虫送り     67句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
終りまで蹤いて歩けり虫送り 宮津昭彦 199811
火を貰ふことにはじまる虫送り 宮津昭彦 199811
虫送り松明の煤夕空へ 宮津昭彦 199811
虫送り虫呼んで火の上がりけり 宮津昭彦 199811
虫送り闇に押されてすすみけり 宮津昭彦 199811
松明の残り火跨ぐ虫送 別府優 199901
水明りの燠を遠くに虫送り 高田幸枝 199911
虫送りして満天に星殖やす 小澤克己 遠嶺 199912
天飆の星掃きよする虫送 西村博子 馬醉木 200011
柔らかき靴履いてきて虫送る 青山丈 200011
火刑となす実盛に神酒虫送 鵜飼紫生 雨月 200011
虫送果てたる闇に里の灯が 鵜飼紫生 雨月 200011
虫送り曲りの多き棚田径 阿波谷和子 春耕 200110
荒磯より棚田縫ひゆく虫送り 安達実生子 200111
虫送麦松川が川に沿ふ 服部菰舟 雨月 200210
子の声を先立てて来し虫送 稲畑汀子 ホトトギス 200210
故郷に新しき道虫送り 関薫子 百鳥 200210
虫送り白旗吾の胸先に 久保田由布 ぐろっけ 200211
山の子に夜空近しゃ虫送り 鷹羽狩行 200212
満天の星虫送り済みにけり 後藤秋邑 百鳥 200212
動く灯と児等のおらびや虫送 伊藤稔代 200310
燧道の上の田をゆく虫送り 江崎成則 栴檀 200409
虫送り更けて太鼓の乱れ打ち 六田明子 万象 200411
虫送る火のうしろより畦の闇 稲岡長 ホトトギス 200504
虫送り田圃の中のブルドーザー 江崎成則 栴檀 200510
幣打てば蛙とび出す虫送り 江崎和子 栴檀 200510
尾張野のここら北限虫送り 江崎成則 栴檀 200510
虫送りらしき子供の声通る 稲畑汀子 ホトトギス 200511
虫送一人にひとつ灯を点す 石原光徳 酸漿 200611
虫送り子に新顔のありにけり 高尾豊子 火星 200710
囃すたび闇の濃くなる虫送 鈴木漱玉 馬醉木 200811
苦虫をつぶす実盛虫送 高木典子 雨月 200910
念仏をテープで流す虫送り 鈴木阿久 201009
頬に手に火屑を浴びて虫送り 横山昭子 雨月 201010
六日月茫と棚田の虫送り 大石よし子 雨月 201310
子供たちばかりの島の虫送り だいじみどり 201409
農継ぐ子の鉦や太鼓の虫送 村上美智子 雨月 201410
大松明輪中をいぶす虫送 大橋淳一 雨月 201410
虫送り蝮注意の道をくる 寺岡ひろし 雨月 201412
虫送畔を違へてゐるらしく 深澤鱶 火星 201412
虫送り先頭足下先づ照らし 寺岡ひろし 雨月 201412
虫送り土橋いくつも渡りけり 寺岡ひろし 雨月 201412
我が田いま闇に浮かびし虫送 辻口八重子 ホトトギス 201512
虫送虫の一族連れだつや 辻口八重子 ホトトギス 201512
汽車の来て松明縮む虫送り 升田ヤス子 玫瑰 201604
虫送闇に吸はれてゆく祈り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
虫送松明闇を誘へり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
その中に魑魅侍らせ虫送 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
享保一揆の歴史の道や虫送り 浜福惠 風土 201610
漆黒の闇を渡りて虫送り 浜福惠 風土 201610
虫送る夜は上弦の月明かり 岩木茂 風土 201611
闇あをく匂ひ立ちたる虫送り 岩木茂 風土 201611
畦道に火屑零るる虫送り 岩木茂 風土 201611
虫送りしんがりに火を高く揚げ 岩木茂 風土 201611
虫送る闇の起伏に火を連ね 岩木茂 風土 201611
村の闇田の闇深し虫送り 岩木茂 風土 201611
虫送る火に川音の昂ぶりぬ 岩木茂 風土 201611
虫送り夕べきれいな風わたり 戸栗末廣 201701
農継ぐ子継がぬ子も出て虫送り 佐藤貞子 雨月 201710
夜に入りて山迫りくる虫送り 倉和子 201712
七十本の松明の煙虫送り 丸尾和子 雨月 201810
松明の炎が風を呼ぶ虫送り 小原芙美子 風土 201811
田の神へこぼす火の粉や虫送り 橋本榮治 馬醉木 201910
鳴り物が闇を押しゆく虫送り 松田明子 202003
畦道の闇美しき虫送り 松田明子 202003
虫送る大河端や橋の闇 延川笙子 六花 202212
児も太鼓叩いてゐたる虫送り 石橋幾代 202308

 

2023年10月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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