麦の6     200句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
線香の灰のまま立つ麦の秋 岡田一夫 201602
水音に敏きいち日麦の秋 山田六甲 六花 201606
母の血の我に七分や麦の秋 山田六甲 六花 201606
地平へと消ゆるハーレー麦の秋 林昭太郎 201607
心地よき空腹にゐて麦の秋 宮内とし子 201607
寄合を会議と呼んで麦の秋 峰崎成規 201607
大空へ声すはれゆく麦の秋 栗原公子 201607
信濃路や麦の秋風吹き渡る 町山公孝 201607
散髪にゆくことにする麦の秋 根橋宏次 やぶれ傘 201607
老人に早き風呂焚く麦の秋 柴田佐知子 201607
オブラードに包む胃薬麦の秋 大日向幸江 あを 201607
麦の秋児のつくり初む俳句かな 山荘慶子 あを 201607
太陽光発電並ぶ麦の秋 白石正躬 やぶれ傘 201608
仏路の石みなまろし麦の秋 平田はつみ 馬醉木 201608
こゑにして己励ます麦の秋 高橋恵美子 馬醉木 201608
石塔の文字の読めず麦の秋 武田巨子 春燈 201608
足抜けば萎える地下足袋麦の秋 原友子 201608
一筋の川一面の麦の秋 及川照子 末黒野 201608
転勤のこの地にもあり麦の秋 平居澪子 六花 201608
竹生島近々見ゆる麦の秋 今井妙子 雨月 201608
麦の秋画布にそら色荒使ひ 西村操 雨月 201608
機関車の煙ゆたかに麦の秋 鈴木漱玉 馬醉木 201609
銀輪の一団過ぎる麦の秋 小林共代 風土 201609
麦の秋赤きバイクの郵便夫 宮川みね子 風土 201609
留守番の犬に声かく麦の秋 門伝史会 風土 201609
をちこちの十五人寄る麦の秋 鈴木石花 風土 201609
空港より曲はヨーデル麦の秋 落合絹代 風土 201609
麦の秋移動スーパー村めぐる 川田好子 風土 201609
幾たびも国境越ゆる麦の秋 奥田茶々 風土 201609
封筒のふくらみ届く麦の秋 森田節子 風土 201609
一輪車こなす少女や麦の秋 水井千鶴子 風土 201609
ふるさとや荷馬車が通る麦の秋 河口仁志 201609
光陰や忽と人逝く麦の秋 田中臥石 末黒野 201609
農協の名入り帽子や麦の秋 石黒興平 末黒野 201609
波うつてかさかさかさと麦の秋 加藤タミ 末黒野 201609
高圧線の跨ぎゆく麦の秋 松尾龍之介 201609
吹き渡る風に色あり麦の秋 野村鞆枝 京鹿子 201609
麦の秋風の足あと眺め入る 丹羽武正 京鹿子 201609
飛行船が向き変へてゐる麦の秋 大崎紀夫 やぶれ傘 201609
川からの夕風わたる麦の秋 白石正躬 やぶれ傘 201609
道草のかの日に戻る麦の秋 水田むつみ ホトトギス 201610
手作りの句集を編むや麦の秋 山口登 末黒野 201610
村雨を子等の駆けゆく麦の秋 秋山信行 やぶれ傘 201610
SLの汽笛聞こゆる麦の秋 増田みな子 やぶれ傘 201610
麦の秋大東京へ赴任せり 七種年男 輪中の空 201612
デッサンにサインを入れる麦の秋 渡部ひとみ 船団 201701
輪の中に鬼の目隠し麦の秋 苑実耶 201704
疎開時の寺を訪問麦の秋 大霜朔朗 末黒野 201704
一駅の電車通学麦の秋 小林朱夏 201705
光陰や鳴呼播州の麦の秋文鳥35回忌 山田六甲 六花 201706
ぼんやりと夕に入りけり麦の秋 山田六甲 六花 201706
虚空よりくづれてきたる麦の秋 山田六甲 六花 201706
焦げ臭き昭和の記憶麦の秋 内山照久 201706
紳士服量販店や麦の秋 広渡敬雄 201707
ふるさとは語りて倦まず麦の秋 高橋あさの 201707
手は水を掬ひにゆきぬ麦の秋 北川美美 201707
刈り進む一人にどつと麦の秋 宮坂恒子 201708
自転車の先頭は父麦の秋 田所節子 201708
木々映す川の流れや麦の秋 黒滝志麻子 末黒野 201708
筑波嶺を窓にバス旅麦の秋 鍋島武彦 末黒野 201708
酒店の出し桁造り麦の秋 小沼ゑみ子 末黒野 201708
堰音の耳にやさしく麦の秋 渡辺絹代 末黒野 201708
荷車に子等乗せ替へる麦の秋 柴山久子 風土 201708
廃校は家具工房や麦の秋 森田節子 風土 201708
どの窓も未来へひらく麦の秋 平野多聞 201708
割箸のきれいに割けて麦の秋 木澤惠司 201708
あの頃の日の丸弁当麦の秋 鈴木鳳来 春燈 201708
電車ごつこの園児の歩み麦の秋 持田信子 春燈 201708
四つ辻に道の開けて麦の秋 佐藤淑子 雨月 201708
吾が住む辺真只中の麦の秋 大村仍子 雨月 201708
身のあちこち軋む音して麦の秋 片山煕子 京鹿子 201709
やはらかく肌刺す風や麦の秋 住田千代子 六花 201709
この国が何処へ行かうと麦の秋 柳川晋 201709
麦の秋身欠き鰊と大根煮て 小林愛子 万象 201709
遠浅の海のかがやく麦の秋 福島せいぎ 万象 201709
終点にとどまるバスや麦の秋 天野美登里 やぶれ傘 201708
病人に外出許可や麦の秋 荒井千佐代 201709
山裾を風渡りけり麦の秋 岡野里子 末黒野 201709
芭蕉句碑一平米の麦の秋 小田嶋野笛 末黒野 201709
郷土史の若き語り部麦の秋 甕秀麿 201709
在来線のワンマン電車麦の秋 笠井敦子 201709
離乳食順調にして麦の秋 山本漾子 雨月 201709
病人に外出許可や麦の秋 荒井千佐代 201709
井戸水を崇めて使ひ麦の秋 原友子 201709
母でありしころの豊かさ麦の秋 三宅文子 春燈 201709
蔵紋は花文字クルス麦の秋 岡崎郁子 馬醉木 201710
農魂や暦先取り麦の秋 植村蘇星 京鹿子 201710
天空を焦がすがやうな麦の秋 植村蘇星 京鹿子 201710
シヤンソンを歌ふ大黒麦の秋 中島陽華 201711
麦の秋歩幅を妻にあはせけり 太田利明 末黒野 201711
教会へ一本道や麦の秋 横田敬子 201712
麦の秋おずおず傷に触るること 津田このみ 船団 201802
さくらやの悌残し麦の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 201805
読みさしの文庫の嵩や麦の秋 竹生田勝次 風土 201807
麦の秋今も水車のある農家 望月晴美 201807
麦の秋リハビリ効果現れて 井上正子 春燈 201807
麦の秋川の向かうは埼玉県 白石正躬一 やぶれ傘 201807
子は父と月夜影引く麦の秋 定梶じょう あを 201807
麦の秋夫はパン好き送電線 石森理和 あを 201807
僧院を洩るる讃美歌麦の秋 藤原若菜 春燈 201808
姉川の合戦の碑や麦の秋 大石よし子 雨月 201808
継ぎ目なき上州武州麦の秋 大橋松枝 201809
淡海の風にからから麦の秋 蒲田豊彦 雨月 201809
人生のシナリオ実る麦の秋 江島照美 201809
特急会津武蔵野を往く麦の秋 室井津与志 春燈 201809
母とおなじ頁をあるく麦の秋 井上菜摘子 京鹿子 201810
麦の秋遠山に日の沈みけり 齋藤朋子 六花 201810
疎開せし虚子を偲べば蕎麦の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 201810
空つぽの路線バス行く麦の秋 横田敬子 201812
熟るるとも雀の寄らず麦の秋 大霜朔朗 末黒野 201904
麦の秋空へと続く蝦夷大地 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
二神の山裾にまで麦の秋 山田六甲 六花 201905
目つぶれば浮かぶ故山や麦の秋 新海英二 春燈 201907
二三人乗りくる電車麦の秋 根橋宏次 やぶれ傘 201907
道にでて洗車する人麦の秋 大島英昭 やぶれ傘 201907
手を翳し小雨の中を麦の秋 今井充子 201908
ハーレーの革ジャンに星麦の秋 森岡正作 201908
人寄れば作柄を言ふ麦の秋 吉田政江 201908
丹田にひびくケーナや麦の秋 楠原幹子 201908
麦の秋はちみつ色となりにけり 中村洋子 風土 201908
二胡の音の風に乗りくる麦の秋 山森みちよ 風土 201908
筆塚に筆の十本麦の秋 横井遥 201908
古時計ぼおんと麦の秋となる 林未生 201908
江戸川の蛇行の彼方麦の秋 吉清和代 201908
印南野は黄金色へと麦の秋 石川憲二 六花 201908
夕風はデジヤヴの匂麦の秋 田中信行 201909
建物もアートの一部麦の秋 榊山智惠 末黒野 201909
麦の秋瓶にぎつしりコルク栓 三代川朋子 201909
麦の秋貨物列車が海へ向く 佐藤あさ子 201909
一村のみんな働く麦の秋 宮内とし子 201909
頭から魚呑む鳥や麦の秋 谷原壮平 201909
日の暮れを急くこともなし麦の秋 住田千代子 六花 201909
子どもらの口論宥め麦の秋 中原敏雄 雨月 201909
麦の秋よく通る声野小屋より 山中志津子 京鹿子 201909
来たことのない駅に立つ麦の秋 高田留美 船団 201910
トラックがひつきりなしに麦の秋 丑久保勲 やぶれ傘 201910
聖鐘の風となりゆく麦の秋 水田むつみ ホトトギス 201911
尖塔の見える果てまで麦の秋 水田むつみ ホトトギス 201911
その果ては天空の城麦の秋 水田むつみ ホトトギス 201911
近江路を焦がしてをりぬ麦の秋 蒲田雅子 雨月 202001
叡山の入り日が響く麦の秋 宇都宮敦子 琴引鳥 202002
トラックの荷台で寝る子麦の秋 岩永みはる 追伸 202003
絵硝子に主の血の色や麦の秋 荒井千佐代 202007
網越しに仁王の睨む麦の秋 瀬島洒望 やぶれ傘 202007
麦の秋循環バスが出るところ 大島英昭 やぶれ傘 202007
給油所がとほくに見ゆる麦の秋 根橋宏次 やぶれ傘 202007
うぶすなの水の旨さや麦の秋 鈴木直充 春燈 202008
麦の秋奥歯かむくせいつよりか 鷹崎由未子 春燈 202008
麦の秋齢は数字と言ふ老夫 室井津与志 京鹿子 202008
物忘れも時に愛矯麦の秋 岩月優美子 202008
籠る日の解ける日待つや麦の秋 植木やす子 202009
カリカリと焼くべーコンや麦の秋 深川敏子 春燈 202009
農道を犬の走るや麦の秋 田中美恵子 202009
持ち帰り弁当多彩麦の秋 柿沼盟子 風土 202009
鉄にほふ工場に隣る麦の秋 善野行 六花 202009
無人駅の無人放送麦の秋 高倉和子 202010
折鶴を並べる窓辺麦の秋 遠山のり子 202010
麦の秋二羽の鴉の宥り添へり 岡村尚子 202010
麦の秋教師チョークの粉まみれ 岩岡中正 ホトトギス 202011
麦の秋兄の枕が飛んでくる 辻水音 202011
明るさの天にとどけよ麦の秋 瀬戸薫 風土 202102
てのひらの文鳥ぬくし麦の秋 山田六甲 六花 202106
自転車に二人乗りした麦の秋 須賀敏子 あを 202107
母も見し歳時記手擦れ麦の秋 中山惠子 202107
農小屋の間口六尺麦の秋 原友子 202107
村いくつ市の名に呑まれ麦の秋 森村江風 202107
コルク栓瓶に戻らぬ麦の秋 能村研三 202108
喧嘩してひとり帰る子麦の秋 森村江風 202108
降海の稚魚きらきらと麦の秋 石崎和夫 202108
一徹を貫きし父麦の秋 石橋みどり 202108
体より心の自由麦の秋 高橋将夫 202108
帰るべき場所ありてこそ麦の秋 小倉陶女 春燈 202108
引売りのラッパ近づく麦の秋 高埜良子 春燈 202108
湖の水より暮れて麦の秋 黒滝志麻子 末黒野 202108
どこからか旋盤の音麦の秋 大島英昭 やぶれ傘 202109
麦の秋棒一本が日時計に 有賀昌子 やぶれ傘 202109
近郷の名画百選麦の秋 鷺山珀眉 京鹿子 202109
麦の秋過信せし身の老いきざす 近藤富子 京鹿子 202109
藻を乗せて波寄せくるや麦の秋 黒滝志麻子 末黒野 202109
大利根のきらめく風や麦の秋 石黒興平 末黒野 202109
峠一つ越ゆれば母郷麦の秋 今村千年 末黒野 202109
頭だけ見ゆる鈴鹿嶺麦の秋 半谷洋子 202109
麦の秋山羊にロープの長さかな 半谷洋子 202109
算数の面積求む麦の秋 住田千代子 六花 202110
黄金なす丹後半島麦の秋 杉山善信 末黒野 202111
紐付きのスケッチブック麦の秋 大川ゆかり 202201
大将居らんと困るですばい麦の秋 皆川白陀 薫風 202205
省略の出来ぬふる里麦の秋 村田あを衣 京鹿子 202206
麦の秋黄金の波に目眩く 赤座典子 あを 202207
ドローンの悲しき行方麦の秋 峰崎成規 202207
麦の秋道の先には道の駅 天野美登里 やぶれ傘 202208
村めぐる移動図書館麦の秋 小山繁子 春燈 202208
知らぬ子にぢいと呼ばるや麦の秋 小島昭夫 春燈 202208
戦ひの終らぬ国ぞ麦の秋 臼井さゆり 春燈 202208
パンの焦げ匂いたつかに麦の秋 柴田靖子 202208
行けさうな丘に日の射す麦の秋 土井三乙 風土 202208
麦の秋豊作に笑む三重の人 長崎桂子 あを 202208
駅までの道を歩くや麦の秋 村手雅子 202208
麦の秋米穀通帳抽出しに 石黒興平 末黒野 202208
重忠の戦の跡や麦の秋 今村千年 末黒野 202208
麦の秋 →7

 

2023年5月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。