水着・海水着 1    127句

水着選ぶいつしか彼の眼となつて 黛まどか 「B面の夏」

作品
作者
掲載誌
掲載年月
海水着隠しポケットありにけり 飯塚ゑ子 火星 199810
沈着しづても海吐き出さぬ水着かな 中原道夫 銀化 199810
一病を忘れ水着の品定め 鈴木浩子 ぐろっけ 199812
足組んで不敵な水着美人なる 能城檀 船団 199812
水着あと見て寂しさの増すばかり 谷口育恵 ぐろっけ 199901
水着着て鏡の海へ抜手きる 樋口英子 朝桜 199904
すがる腰白の水着の似合ふなり 竹内方乃 ぐろっけ 199908
肉体美いつしか失せて海水着 大平保子 いろり 199908
一握の水着や余波惜しむ可し 小川真理子 銀化 199909
弱気では着れぬ水着よ海が呼ぶ 笠間圭子 京鹿子 199910
水着着て一歩も引かぬ恋仇 笠間圭子 京鹿子 199910
さそり座の下に水着を干しにけり 松木知子 ヒッポ千番地 199910
浮輪つけ自由を得たる水着の子 和田友季子 円虹 199911
水着着て肌のよろこび息づける 能村登四郎 芒種 199911
手のひらに収まるほどの水着かな 津田このみ 船団 199912
水着の師へ触れなんと子等騒ぎをり 名和節子 200010
駅を出て海が見えぬに水着姿 阿部寒林 200010
脚長き娘となりて海水着 中川二毫子 遠嶺 200012
脱腸の目立たぬような水着かな 延原ユキエ 船団 200102
鳴き砂のはにかんでゐる水着かな 梶浦玲良子 六花 200108
水着ショー最前列で見惚れけり 泉田秋硯 200108
水着の子観音さまをよぎりけり 小田玲子 百鳥 200110
肌の色くっきり浮かぶ水着あと 柴田美佐子 いろり 200110
一線を越えてしまひし水着なり 土井田晩聖 銀化 200110
水着風ファッション目にて穢さるる 鈴木照子 200110
水着着る旅の誘ひの決めかねて 今井田敬子 円虹 200110
朝顔や水着のままの児ら走る 山田天 雨月 200111
水着着て光合成の始まりぬ 櫂未知子 銀化 200207
巴里コレにシャガール彩の海水着 安達加寿子 200208
水着きて傷もつ脛の美しき 戸田悠 銀化 200209
校庭を横切つてゆく水着の子 田口紅子 200209
同人としてあるまじき水着なり 土井田晩聖 銀化 200210
水着袋ふり廻しゆく朝曇り 伊藤多恵子 火星 200210
少女老い易し水着の試着室 浜麻衣子 六花 200210
水着着て別の女となりにけり 堺井浮堂 円虹 200211
海水着色が氾濫してをりし 堺井浮堂 円虹 200211
水着跡くつきりつけて休暇果つ 木内美保子 六花 200211
慎しみの限度ここまで水着ショー 田中康雄 200211
水着袋ふり廻しゆく朝曇 伊藤多恵子 火星 200303
もうひとりの自分が着たき水着なり 宮坂恒子 雪底 200304
水着干す膝の癒ゆるを信じつつ 内山芳子 ぐろっけ 200309
ひと握りほどの水着の雫なり 戸粟末廣 火星 200310
飲食に手を抜き水着捨てられず 風間史子 200310
濡れてより皮膚となりたる海水着 小林朱夏 200310
賑はしく家族帰りて水着干す 石川元子 酸漿 200310
信号を水着のままに見て渡る 中根美保 風土 200310
娘らまぶし端切れのやうな水着きて 富川明子 200311
深海の色の水着や泳初 西山美枝子 酸漿 200403
原色の水着敗者をかなします 福井隆子 つぎつぎと 200405
マヌカンの黒き全身黄の水着 古屋元 200409
水中の快知る水着干しにけり 門脇なづな 対岸 200409
旅鞄必ず水着忍ばせて 庄野房女 築港 200409
海の寺水着も混る踊の輪 鎌倉喜久恵 あを 200410
水着手に通園バスを待つてをり 久保田妙 百鳥 200410
水着きて浸る露天の不老の湯 吉成美代子 あを 200410
堂々と君は水着を従へて 渡辺隆 遠嶺 200411
三姉妹水着を提げて歩みくる 沖増修治 百鳥 200411
読み捨てる雑誌水着の少女笑む 若泉真樹 200501
子の一日知りたる水着干されけり 望月晴美 200501
女學生の黒き水着の隊伍に遭ふ 瀧春一 菜園 200509
砲台の穴のぞきゐる海水着 山田美恵子 火星 200509
水着から太平洋のぽたぽたと 近藤喜子 200510
足湯にて水着の尻と尻押し合ふ 宮原利代 ぐろっけ 200510
水着にて階段登る須磨の駅 三輪慶子 ぐろっけ 200511
出して見て潮鳴こもる海水着 能村研三 研三句集 200512
新調の水着のままに寝入りし子 寺沢千都子 万象 200610
慎みの限度どこまで水着ショー 足利徹 ぐろっけ 200610
ただ水着見せたきプールサイドの娘 志鳥宏遠 ホトトギス 200612
水着売場女(ひと)みな細身マネキン似 平野きぬ子 八千草 200702
花どきの水着絞つてをりにけり 米澤光子 火星 200707
還暦を過ぎたる水着干しにけり 安居正浩 200709
いとけなき紺の水着のおろしたて 辻美奈子 200709
海のない町に浮かびし水着の子 瀬下るか 200710
雨の日も水着になると水着抱き 岡野峯代 ぐろっけ 200710
病み抜けし孫の背にある水着跡 長洲元子 200711
白球を追ひ来る犬と水着の子 前田美恵子 200712
決めかねて買はれてしまふ水着かな 高木典子 雨月 200801
遠視線躱はす水着の乙女かな 藤見佳楠子 200809
湘南の海の青春水着跡 藤見佳楠子 200809
水着にて睫毛反らすに余念なし 品川鈴子 ぐろっけ 200810
氷見線の線路を跨ぐ水着の子 浅井敦子 万象 200810
礁に座し古希の人魚よ水着われ 品川鈴子 龍宮の客 200904
浜暮れて水着の砂を払ひけり 山田六甲 六花 200909
マネキンの家族今日から海水着 古屋元 200909
止り木を水着の濡らすサンセットバー 天谷翔子 火星 200910
水着買つて海行き日時折り合はず 片桐てい女 春燈 200910
水着着る海のこどもになるために 木暮陶句郎 ホトトギス 200912
まだ強気残つてをりし水着かな 小嶋洋子 泡の音色 200912
小春かな水着一枚干しに出で 藤田素子 火星 201002
測量の視野を横切る水着かな 千田百里 201007
いつの間に足が伸びしや水着の児 島本知子 ぐろっけ 201009
魚ごころあれば水着を小さく着る 酒本八重 201009
剃眉の男子(おのこ)ら珊瑚めく水着 品川鈴子 ぐろっけ 201009
水着跡くつきりつけて登校す 大木清美子 201010
海水着脱げば出生以来の白 山口誓子 ぐろっけ 201103
太陽に刻印されて水着の子 佐野ときは 201110
太陽の雫ふりまく水着かな 矢口笑子 春燈 201110
見つめ合ふだけの恋なり水着の子 八田マサ子 馬醉木 201110
血糖値下げる能書水着干す 中山皓雪 201208
少女立ち水着の映ゆる潮境 中山純子 万象 201209
衝動買ひスカイブルーの水着かな 土井くみ子 201209
カラフルにエアロビクスの水着かな 国包澄子 201210
松原を抜けて水着の親子かな 石脇みはる 201210
浮くだけの吾の水着に浜の砂 古井公代 ぐろっけ 201211
水着干す海のひかりをしたたらし 鈴木夕起子 信州からの風 201302
黒揚羽水着をつけし露天風呂 松川悠乃 ろんど 201310
だんだんと箪笥の奥へ海水着 柴田佐知子 201409
水着にて乗る江ノ電の一区間 河口仁志 201410
母の水着買ひにカラカウア大通り 藤田素子 火星 201410
目を伏せし青春の日の水着かな 栗原京子 201410
水着干す少し色褪せ秋に入る 須賀敏子 あを 201410
眺めては仕舞ひて赤い水着かな すずき巴里 ろんど 201411
ひき算の余生の気力水着干す 橋場美篶 末黒野 201411
子の水着少し色あせ晩夏かな 佐野つたえ 風土 201510
父埋むる砂を両手に水着の子 小林朱夏 201607
気晴らしに買ひし水着をすぐ仕舞ふ 小林朱夏 201608
愛矯の三段腹や水着の子 荻布貢 201610
水着脱ぐ昆虫図鑑伏せたまま 中居由美 船団 201702
水着より水美しくしたたらす 久保東海司 201708
ビートルズの曲流れをり水着店 田中臥石 末黒野 201710
もう使ふことなき水着他あまた 高橋将夫 201808
庫裏に干し水着の赤がけしからぬ 定梶じょう あを 201809
貝殻を見せに走り来水着の子 今井康子 201812
最終の水着審査や立葵 仲里貞義 201909
民宿に水着干しあり原爆忌 延川五十昭 六花 201910
踏んで脱ぐ水着に草の匂ひかな 宇都宮敦子 琴引鳥 202002
コロナ禍も水着の子らの笑顔かな 瀬戸美文 202011

 

2023年7月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

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