水無月(みなづき)2     100句

水無月や生より濃ゆき人の没後    長谷部朝子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
水無月や松も名残りの姫街道 コ田千鶴子 花の翼 201111
水無月の入日へ貨車の突き刺さる 梶浦玲良子 六花 201111
水無月や羽を休める枝の上 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205
音楽の街水無月の楽奏で 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
水無月の頃がまことに蝦夷らしく 稻畑汀子 ホトトギス 201207
水無月の多羅葉仰ぐ男山 大山文子 火星 201208
水無月の水豊かなる此処むさし 酒本八重 201208
水無月は紫陽花により輝やけり 田島昭人 かさね 201208
みなづきの石のつめたき野面積 杉浦典子 火星 201209
水無月や京もはづれの瓶覗 奥田順子 火星 201209
みなづきの屈折率を慈しむ 熊川暁子 201209
異国にて友の作りし水無月食む 伊吹之博 京鹿子 201210
水無月水のまはりの水さはぐ 直江裕子 京鹿子 201210
水無月や音なく灯る母の部屋 井尻妙子 京鹿子 201210
水無月の富士は薄目をしてゐたり 雨宮桂子 風土 201210
風を切る青水無月の退院車 北川英子 201210
冷泉家八百年や青水無月 橋添やよひ 風土 201210
水無月の淵や河童の水しぶき 宮地静雄 末黒野 201210
水無月や心一つに祈ること 水田むつみ ホトトギス 201211
水無月の谷の底より鳥の声 大久保白村 ホトトギス 201211
大き葉の濡れてゐるなり六月会 水野恒彦 夢寐 201306
水無月の予定果せぬ怪我に耐へ 稲畑汀子 ホトトギス 201307
水無月や乳歯をつつむさくら紙 原友子 201310
水無月やわれは不断の枝にをり 山根征子 201310
水無月の泥くねりくる鯉の背 垣岡瑛子 火星 201310
水無月の水底光ためにけり 遠山みち子 201310
水無月の水ふくみたる苔の艶 石黒興平 末黒野 201310
水無月の街へ出でゆく傘は舵 服部早苗 201310
にんげんは眼鏡を掛ける青水無月 遠山陽子 201401
通夜へ急く青水無月の月に濡れ 北川英子 201408
水無月の人づてに知る話かな 西岡啓子 春燈 201408
水無月や母につけたい星五つ つじあきこ 201409

 敦先生27回忌

水無月や師の忌に集ふ人みな老い

安立公彦 春燈 201409
水無月や「山門案内」拾ひ読み 井口ふみ緒 風土 201409
水無月の修羅の影帯ぶ鏡石 田中貞雄 ろんど 201409
水無月の青空へ帆を浮かべたし 織田高暢 201412
水無月の雲青年を包みきれず 堀内一郎 堀内一郎集 201412
水無月や叱つてくれる人の減り 小山和男 京鹿子 201501
水無月の人づてに知る話かな 西岡啓子 春燈 201503
水無月の空とは濡れてをらざりし 稲畑廣太郎 ホトトギス 201507
水無月の歩幅に佳人らしさあり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201507
みなづきや梔子の唄口遊び 沼澤石次 馬醉木 201508
水無月やいのちある身に水を買ふ 塩貝朱千 京鹿子 201508
嵐山や青水無月のけぶりやう 藤井明子 馬醉木 201509
水無月の三日月森の真上なり 高田令子 201509
水無月の木に埋もれたる生家かな 秋千晴 201510
水無月やわらび取りする八ヶ岳 松村光典 やぶれ傘 201510
水無月の畠いちまい乾ききる 中島悠美子 京鹿子 201510
水無月の氷を満たすハイボール 高田令子 201510
頭剃り青水無月を病みゐたる 小林愛子 万象 201511
水無月の水の惑星水浸し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201607
水無月やみづ一滴にある重さ 鈴鹿仁 京鹿子 201608
逝き給ふ山菜勢ふ水無月に 甲州千草 201608
水無月や微妙に遅る舞扇 数長藤代 201609
みなづきやひしめく鯉の腹黄ばみ 南うみを 風土 201609
水無月や昔の地名残す橋 内山照久 201609
水無月や火星に水のありどころ 岩下芳子 201609
花白く青水無月の庭明り 水田壽子 雨月 201610
水無月の雲湧く下や骨納め 小林愛子 万象 201611
水無月や森きらきらと膨らみて 菅井悦子 201708
水無月や井戸祀られし半兵衛麩 宮野了子 201709
文をかくはじまりは雨みなづきの 秋川泉 あを 201708
水無月の花や白色ばかりなる 寺田すず江 201709
晩年は素顔がよろし青水無月 佐藤淑子 雨月 201709
水無月の半月眺めバスを待つ 郭公 やぶれ傘 201709
水無月や洗濯バサミ劣化せり 須賀敏子 あを 201709
子の忌来る青水無月の風添はせ 高橋和女 春燈 201709
水無月の杜より草木の吐息かな 近藤紀子 201710
水無月や灯ともしごろの麓村 堀井英子 雨月 201710
生田の森青水無月の御神木 稲岡みち子 雨月 201710
水無月のキャンパスに来る献血車 稲岡みち子 雨月 201710
水無月の安房鴨川や真沙女句碑 田中臥石 末黒野 201710
水無月のはなし短かな男前 陽山道子 船団 201805
水無月の外郎ありと手にしたる 山田六甲 六花 201807
水無月や衣裳黒子を持て余し 千田百里 201809
水無月の天の領域御陵晴 松本鷹根 京鹿子 201809
水無月やさらりと越ゆる大井川 亀井福恵 京鹿子 201809
水無月の菓子と敦盛団子かな 廣畑育子 六花 201809
水無月や子に入院の荷を持たせ 柴田志津子 201809
水無月や青き灯こぼす観覧車 後藤眞由美 春燈 201809
水無月の夜の窓揺らすジャズピアノ つじあきこ 201809
瓔珞を揺らすはちちか水無月尽 松井季湖 201809
青水無月猫大らかにくさめして 北川孝子 京鹿子 201810
水無月を眠る喪った日と眠る 直江裕子 京鹿子 201810
水無月の月光で濾す血の濁り 山中志津子 京鹿子 201810
水の宮訪ふ水無月の水ごころ 井尻妙子 京鹿子 201810
水無月のたつぷり使ふ美顔水 井尻妙子 京鹿子 201810
天と地の叫ぶ豪雨や水無月の 小笠原妙子 201904
水無月のけふそこぬけに晴れにけり 木村嘉男 201908
水無月の満月やその川の面 望月晴美 201908
水無月の口開いてをる貝の蓋 雨村敏子 201909
水無月の社の大樹抱きけり 岩下芳子 201909
色寂し跡見花険図青水無月 小林共代 風土 201909
水無月や護符頂きに荒神へ 足立典子 雨月 201909
水無月の曇りガラスや乱歩の夜 塩貝朱千 京鹿子 201909
水無月や故郷の雨ななめぐせ 片山煕子 京鹿子 201909
水無月を手招きしたき長尻雨 七郎衛門吉保 あを 201909
降り立てば青水無月の箕面山 野上あつ子 雨月 201910
水無月の灯の溢れたる隅田川 礒貝尚孝 黄落 202003
水無月の渇水といふ池の黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
水無月→ 3      

 

2021年7月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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