168句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
島木偶の厨子王恋しや籾干女 能勢京子 船団 199812
雨となる風向きの籾烟かな 立石萌木 雨月 199904
籾殻の二山裾で繋がれり 中村祭生 ぐろっけ 199911
籾殻を散らす鴉や峡日和 遠藤アサ子 春耕 199912
籾殻を焼いて遠嶺の掠れけり 水野あき子 遠嶺 200001
膝突いて種籾を選る一筵 阿部悦子 酸漿 200002
籾殻を焼く野路暮れて香の暮れず 岩崎きゑ子 馬醉木 200002
田遊びの種籾はじく大太鼓 伊藤伊那男 春耕 200005
籾埃車にのせて墓拝む 登嶋弘信 春耕 200012
立冬や籾殻ちらす放ち鶏 井出智恵子 春耕 200101
診療所胸をはだけば籾こぼる 宮原利代 ぐろっけ 200101
裡なる火育てて籾殻山窪む 柴田奈美 銀化 200101
籾殻の燻昂る霜日和 藤谷紫映 馬醉木 200101
籾殻焼くいづれの嵩も等しくて 和田崎増美 雨月 200101
嶺遥か平野籾がら山連ね 太田悦子 京鹿子 200102
籾殻焼く烟の通る無人駅 笹倉さえみ 雨月 200102
無住寺によき日向あり籾筵 美藤冨美子 京鹿子 200103
湖へ籾ぼこり飛ぶ日なりけり 山尾玉藻 火星 200111
日曜の田に積まれゐる籾俵 山口マサエ 雲の峰 200112
籾殻のときをり上がる火の粉かな 溝口八重子 雲の峰 200112
籾殻を焼く匂ひする余呉湖かな 石脇みはる 200112
籾殻を焼く匂ひして日の怠し 渡邉友七 あを 200112
籾殻の光の山を焼いてをり 佐藤悦子 百鳥 200112
籾摺機気の休まらぬ新型機 原絹江 いろり 200112
籾焼く火夕づく風にゆだねけり 長沼冨久子 馬醉木 200201
籾殻を父が焼くなり呼んでをり 伊藤多恵子 火星 200201
籾殻の内へ崩るる火色かな 中山世一 百鳥 200201
猫くるよ籾殻山をなつかしみ 原田暹 百鳥 200202
籾殻焼きし跡の棚田のほくろめく 田中豊子 200212
籾焼きの匂ひ夜明けの峡の宿 山田富朗 遠嶺 200212
籾筵井戸の脇まで広げけり 小田道知 円虹 200301
客家土楼籾干す傍に唐箕かな 松崎鉄之介 200302
依代は籾の俵や饗(あえ)のこと 春田淳子 雲の峰 200302
籾煙陰陽石を隠しけり 阪本哲弘 200302
籾焼の地を撫すごとき煙かな 内山けい子 200302
選びゐし種籾すこし動きけり 藤野力 馬醉木 200306
籾殻を焼く匂ひせり土手の上 早崎泰江 あを 200312
ふるさとに籾乾燥機唸りつつ 加藤峰子 200312
籾殻を焼く匂ひして闇深し 小野田敏子 築港 200312
籾殻の煙突つ切る一輌車 泰江安仁 百鳥 200312
とくと見し母の蹠籾むしろ 小宮山勇 遠嶺 200401
籾干すや沖を豊かに黒瀬川 仲原山帰来 草の花 200401
籾殻を焼くや炎を宥(なだ)めつつ 伊藤総司 雲の峰 200401
ゆるやかな生き方籾を焼いてをり 小澤克己 遠嶺 200402
トンネルの先は籾殻焼く煙 中田寿子 ぐろっけ 200402
積上げて裾野から焼く籾の殻 内藤三男 ぐろっけ 200403
半作の籾大切に納屋仕事 広場伝 雲の峰 200410
干拓田這ふ籾殻を焼くけむり 伊藤白潮 200410
籾殼を焼くたび老いてをりにけり 藤井昌治 200411
飛烏野にあそぶ籾焼く畦伝ひ 千田百里 200412
籾殻焼く煙ふた分け特急車 品川鈴子 ぐろっけ 200412
籾殻焼くけむり筑波へのぼりゆく 雨宮一路 200412
籾殻に渋柿しまひ冬に入る 鈴木多枝子 あを 200501
籾殻の煙たなびく夕まぐれ 森木久美 雲の峰 200501
花八ツ手のひかりまとひて籾を干す 渡邉友七 あをかき 200502
籾殻焼き首塚の辺を煙らせて 林典子 雨月 200503
籾ぼこり除けつつもなほ長話 小林幸子 酸漿 200503
籾殻焼くブリキ煙突つんと立て 物江晴子 八千草 200504
もう一度数へ直して籾筵 酒本八重 里着 200506
籾増やす稲田千株増やすため 上岡末喜 築港 200510
籾袋買ひ足しもして豊の秋 神田一瓢 雨月 200512
杉の秀に日はかんかんと籾を干す 淵脇護 河鹿 200601
籾殻焼く煙のなびく山の裾 御橋忠一 200601
籾を焼く煙の方に夕生駒 山村修 酸漿 200601
寡婦といふ二タ文字重し籾袋 村上和子 ぐろっけ 200601
籾焼のけむり靡ける鳰の湖 家塚洋子 酸漿 200602
籾焼きの煙を雉子のかけぬけり 須永トシ 栴檀 200602
籾殻にくすぐられ着く林檎箱 岡敏恵 ぐろっけ 200603
首塚に数珠かけ籾を供へけり 水戸部敏意 栴檀 200603
干籾を手に均らす音寂かなり 瀧春一 瓦礫 200606
貝塚に先人のこゑ籾おろす 小林和子 風土 200607
籾殻の焼かれて嵩もなかりけり 藤井昌治 200612
籾殼も月のひかりの貝割菜 南うみを 風土 200612
籾殻焼く煙の影の地になじみ 田畑幸子 200701
籾殻の山となりたる夜なべかな 小林馨 万象 200701
行商の戸惑ふ庭の籾筵 橋本貞二 酸漿 200701
思ひ切り叩きて仕舞ふ籾蓆 北本余津子 万象 200702
白鳥の餌の籾運ぶ一輪車 戸辺信重 春燈 200704
籾焼の炎の冷えびえと暮れにけり 高橋さえ子 200704
籾殻を朝な朝なに独活二尺 宇田喜美栄 200708
検眼の椅子に籾粒こぼれをり 金井充 百日紅 200711
籾平す空を見上げて復ならす 中山皓雪 200711
籾殻を焼く煙らし夕ごころ 山村修 酸漿 200802
籾殼の水面を走る涅槃かな 南うみを 風土 200805
人影もなくて籾焼く煙かな 山下由理子 200810
籾殻の燻る煙やおだやかに 早崎泰江 あを 200811
籾殻の火は火にまかせ帰るなり 中西咲央 炎環 200812
籾を焼く煙にかすむ紫峰かな 鈴木阿久 200812
わかされや籾焼く煙校庭に 田中佐知子 風土 200812
一粒の籾の中なる五大かな 近藤喜子 200812
道のべに干籾匂ふ丸子宿 山田春生 万象 200901
籾山は田のあちこちに遠筑波 瀬島洒望 やぶれ傘 200901
籾殻に深々とあり寒卵 前田美恵子 200904
籾むしろかゝへて母へ泣いてくる 八田木枯 晩紅 200908
丹波平野籾焼くけむり真直に 北岸邸子 春燈 200912
なぬか経て籾殻の火のまだ消えず 椿和枝 200912
籾殻をもらひに枝豆を抱へ 南うみを 風土 200912
山芋を籾殻箱に埋めおく 山田六甲 六花 200912
日暮れては籾山ふつと肩落す 酒本八重 200912
存分に日向の匂ひ籾蓆 水谷靖 雨月 200912
籾山の築かれながらくづれけり 天野美登里 やぶれ傘 201001
籾均すごとく太陽均したり 岡田真澄 風土 201001
籾殻のけぶりて誰も居ぬ畑 浅田をさむ 201002
籾眠る夜はせせらぎの音ばかり 柳生千枝子 火星 201002
豊作の籾の分配雀らに 内海良太 万象 201002
ナスカ絵の如く籾殻撒かれたる 佐方敏明 ぐろっけ 201002
種籾も心して待つ穀雨かな 鈴木むつ子 201006
掌に赤米籾を診てゐたる 山田六甲 六花 201009
ゆるやかに籾殻くすべ安曇野路 増田一代 201012
籾焼の等間隔のうすけむり 山木浪子 風土 201101
籾殻山濡らして過ぐる山の雨 和田崎増美 雨月 201101
籾殻の燻るけむり雨上る 白石正躬 やぶれ傘 201101
籾殻に煙立ちたり神の留守 松下八重美 201102
をちこちに籾殻の山燻りぬ 水野加代 万象 201102
籾焼く香流るる宮居巫女の舞 塩路隆子 201111
籾を焼く煙出しの筒芯に据ゑ 曽根満 万象 201112
籾殼の山高くなる日の翳り 村上留美子 火星 201201
籾殻焼く風の渦巻く衣川 森屋慶基 風土 201201
籾殻焼く一つ二つの山越えて 雨宮桂子 風土 201201
籾殻焼きの煙のなかの宇陀郡 根本ひろ子 火星 201201
田の神を送る煙か籾殻焼く 隅田恵子 雨月 201202
掃初は玄関先の籾の殻 浜野桃華 万象選集 201205
ふさはしき歳時記探す袖に籾 本間瓦子 201211
籾殻の小さき山の光かな 山内碧 201212
籾摺りの一日響く日本晴 村上倫子 201301
籾殻を積みて程なく焼く構へ 大橋晄 雨月 201301
籾の形すでに見せたる稲穂かな 太田チエ子 末黒野 201311
籾の山燃ゆ縄文の夕餉どき 西村将昭 201312
籾殻の山の黄金崩しをり 山本久江 201312
豊作の田圃朝より籾煙 橋本靖子 201401
籾殻焼く湖へ山へと煙流れ 今井妙子 雨月 201401
籾殼焼く香を全身に浴びゐたり 大橋晄 雨月 201402
籾山に立つ煙突は陸蒸気 吉井潤 ぐろっけ 201402
轟音つづく農協の籾摺り場 布川直幸 201410
籾殻に埋もれ紅玉届きけり 笠井清佑 201412
籾を焼く煙たちまち沼に入る 内海良太 万象 201412
あふりくる峡の真闇の籾落し 平子公一 馬醉木 201501
籾焼きの煙ひろがる散居村 倉谷紫龍 万象 201501
頬白の嘴が器用に籾捌く 佐藤山人 201505
籾殻の山に烟の安堵かな 森理和 あを 201511
干籾や鶏小屋に日の溢れゐて 小林昌子 馬醉木 201601
香具山のすそに籾干し大豆干す 山田春生 万象 201610
籾いぶし土間に生きつぐ藍の甕 白澤よし子 馬醉木 201612
籾殻焼く芳しき香を懐に 大橋晄 雨月 201701
籾殻焼くけむりの中を一輛車 笹倉さえみ 雨月 201701
風小僧来てゐるらしき籾殻火 西村梛子 馬醉木 201701
三日三晩籾殻焼きの煙立つ 大村かし子 万象 201701
籾殻に埋まりし芋の精気かな 井上静子 201703
籾を焼く煙一筋会津富士 森清信子 末黒野 201703
籾殻焼く芳しき香を懐に 大橋晄 ホトトギス 201704
写メ送信刈田掛稲籾殻焼 石森理和 あを 201711
籾殻の山に焼きむらありにけり 柴田佐知子 201801
籾殻のけぶりの中の焔かな 藤生不二男 六花 201902
一粒の籾の命の田植かな 菊谷潔 六花 201909
一昼夜籾乾燥の匂ひかな 田中臥石 末黒野 202001
見えぬ火が籾殻の山のぼりゆく 南うみを 風土 202001
籾袋肩にずしつと陽のぬくみ 竹村淳 202001
籾殻の煙に追はれ夕鴉 石黒興平 末黒野 202002
籾殻の煙に深む奥丹波 住田千代子 六花 202002
籾殻に肘まで入れて林檎取る あさなが捷 202007
苗代の籾蒔き終へし便りかな 今井充子 202008
籾倉の跡の日だまりちちろ虫 菊地光子 202012
遠雷を気遣ひながら籾を蒔く 眞田忠雄 やぶれ傘 202110
籾殻を焼く煙突ははすかひに 大崎紀夫 やぶれ傘 202111
煙突三本籾殻を焼き尽くす 山田健太 風土 202201
籾蒔きの支度をさをさ老夫婦 笠井令子 202207
故郷や垂直に立つ籾煙 坂口学 202212
籾殻焼く地図めく焦げ目広げつつ 坂口学 202212

 

2023年10月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

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