蜉 蝣     31句

海女あがり来るかげろふがとびつけり   橋本多佳子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
蜉蝣も急行電車の客となり 森景ともね 船団 199811
玻璃よりも淡く蜉蝣翅の透く 宮本俊子 雨月 200109
蜉蝣や母のこぼせし粒ぐすり 師岡洋子 ぐろっけ 200302
夕蜉蝣思ふところに水のあり 宇都宮滴水 京鹿子 200308
蜉蝣や反省ならばお猿さん 出口誠 六花 200312
瀞のみづ輪を描きをり冬蜉蝣 田中藤穂 あを 200403
蜉蝣のまだ動かざる荘の玻璃 稲畑汀子 ホトトギス 200409
蜉蝣や絹糸紡ぐ媼の手 柿沼盟子 風土 200512
蜉蝣の飛んでゆきけり追ひかける 高橋将夫 200611
蒼穹のいろに染まりてゆく蜉蝣 吉弘恭子 あを 200711
蜉蝣や色定まりし田の平ら 白井爽風 馬醉木 200711
蜉蝣の浮く落日へ竿を振る 伊藤たか子 遠嶺 200712
蜉蝣と時惜しみけり翁道 萩庭一幹 馬醉木 200801
鏡の面蜉蝣の居て落着かず 岡本眸 200809
蜉蝣や回りだしたる摩尼車 高橋将夫 200812
蜉蝣の翳を失なふ水明り 藤岡紫水 京鹿子 200812
蜉蝣の乱舞に闇の迫りをり 高橋将夫 200911
蜉蝣や二歳で逝きし妹の魂 佐藤喜仙 壁炉 200911
蜉蝣の背もかげろふの景色あり 森井美恵子 200912
蜉蝣や風呂場に影を落し去る 鈴木加代子 末黒野 201112
去りやらぬ蜉蝣ひとつ外人墓地 安立公彦 春燈 201212
蜉蝣の色のままなる骸かな 瀬島洒望 やぶれ傘 201311
そよ吹くや川面の蜉蝣群れ交へ 長崎桂子 あを 201311
蜉蝣や恋もて終はる死はそこに 中野さき江 春燈 201311
蜉蝣の命も水も宇宙かな 柴田靖子 201412
蜉蝣のあまたの魂の漂へり 岩月優美子 201611
蜉蝣の風へと変はる命かな 有松洋子 201811
蜉蝣や一夜の恋はただ無言 三木亨 201812
蜉蝣や鵜の瀬に深きひとところ 石川桂郎 風土 201906
言葉にはできないことば蜉蝣の つじあきこ 202001
蜉蝣の翅脈のことごとく光る 辻美奈子 202110
蜉蝣の舞ひ尽くしたる湖に月 岡本尚子 風土 202112

 

2022年10月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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