおん 201706
梨の花ふはふはふはとバラードに 町山公孝 201706
丘陵の風を平らに梨の花 森清堯 末黒野 201708
行く行くはふる里捨つる梨花月夜 千田百里 201806
梨摘花生絹のやうな日暮来る 大沢美智子 旬日 201808
旅行くや因幡は梨の花に満ち 大橋敦子 雨月 201905
水車小屋梨の花咲く道つづき 堺昌子 末黒野 201906
梨の花暮れて静けさなほ深く 伊藤よし江 201907
梨の花畑に放つチャボの群れ 岡本尚子 風土 201907
小梨咲く女の強さ面に出ず 宇都宮敦子 琴引鳥 202002
畑中にぽつと外灯梨の花 藤井奨晴 やぶれ傘 202005
穂高岳仰ぐ小梨の花眩し 今井康子 202010
息切らし休む坂道梨の花 中山惠子 202105
ゆふぐれの空の低さや梨の花 兵藤惠 202106
明和七年梨祖の遺徳や梨の花 藤代康明 202207
梨の花防風林に囲まれて 森清信子 末黒野 202208
青き空に白をちりばむ梨の花 中川のぼる 202209

 

2023年4月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。