都忘れ     44句

灯に淋し都忘れの色失せて   稲畑汀子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
一りんの都忘れに朝のときめき 廣嶋美恵子 船団 199811
子規庵の都忘れの濃むらさき 小西昭夫 船団 200101
縁側の都忘れやわすれまじ ロツキイ 六花 200107
ここは隠岐都忘れが帝しのぶ 鈴鹿仁 京鹿子 200107
詩仙堂に咲き都忘れは大原女菊 鈴鹿野風呂 京鹿子 200202
流刑地のしろばな都忘れかな 山路紀子 風土 200208
玄関に魚籠掛ける釘都わすれ 奥田筆子 京鹿子 200210
旧家守る都わすれを濃く咲かせ 宮崎すみ 対岸 200407
庭一面の都わすれに梅雨近し 金子八重子 酸漿 200408
日月や都忘れの濃紫 浅野洋子 春燈 200506
それからは都忘れの風となる 宇都宮滴水 京鹿子 200506
覚えゐし佳き名よ都忘れなる 林翔 200507
その辺で摘みしと都忘れ活け 稲畑汀子 ホトトギス 200604
芭蕉庵都忘れのありてこそ 堀内一郎 あを 200605
粟津野の都わすれの濃むらさき 堀田清江 雨月 200609

 淡地和子の急逝に

何忘れよと都忘の濃むらさき

大橋敦子 雨月 200706
妹の忌に供へし都忘れかな 本間勇 酸漿 200707
名に叶ふ都忘れのその色も 片山由美子 200708
都忘れ摘みてこころをひた隠す 川口襄 遠嶺 200708
思はざるところに都忘れかな 土井田晩聖 万事 200711
都わすれ咲いて阿国の忌なりけり 谷村幸子 200807
色褪せず都忘れも思ひ出も 島谷征良 風土 200808
色うする都忘れの庭の隅 加藤慶治 200910
みやこわすれ月命日の供花に切る 先崎きくよ 酸漿 201007
都忘れ花明りして尼の墓所 中根美保 風土 201009
ふるさとは都忘れの頃なりし 西田史郎 201107
祇@王寺や都忘れのひそと咲き 花岡豊香 酸漿 201107
都忘滋賀より京へ嫁せし人 今井妙子 雨月 201108
地震あとの都忘れは刻のまま 北村香朗 京鹿子 201108
祇王寺の狭庭に都忘れかな 武井美代子 万象 201110
七七日すぎゆく都忘れかな 根橋宏次 やぶれ傘 201207
父よりも母恋ふ都忘れ咲き 小倉正穂 末黒野 201208
都忘れ青一列に風の道 松川悠乃 ろんど 201309
都忘難波言葉も身に添ひし 三輪温子 雨月 201407
童子仏都忘れの咲き添うて 水田壽子 雨月 201408
こきりこや都忘れも濃紫 松本美簾 馬醉木 201408
都忘れの名を教はりし幼かな 中貞子 201507
奥山の宿に一群都忘れ 森理和 あを 201608
追伸に都忘れを二三行 山中志津子 京鹿子 201709
業平の都忘れや風のこゑ 杉原ツタ子 201808
都忘流離の心やみがたし 山田夏子 雨月 201809
都忘れ祖母のおはぐろ壺に挿す 小林輝子 風土 202006
都忘れ器選ばぬ品のよさ 山口郁子 末黒野 202007
子の発つ日都忘れの咲きにけり 森清信子 露の堂 202008

2021年4月6日 作成

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