水羊羹     65句

かげ口に淋しきものや水羊羹    長谷川春草

作品
作者
掲載誌
掲載年月
三人に水羊羹の二つあり
中村洋子
風土
200009
水羊羹大人のような口を聞く
小枝恵美子
船団
200102
竹筒の水羊羹を抜きにけり
ロツキイ
六花
200107
水羊羹母の話は半分に
志麻茜
銀化
200207
篁は風の溜まり場水羊羹
志麻茜
銀化
200208
几帳面な人かもしれぬ水羊羹
渡辺真奈美
200310
地底湖の水添へられて水羊羹
村上沙央
200311
黒文字の先に危ふし水羊羹
永岡セツ
酸漿
200311
さり気なく切り出す話水羊羹
江川和彦
200510
こともなく齢加はる水羊羹
伊藤奈津
200611
ここへきて水羊羹は難儀なり
小形さとる
200710
境内に競ふ老舗の水やうかん
金子慶子
遠嶺
200711
引算のなかりし齢水羊羹
亀田虎童子
200808
喉ごしに水羊羹の甘さあり
福盛悦子
雨月
200808
水羊羹つるりと今宵京泊り
大沢美智子
200810
髪切りて水羊羹を玻璃の皿
赤座典子
あを
200809
思ひ出す妣のひと言水羊羹
和田郁子
200909
辛党の水羊羹に正座せり
田原陽子
200909
未明には未明の記憶水羊羹
芝尚子
あを
200909
水羊羹作りて母の味ならず
伊藤敦子
末黒野
200910
水羊羹氷を敷きて仏壇へ
陣野今日子
風土
200911
水羊羹内緒内緒といただきぬ
大橋敦子
雨月
200911
水羊羹その二た切れの美味きこと
大橋敦子
雨月
200911
切り分けて子等にあたへる水羊羹
ことり
六花
201005
水羊羹皿ごと冷し客を待つ
木村茂登子
あを
201008
ごつごつの主婦の手なりぬ水羊羹
荒井千佐代
201011
訃の席の不覚の笑みや水羊羹 大西よしき ろんど 201009
まづ予後の話となりぬ水羊羹 栗原完爾 春燈 201110
法要の前の暫しを水羊羹 中山静枝 201208
切り口の稜美しき水羊羹 江木紀子 雨月 201210
よく冷えて角立っている水羊羹 木村茂登子 あを 201210
水羊羹今日一日の着地点 中野京子 201211
水羊羹折目正しき母なりき 藤井久仁子 ぐろっけ 201211
おしぼりの固めをほぐす水羊羹 根橋宏次 やぶれ傘 201212
緋毛せん膝を詰め合ひ水羊羹 古川千鶴 かさね 201310
よく冷えし水羊羹の桜の葉 脇澤久子 末黒野 201310
潮風の居間に届きて水羊羹 荒井千佐代 201407
電灯の紐揺れてゐる水羊羹 丑久保勲 やぶれ傘 201408
生返事終りとせねば水羊羹 佐渡谷秀一 対座 201505
水羊羹顔映してはわらひこげ 佐藤きょうこ あを 201508
角ありて角のやさしき水羊羹 平松うさぎ 201509
陰口を舌につるりと水羊羹 杏中清園 船団 201602
老の舌水羊羹が苦いとは 後藤比奈夫 ホトトギス 201604
一寸だけ正座してみる水やうかん 根橋宏次 やぶれ傘 201609
こだはりもつるりと滑り水羊羹 江島照美 201610
きのふけふ生きながらへて水羊羹 山田春生 万象 201611
急須より最後の滴水やうかん 丑久保勲 やぶれ傘 201611
お茶は宇治などとこだはり水羊羹 小田嶋野笛 末黒野 201611
水羊羹江戸の古地図の包み紙 平野みち代 201708
水羊羹つるりとのどへすべりけり 岩井京子 201712
六十路越す教へ子来たり水羊羹 前川美智子 末黒野 201810
つれづれに手沢本閉ぢ水羊羹 櫻本武志 末黒野 201810
趣の青竹筒に水羊羹 石森理和 あを 201810
大好きな水羊羹の水曜日 山田健太 風土 201811
炎天の道苦にならず水羊羹 中澤弘 春燈 201908
生国の冬に欠かせぬ水羊羹 時澤藍 202004
水羊羹ありし日の母と肩よせあい 大山夏子 202011
夫といふ相棒のゐて水羊羹 関根揺華 202109
水羊羹をとこ弱音の見え隠れ 森村江風 202109
切り口の角いさぎよし水羊羹 中山惠子 202110
御持たせの品は菊家の水羊羹 小山寿子 風土 202110
手作りの水羊羹の歪みかな 中野千代子 末黒野 202208
水羊羹雨城楊枝の匂ひけり 小林共代 風土 202210
水羊羹上手な嘘を聞いてをり 塙誠一郎 家系図 202211
初恋のことなど語り水羊羹 星野喜郎 202212

 

2023年6月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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