麦の芽 (麦生)   95句

麦の芽に日あたるごとく父が欲し    寺山修司

作品
作者
掲載誌
掲載年月
麦の芽に屈みたのしいかと問はる 浜口高子 火星 199903
麦の芽の一寸伸びし遠賀川 広渡敬雄 遠賀川 199909
殉馬坑おほふ麦生の畝そろふ 松崎鉄之介 199906
麦畑まろやか芽吹山まろやか 福場朋子 200006
畝の先まで麦の芽でありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200101
麦の芽や大地の果につづく丘 稲畑汀子 ホトトギス 200101
麦の芽に風尖んがつてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200101
麦の芽の育ちたしかに夕日影 金子浩子 馬醉木 200104
麦の芽や島にあまねき日の光 杉江茂義 俳句通信 200104
麦の芽や大地より詩の生れけむ 大久保白村 円虹 200201
麦の芽や雲払ひたる八ヶ岳 石田邦子 遠嶺 200202
麦の芽出る八十路の歩み急ぐなよ 廣島泰三 200202
麦の芽の上巻尺の伸びきたり 飯塚ゑ子 火星 200204
麦の芽や畦に大津の都の碑 八角うめ子 春耕 200204
麦の芽のひかり筑波嶺近くせり 中村敏夫 春耕 200204
麦生中よりをとこ出づをんな出づ 三好淡紅 200207
麦の芽や夜明けとともに外歩き 須佐薫子 帆船 200301
麦の芽のほつほつと見ゆ自在鉤 吉田島汗 火星 200302
麦の芽や榊四五枝切り戻る 朝妻力 雲の峰 200302
麦の芽や曳き綱張りし船の過ぐ 三代川次郎 雲の峰 200303
麦芽吹く十年越しの夢叶ひ 堀川千代子 百鳥 200303
麦の芽の色の揃ひし古戦場 仲尾弥栄子 雲の峰 200303
蒼々と海あり麦の芽の二寸 小野恵美子 馬醉木 200304
麦の芽や嫁来る噂走りをり 鈴木輝子 遠嶺 200304
麦の芽に汽笛するどく過りけり 野口光江 遠嶺 200305
丘陵の見渡すかぎり小麦の芽 辰巳陽子 雲の峰 200403
麦の芽や働く父は大きかり 高倉和子 200403
麦の芽に雨細く来し島棚田 木下節子 雲の峰 200403
麦の芽の伸びたる畝や黄鶴鴇 和智秀子 酸漿 200406
麦芽立つ地に福音の一頁 神蔵器 風土 200502
麦の芽や村に手押しの霊柩車 中橋文子 万象 200502
たつぷりと雪麦の芽を眠らせて 中島あきら 200504
詩ごころ尽くることなし麦芽立つ 島元文 遠嶺 200505
麦の芽の空抜け来るひかりかな 環順子 遠嶺 200505
ぞつくりと麦の芽二寸朝日差す 鹿志村利江 対岸 200602
麦の芽を鳰の海風渡りけり 山本耀子 火星 200602
暗雲の霽れゆき麦の芽が青し 高木智 京鹿子 200602
近づけば麦の芽すでに揃ひをり 東芳子 酸漿 200603
麦の芽の筋目真直に彼方まで 池部久子 酸漿 200603
麦の芽に筑波裾濃の靄解かず 木山白洋 馬醉木 200603
出揃ひし麦の芽に立つ雉子のあり 河野政恵 酸漿 200603
麦の芽や父の言葉のゆるぎなし 竹内文子 遠嶺 200604
麦の芽の半寸ほどのみどりかな 高倉恵美子 200605
麦の芽の二寸が程を初東風す 西村勝美 春燈 200605
麦の芽のつんつん御禁制解きぬ 環順子 夢帽子 200608
麦の芽や開戸のある猪囲 海上俊臣 酸漿 200702
麦の芽や海の平らな日曜日 大川ゆかり 200703
麦の芽のどこへ風花下りるべく 定梶じょう あを 200703
麦の芽や十年ばかり会はずをる 小形さとる 200705
翔つ狂院を囲む麦生の熱い息 金井充 百日紅 200711
芽の揃ふ秋蒔き麦や北の果 長田秋男 酸漿 200712
いとけなき麦の芽揃ふ日和なり 飯田角子 酸漿 200802
麦の芽や野火止台地ひた行きて 井上幸子 酸漿 200802
際やかに大地武蔵野の麦の芽よ 中里カヨ 酸漿 200803
麦の芽のいくたびも砂浴びにけり 松崎鉄之介 200803
麦の芽や日ごと確かな足運び 津田礼乃 遠嶺 200805
麦の芽や虚空の青の揺るぎなし 鳥居恭宏 遠嶺 200805
麦の芽とひかり合ふ土ありにけり 武田漣 炎環 200903
麦の芽や避けて通れぬことのあり 竹内文子 遠嶺 200904
麦の芽や関東平野山淡く 高柳正幸 やぶれ傘 200905
麦の芽に上州の風吹きわたる 大崎紀夫 やぶれ傘 200905
麦の芽に生まれては消ゆ幾旋風 藤原たかを 馬醉木 201002
麦の芽の伸びゆく慈雨となりにけり 沙羅夕子 201003
麦の芽のひとつひとつに露凝る 舩坂輝美子 万象 201003
麦の芽に間垣の影の移ろへり 山本とく江 万象 201005
麦の芽の畝にそろひつ影伸ばす 池部久子 酸漿 201102
麦の芽や襞の深まる駒ヶ岳 宮川みね子 風土 201103
目を遣れば早や麦の芽の出揃ひし 宮脇百百子 201104
麦の芽や畔踏みはづし踏みはづし 浜口高子 火星 201104
麦の芽に乾きし畑のうるほへり 早崎泰江 あを 201204
口中に麦芽の香る秋一日 吉成美代子 あを 201210
麦の芽に鉛筆書きのやうな雨 師岡洋子 ぐろっけ 201303
道なりに麦の芽の畝曲りけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 201303
麦の芽の伸びゆく大地減反地 竹内悦子 201304
麦の芽やまつたひらなるパンノニア 松村光典 やぶれ傘 201306
暁光に浮き立つ麦の一粒芽 吉田政江 201401
日燦々縞目をなして芽麦畑 江木紀子 雨月 201404
麦の芽を誘ひ出したる山雨かな 西川みほ 末黒野 201406
風強き里の麦の芽逞しき 安原葉 ホトトギス 201406
麦の芽と気づく遠さのありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201501
停留所永く待たされ麦芽ぶく 定梶じょう あを 201504
まなうらの一寸の麦芽を愛す 岩岡中正 ホトトギス 201508
麦の芽のまだ風知らぬ青さかな 丹羽啓子 馬醉木 201603
山影に麦芽十日の力見せ 米山のり子 馬醉木 201603
駒ヶ岳雲より出でて麦の青芽 伊藤昌枝 201603
弘法麦芽の一寸に影二寸 コ井節子 馬醉木 201707
麦の芽の風に逆らふ力あり 内山花葉 201901
麦の芽の二寸のびたる青さかな 堺昌子 末黒野 201903
いちめんの麦の芽やはし遠筑波 藤原明美 201905
やはらかな麦生の里の水の音 藤原明美 201909
麦の芽の丈の確かに揃ひけり 大坂正 末黒野 202004
麦の芽の育つ農園朝ぼらけ 佐藤まさ子 春燈 202102
麦の芽に雲の行き来のただならず 小倉征子 202105
稿継がな麦生の風の明るさよ 増成栗人 202109
麦の芽や踏まれて伸びる意地もあり 河野智子 202205
降るは降るは麦生の里の鳥のこゑ 増成栗人 202207
麦の芽の列のゆがみて乱れなし 森田明成 202208
麦の芽や先に許せば許さるる 新井千佐代 202307

 

2023年12月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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