海 雲     30句

譽めらるる齢なりけり海蘊吸ふ   八田木枯   鏡騒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
珊瑚礁覆ふ海雲の養殖場 上原瑞子 199905
単身赴任海雲の味を覚えたり 広渡敬雄 遠賀川 199909
うやむやの生毛なりける海雲かな 栗栖恵通子 200007
屋根低き小屋に海雲を売る媼 井水貞子 春耕 200008
なりゆきで海雲の桶をかかえてる 本田ひとみ 海程 200012

 註眞魚は空海の幼名

眞魚の名を呼んでをりたる海雲かな

岡井省二 200112
海さうめんとふは海雲で夏料理 大橋敦子 雨月 200209
塩抜きも味つけも上海雲かな 稲畑汀子 ホトトギス 200304
海雲舟群がりあふに陽のまぶし 広瀬元 200306
魞の如し島の水雲の養殖所 松崎鉄之介 200403
海雲啜りて泊る気になつてきし 山尾玉藻 火星 200406
諍いて無言にすする海蘊かな 有賀元子 八千草 200409
旨さうに海雲ずるると切れ話 山元志津香 八千草 200410
川水雲の細りし流れ騰なる 紺野とも子 200506
春の宵喉ごしのよき川水雲 紺野とも子 200506
蛤と海雲が籠の中にあり 高橋将夫 星の渦 200507
あさがほの咲き残りゐし海雲桶 深澤鱶 火星 200512
酒断ちの早き夕餉や海雲汁 淵脇護 河鹿 200605
寂しさは言はず海雲を啜りけり 峯桜子 遠嶺 200606
良寛の軸のほつれや海雲桶 深澤鱶 火星 200609
沖縄の太き海雲が咽とほる 竹内弘子 あを 200708
酢を少し海雲におとし日の平ら 直江裕子 京鹿子 200808
いつまでの命水雲の酢に噎せて 大橋敦子 雨月 200908
ふるさとの海雲を愛でし夫なりき 木下ふみ子 馬醉木 201108
猛暑日の海雲すすりて胃を宥む 和沢有理子 風土 201109
朝涼や隠岐より届く塩海雲 田下宮子 201209
寝不足に口あたり良き海雲汁 鈴木良戈 201306
死ぬ力日々たくはへむ水雲喰ふ 荒井千佐代 201404
憂愁の音に啜るや酢の海雲 能村研三 201704
突出しの海雲は店の自慢とも 稲畑廣太郎 ホトトギス 201904

 

2021年3月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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