南天の花    96句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
南天の花降る写楽終焉地 柚口満 春耕 200009
南天の人声にさへ花こぼす 長沼三津夫 200010
秘めごとの一つやふたつ花南天 丸山佳子 京鹿子 200108
南天の花のこぼれて汚れゐて 保坂加津夫 いろり 200109
花南天夫の旅荷の絵筆かな 津田経子 火星 200109
雨垂れのたび南天の花揺れぬ 小田悦子 雲の峰 200208
方十里雨雲はなし花南天 佐藤香女 京鹿子 200209
傘触れて南天の花こぼれけり 山戸暁子 円虹 200309
南天の花まみれなる蜘蛛の網 佐藤喜孝 あを 200309
身の程を知つての望み花南天 赤羽正行 遠嶺 200310
愛らしき南天の花子は褒めし 白石秀雄 酸漿 200408
南天の地味なる花の押し合うて 山川涛石 築港 200409
南天を括つて花を引き立たす 山川涛石 築港 200409
花南天鬼門に据ゑし石を背に 山川涛石 築港 200409
花南天散るや白米こぼすかに 岸本林立 雨月 200409
南天の花を啄むところ見ず 二瓶洋子 六花 200410
南天の花の褪せたる入り日時 中村克久 雲の峰 200410
箒手に南天の花揺すりをり 仲井義明 雲の峰 200410
人絶えし家南天の花盛り 松浦光子 200410
梁に十六羅漢花南天下 山田美江 風土 200510
蜘蛛の囲に南天の花こぼれ継ぐ 大谷美保子 栴檀 200510
合掌の恩師かづかづ花南天 丸山冬鳳 京鹿子 200610
玻璃越しの雨のトレモロ南天花 伊藤豊美 遠嶺 200708
「志」低きがゆかし花南天 丸山佳子 京鹿子 200711
しなやかに生きるつもりか花南天 芦川まり 八千草 200712
知らぬふりできぬお方よ花南天 丸山佳子 京鹿子 200809
気づかれぬ儘に南天花終へぬ 岡本直子 雨月 200810
夕立や南天の花散りに散り 稲次登美子 雨月 200810
天を恋ふほどに南天咲きにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200906
南天の花楚々といふ主張かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200906
常の日の不安を除く花南天 長崎桂子 あを 200907
南天の花へ遊びの風来たり 萩尾亜矢子 炎環 200907
庭隅の南天が花付けてをり 杉本敏子 酸漿 200907
南天の花のこぼるる鬼門かな 中川すみ子 200909
且つは散る花南天の淡き影 中島吉子 ろんど 200909
南天の花の禊ぎの双体神 田中貞雄 ろんど 200909
蔵一つ車庫に改造花南天 大西和子 ぐろっけ 200909
軒下の花南天に横雨来 渡邊孝彦 やぶれ傘 200910
かくれんぼ一役を買ふ花南天 伊吹之博 京鹿子 200911
国境関所を残す花南天 長崎桂子 あを 201008
南天の花こぼしたる夕日影 宮崎左智子 201008
南天の咲くとも見えず咲きにけり 西田史郎 201008
独り居に南天の花こぼれけり 廣畑忠明 火星 201009
南天の花に羽音の纏りぬ 高橋美恵 末黒野 201009
南天の花を染めたる夕茜 堺昌子 末黒野 201010
実南天届いて花の整ひぬ 坂本知子 酸漿 201104
南天の花のこぼるる路地を掃く 須賀敏子 あを 201108
錫杖のごとく南天花咲ける 紀川和子 201108
まいにちのいまが大切花南天 服部早苗 201109
南天の花房撓め雨止まず 小川玉泉 末黒野 201110
南天の花こぼれをり裏鬼門 内田三郎 末黒野 201110
南天の花屑まみれ大蚯蚓 坂口夫佐子 火星 201110
南天の花日溜まりのあるところ 稻畑汀子 ホトトギス 201206
地味かとも派手かとも南天の花 稻畑汀子 ホトトギス 201206
どうしやうもなく南天の花こぼれつぐ 黒澤登美枝 201208
南天の花あふれをりこぼれをり 赤座典子 あを 201208
人知れず南天の花庭の隅 本郷宗祥 かさね 201209
花南天私淑の人の文写す 高橋道子 201209
こぼれ継ぐ南天の花敦の忌 安立公彦 春燈 201209
南天の花の高さに朝の風 廣瀬雅男 やぶれ傘 201309
南天の花は隣家にこぼれ咲く 平居澪子 六花 201310
機嫌良く花南天の降る古屋 吉田克美 ろんど 201310
ポケツトに風南天の花真白 高野春子 京鹿子 201310
母が呼ぶたび南天の花こぼる 山本耀子 絵襖 201404
たをやかに路地をしづむる花南天 大豆生田耕一 ろんど 201409
目覚むれば雨音静か花南天 大松一枝 201410
花南天苑の茶室の軒雫 森清堯 末黒野 201410
日かげればすぐ南天に重さくる 堀内一郎 堀内一郎集 201412
昃げればかなしき花よ南天は 布川直幸 201505
米粒のやうな南天花開く 須賀敏子 あを 201508
花南天ゆれて朝日を零しけり 山本茂子 末黒野 201510
葉を覆ふほど南天の花の屑 原友子 201510
雨の道南天の花掃き寄せて 中西明子 京鹿子 201510
塾の庭南天の花咲き競ふ 赤松赤彦 六花 201608
朝夕と掃き集めたり花南天 須賀敏子 あを 201608
南天の花の溶け入る曇り空 志方章子 六花 201609
南天の花に雨ふる外厠 柴田志津子 201609
音聞こえさう南天の花零れ 荒井千瑳子 201609
南天の花恐竜の足跡よ 中田禎子 201609
南天の花豆腐屋の昼仕舞 苑実耶 201704
葉の上に重ね散りたる花南天 加藤北天 雨月 201708
ほろほろとほろと南天花こぼす 林いづみ 風土 201709
南天の花のこぼれて人住まず 曽根富久恵 201712
空青し異郷に馴染む花南天 伊吹之博 京鹿子 201712
南天の花の白さに奢りなく 稲畑汀子 ホトトギス 201806
南天の花にモツ焼くにほひ来る 藤井美晴 やぶれ傘 201807
南天の花こぼれ散る朝を掃く 黒澤次郎 六花 201810
花南天鈴の音色に鍵の束 田岡千章 201812
南天の花ひっそりと満開に 森なほ子 あを 201908
たつぷりの花南天の風迎え 杉原ツタ子 201909
南天の花や薄日を透かせ散る 安立公彦 春燈 202108
花南天葉書忘れてポスト前 森高武 風土 202109
米粒のごと花南天の蕾かな 津川かほる 風土 202109
花南天目を瞑ること多き日の 南うみを 風土 202209
南天のつぶやくやうに花の散る 笠井令子 202209
南天の花にすがしき朝かな 善野行 六花 202209

 

2023年5月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。