業平忌 (陰暦5月28日)    84句

日の本の男の子かなしも業平忌   三橋鷹女   魚の鰭

作品
作者
掲載誌
掲載年月
爪塗るに片膝立てゝ業平忌 八木愁一郎 ぐろっけ 199902
在五忌や書くうち懸想文めきて 山仲英子 199906
大雨の供華なき墓や業平忌 中村七三郎 七三郎句集 200001
野の果てに煙ひとすぢや業平忌 豊田都峰 京鹿子 200003
雪形のいろはに痩せて業平忌 深澤鱶 ヒッポ千番地 200004
美穂女いまいかに在すや業平忌 稲畑汀子 ホトトギス 200106
遺されし男友達業平忌 山田弘子 円虹 200108
老残のこと伝はらず業平忌 能村登四郎 200108
美穂女忌と語り継がれん業平忌 稲畑汀子 ホトトギス 200205
助六に声かけてみる業平忌 川合広保 雲の峰 200208
業平忌訪ねし寺の柿経 小阪律子 ぐろっけ 200209
尺八と笙の匠や業平忌 松村美智子 あを 200302
句碑生れて確と美穂女忌業平忌 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305
文机に巻紙流す業平忌 斉藤小夜 風土 200308
ネクタイを妻に任せて業平忌 徳丸峻二 風土 200308
業平忌過ぎて艶なす今年竹 田中佐知子 風土 200309
畦川に唄のありけり業平忌 宮川みね子 風土 200309
香水やきのふに過ぎし業平忌 内田哀而 円虹 200310
曇り日のひとりこころや業平忌 中村房江 六花 200406
文学にあこがれし日日業平忌 塩川雄三 築港 200407
小面の遠き眼差し業平忌 近藤喜子 200409
日本語といふ美しきもの業平忌 稲畑廣太郎 ホトトギス 200505
澄みし目の鳥と遇ひけり業平忌 吉田島江 火星 200508
天上に沢の音して業平忌 柴田久子 風土 200608
在五忌のガレージセールにチヤイナ服 柴田久子 風土 200608
美男子の渾名の似合ひ業平忌 二村蘭秋 雨月 200609
角かどに幟はためき業平忌 二村蘭秋 雨月 200609
パリジェンヌあり日本に業平忌 中川萩坊子 ホトトギス 200610
中京に残す本籍業平忌 橋添やよひ 風土 200701
三河路のむらさきの花業平忌 長崎桂子 あを 200707
業平忌をみなに恋の多かりき 稲畑廣太郎 ホトトギス 200805
人生の生きて来し日々業平忌 稲畑汀子 ホトトギス 200805
業平忌今の世にもしましまさば 稲畑汀子 ホトトギス 200806
美穗女ましまさばまさばと業平忌 稲畑汀子 ホトトギス 200806
地震の地に残る橋の名業平忌 稲畑汀子 ホトトギス 200906
住み古りて馴染む橋の名業平忌 稲畑汀子 ホトトギス 200906
百人の中の一人の業平忌 高橋龍 200908
杜若雨に打たるる業平忌 酒井湧甫 200911
男心女心や業平忌 稲畑汀子 ホトトギス 201006
かの人も侍りしと聞く業平忌 稲畑汀子 ホトトギス 201006
ルーぺでも心は読めず業平忌 中島玉五郎 201006
押印の二つ三つ業平忌 井上信子 201007
里山に生活の紫煙業平忌 和田郁子 201008
ネクタイをやや華やかに業平忌 大橋晄 雨月 201008
業平忌をみながをのこ捨つる世ぞ 千田百里 201009
転生も恋あるがまま業平忌 大島翠木 201009
業平忌眉月細く細くあり 今井千鶴子 ホトトギス 201010
こつこつと稿債仕上げ業平忌 稲畑汀子 ホトトギス 201105
業平忌ゆかりの芦屋住み古りぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201105
堅物とききて驚く業平忌 中島節子 春燈 201108
やさしさも今のうちだけ業平忌 高橋将夫 201109
らふそくの炎のをみな業平忌 西村純太 201110
在五忌や夕影まとふ松の幹 松橋利雄 光陰 201203
いけめんは今の世のこと業平忌 稲畑汀子 ホトトギス 201205
又雲に入りし着陸業平忌 稲畑汀子 ホトトギス 201205
在五忌や男点茶の端正に 天野みゆき 風土 201207
堀川に逆さ新塔業平忌 町山公孝 201208
業平忌夜の雨音を聴いてゐる 安居正浩 201209
在五忌をきのふに蛍狩りにけり 南うみを 風土 201209
今風に言へばイケメン業平忌 岩下芳子 201408
水音に憶ふことあり業平忌 本多俊子 201408
ときめきを忘れて久し業平忌 岩村恵子 ホトトギス 201410
八十路には八十路の艶や業平忌 大久保白村 ホトトギス 201411
邂逅の友の老いたる業平忌 稲畑汀子 ホトトギス 201505
縁有りや縁無しとして業平忌 神蔵器 風土 201506
業平忌男はなべてマザコンで 高橋将夫 201509
もう少し背が高ければ業平忌 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
業平忌足跡著き芦屋川 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
業平忌むかし男は泣きやすし 永淵惠子 201607
業平忌老ゆれば迷ひなき月日 田中藤穂 あを 201608
老いて知る一首の艶や業平忌 藤岡紫水 京鹿子 201608
どの顔で逢ひにいくのか業平忌 高橋将夫 201608
野あやめは指貫のいろ業平忌 本多俊子 201709
滞在の長き東京業平忌 稲畑汀子 ホトトギス 201805
ひと仕事終へて寛ぐ業平忌 稲畑汀子 ホトトギス 201805
杞陽さん偲ぶ業平忌なりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201805
芦屋にもゆかりのありや業平忌 稲畑汀子 ホトトギス 201806
報はれぬこともありけり業平忌 高橋将夫 201808
野火止の流れに浮名業平忌 服部早苗 201811
川波に夕日うつりて業平忌 三浦信行 202208
大川を汐さかのぼる業平忌 内藤静 風土 202209
業平忌いづれ菖蒲か杜若 内藤静 風土 202209
塔仰ぐ傘に南音業平忌 門伝史会 風土 202209
スカイツリーの灯のむらさきに業平忌 森田節子 風土 202209

 

2023年6月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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