みそさざい 1     100句

東京にでなくていゝ日鷦鷯    久保田万太郎

作品
作者
掲載誌
掲載年月
道より低く繋ぐ田舟やみそさざい
浜福恵
風土
199902
谿沿ひの名も半谷はんかいや三十三才
松崎鉄之介
199902
己より大き葉を掻き鷦鷯
黒坂紫陽
馬醉木
199903
三十三才仏間近くの柿の木に
皆川盤水
高幡
199905
鳴きつぐやケルン鎮めのみそさざい
岡野美代子
馬醉木
199908
枝打ちの済みし柿畑三十三才
朝妻力
俳句通信
200002
声尽しゐる冬麗のみそさざい
児玉輝代
200004
囀るは鷦鷯のみ奥の院
国分七穂
酸漿
200007
三十三才はた連雀のお命日
山尾玉藻
火星
200012
三十三才囀りゐたり桶のへり
白鳥武子
酸漿
200106
三十三才女ばかりの館かな
保田英太郎
風土
200202
みそさざい三ケ国語の地図を手に
関薫子
百鳥
200202
芦原に朽ちし田舟や三十三才
皆川盤水
春耕
200202
五箇山に風なき真昼三十三才
春田淳子
春耕
200202
みどりごの朝の機嫌や三十三才
片山由美子
200205
三十三才夕べををしみ囀れり
海上俊臣
酸漿
200205
落葉松に春来と鳴いて三十三才
有働亨
馬醉木
200207
力み鳴く鷦鷯をり朝涼し
長田秋男
酸漿
200209
脈搏のしづかなる日の三十三才
藤井昌治
200302
淋しくてまばたきばかり三十三才
利根川妙子
200303
雪くるか庭を巡れる三十三才
檀原さち子
酸漿
200304
三十三才胸ふくらませ里に来し
大堀鶴侶
雨月
200304
笹むらに夕日移りし三十三才
石田邦子
遠嶺
200305
園長先生案内に立つみそさざい
伊藤白潮
200402
氷爆の割目のあをしみそさざい
伊藤いな栄
酸漿
200403
三十三才竹林の増ゆ父祖の山
下条みね子
200403
三十三才沢音を消し囀れる
永見博子
酸漿
200407
まぎれつつ巣ぐさ運べる三十三才
永見博子
酸漿
200407
秋口のこもれ日の中三十三才
佐々木しづ子
酸漿
200410
三十三才カサといふ音残すのみ
鎌倉喜久恵
あを
200502
抜けられる路地の白樺三十三才
松崎鉄之介
200502
今日からの俳人囃す三十三才
朝妻力
雲の峰
200502
新駅の噂ちらほらみそさざい
高木嘉久
200503
下水路の雪の底より三十三才
沼沢破風
200505
雪解の渓に声透くみそさざい
石田厚子
馬醉木
200506
みそさざい飯食ぶる夫見つつ食ぶ
城孝子
火星
200511
一日中門閉ざす家鷦鷯
松崎鉄之介
200602
みそさざい回覧板が濡れてゐる
戸栗末廣
火星
200603
みそさざい水琴窟にちよくちよく来
戸栗末廣
火星
200603
新緑にたかぶり鳴くか鷦鷯
瀧春一
常念
200606
囀や家をめぐりてみそさざい
瀧春一
常念
200606
三十三才てるてる坊主回しゆく
滝沢伊代次
万象
200612
雨の日も白樺へ来るみそさざい
松崎鉄之介
200702
手ぶらにて子の来てをりぬ三十三才
生田恵美子
風土
200703
三十三才声のひくきは損多し
丸山佳子
京鹿子
200703
三十三才細流を跳ねるに人止まる
新倉舒子
200704
鷦鷯寡黙の木々にもの言ふて
天野きく江
200704
みそさざい男もすなるおちよぼ口
坂本丹荘
遠嶺
200705
をさな子の袴の折目みそさざい
城孝子
火星
200802
涸れ谷を縫ふ山彦や三十三才
小林碧郎
馬醉木
200803
元朝の庭に番の鷦鷯
松崎鉄之介
200803
藪垣の夕日まみれに三十三才
村井久美子
200805
みそさざい玻璃戸に小さき手形かな
伊藤美音子
万象
200806
篁を風渡るなり三十三才
石脇みはる
200902
屋敷神かたへに顔出す三十三才
長谷川幸恵
酸漿
200904
木の影をつついて春の三十三才
天野美登里
やぶれ傘
200906
みそさざい庭の八隅の厄払ふ
禰寝瓶史
京鹿子
201003
霜の朝とりわけ里の鷦鷯
菊谷潔
六花
201004
東京へ出なくていゝ日鷦鷯
久保田万太郎
春燈
201011
抽斗に古鍵三つみそさざい
片山博介
春燈
201103
恐竜の眼差にして鷦鷯
柳川晋
201103
窯出しに貫入走り三十三才
神蔵器
風土
201103
湖沿ひの山家静けし三十三才
松元末則
酸漿
201104
みそさざい水芭蕉群ひかり充つ
服部鹿頭矢
馬醉木
201108
象山の杉間を縫ひてみそさざい
中條睦子
万象
201110
空狭き家でありけり三十三才 田中文治 火星 201202
昼月や木の間縫ひゆく三十三才 熊切修 末黒野 201203
鷦鷯ちっちちっちと忙しなし 蓮尾みどり ぐろっけ 201203
みそさざい農婦夕映え羽織りけり 梶浦玲良子 六花 201204
堀割の風のそよぎや三十三才 有賀昌子 やぶれ傘 201206
良寛の剃髪の寺みそさざい 北崎展江 くりから 201209
家康のゆかりの水場三十三才 北崎展江 くりから 201209
碧天へ放つ鈴の音三十三才 佐藤喜仙 かさね 201207
良寛の剃髪の寺みそさざい 北崎展江 くりから 201209
流麗にふしをたがへずみそさざい 瀧春一 花石榴 201312
草庵に日なた日陰やみそさざい 蘭定かず子 火星 201402
食前の薬を飲めば三十三才 火箱ひろ 船団 201406
ひもろぎは要石なり鷦鷯 内藤静 風土 201502
五線譜の鳥の音符やみそさざい 下山田美江 風土 201502
富士聳てる日の傾きや三十三才 間島あきら 風土 201503
ケータイの着信表示三十三才 間島あきら 風土 201503
林中に夕日とどまる三十三才 丹羽啓子 馬醉木 201503
東京のまして御苑の三十三才 落合絹代 風土 201503
連れ立ちて心強き日三十三才 西岡啓子 春燈 201503
わだかまり身内に抱へみ三十三才 中山静枝 201505
草庵に日のたつぷりと鷦鷯 生田高子 春燈 201601
窯出しに貫入走り三十三才 神蔵器 風土 201602
廃校の門標残り三十三才 森清信子 末黒野 201603
井戸端に三十三才来ぬ一葉忌 青木由芙 末黒野 201603
鷦鷯にも鴻鵠の志 大沼遊魚 201703
夕爾眠る地鳴き声喜々とみそさざい 浅田セツ子 春燈 201804
みそさざい友を跨ぎて茶を淹るる 石川桂郎 風土 201810
ひと声が日暮をさそふ鷦鷯 布施政子 馬醉木 201812
束の間の光の中にみそさざい 須賀敏子 あを 201903
瑞垣のかそけき声や三十三才 高木邦雄 末黒野 201903
竹林の町騒隔て三十三才 森清信子 末黒野 201903
菊坂の一葉旧居三十三才 今村千年 末黒野 201905
三十三才斑日に声散らしゆく 池野つむぎ 馬醉木 201912
風韻や句碑の小径の三十三才 和田照海 京鹿子 202001
三十三才川面の日差し縺れゐて 天野美登里 やぶれ傘 202003
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2023年11月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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