水草生う    138句

たたずみてやがてかがみぬ水草生ふ   木下夕爾
作品
作者
掲載誌
掲載年月
光るもの庭に増えつゝ水草生ふ 稲畑汀子 ホトトギス 199903
水底のまだ詳らか水草生ふ 河野美奇 円虹 199905
山の上の山が映りて水草生う 丸山佳子 京鹿子 199906
水草生ふ沼懐の荒日差し 小澤克己 遠嶺 199907
水草生ふ池に水浴む小鳥たち 中川二毫子 遠嶺 199908
水あれば水草生ひつゝ姥多し 丸山海道 全句集 199910
隠沼にいのちひそめて水草生ふ 中村芳子 円虹 200006
水草生ふ水のつぎ目に泡生れ 中村芳子 円虹 200006
神の池あをく濁りて水草生ふ 新井田操 酸漿 200006
水草生ふおのづからなる容ちにて 児玉輝代 200006
水草の生れしばかりの真紅 密田真理子 200007
水はらむ水草水に水草生ふる 日吉わたる 船団 200011
これよりは揺るる一生水草生ふ 丁野弘 200103
まだ水の色に紛れて水草生ふ 山田弘子 円虹 200106
山羊の貌ゆれてゐるなり水草生ふ 大串章 百鳥 200106
晩節の明るきところ水草生ふ 井上莱摘子 京鹿子 200108
名苑の鎮もるところ水草生ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200203
水面より抜き出んとして水草生ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200203
溝にしてゆたに水草の生ひそむる 島谷征良 風土 200203
魚の影ときをりつつと水草生ふ 鷹羽狩行 200203
門川の曲るに沿へば水草生ふ 鷹羽狩行 200204
水草生ふ昨日の服のそのままで 山崎未可 銀化 200205
水底に日の斑たゆたふ水草生ふ 稲岡長 ホトトギス 200207
水草生ひ流れひとつとなるところ 奥田節子 火星 200207
水草生ふ命華やぐ水面かな 稲畑汀子 ホトトギス 200303
何事も成行きまかせ水草生ふ 小川匠太郎 200303
讒言の隙なく水草生ひにけり 村上瑪論 銀化 200304
計算に剰りつきもの水草生ふ 森谷彰 銀化 200305
日輪の研ぎ澄まされて水草生ふ 矢崎すみ子 200306
教壇に今日の当番水草生ふ 小田玲子 百鳥 200306
水草生ふ今日より帽子新しく 中島恭子 百鳥 200306
立札は魚釣禁止水草生ふ 中島霞 ぐろっけ 200306
庭園の跨ぐ小流れ水草生ふ 岡田章子 ぐろっけ 200306
嘶きのいまだ幼し水草生ふ 名取光恵 百鳥 200307
改修の成りたる沼や水草生ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200403
山の音ここに集めて水草生ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200403
返す日の粒から珠へ水草生ふ 小田司 馬醉木 200407
縦糸の修羅をくぐりて水草生ふ 梶浦玲良子 六花 200407
とろとろと池に日のあり水草生ふ 前迫寛子 河鹿 200407
おらが村市となる話水草生ふ 山田弘子 ホトトギス 200408
両岸はだんらん家族水草生ふ 保田英太郎 風土 200505
旅客機の映りて行けり水草生ふ 河合大拙 百鳥 200506
揺れてゐる餌箱の影や水草生ふ 景山まり子 百鳥 200506
水草生ふ臍のピアスの風の色 梶浦玲良子 六花 200507
いくとせの食後の薬水草生ふ 江崎成則 栴檀 200510
鎌倉や門川あれば水草生ひ 鷹羽狩行 200603
曖昧のさらに曖昧水草生ふ 小澤克己 遠嶺 200604
逸れ球の沈める池の水草生ふ 鷹羽狩行 200605
水草生ふあたりにかかる土橋かな 豊田都峰 京鹿子 200605
水あをし水草生うてなびきをり 長崎桂子 あを 200605
そのときの太宰のこころ水草生ふ 田辺博充 200605
水草生ふちらと緋鯉の見え隠れ 林翔 馬醉木 200606
星影のせせらぐ時間水草生ふ 浜田はるみ 遠嶺 200606
水草生ふ伏流水に日のひかり 斉藤小夜 風土 200606
水草の生ふや妄想とどまらず 清水晃子 遠嶺 200607
水草生ひ池の陰翳詳らか 真保喜代子 200608
日の当る水面生き生き水草生ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200703
ふるさとや靡き揃ひて水草生ふ 鷹羽狩行 200705
水草生ふ水神さまと呼ぶところ 古田考鵬 雨月 200705
花びらを水面に浮べ水草生ふ 長崎桂子 あを 200705
水草生ふどこかが揺れてゐし水面 稲畑汀子 ホトトギス 200803
逝きてより日月迅し水草生ふ 木内憲子 200805
倉敷を訪ねしむかし水草生ふ 宮津昭彦 200806
見はるかす母なるナイル水草生ふ 宮川迪夫 遠嶺 200807
この地上人住むところ水草生ふ 村越化石 200807
水草生ふ流れの淀みゐるところ 曽我啓子 200809
水草生ふ流るる水の音の中 稲畑汀子 ホトトギス 200903
入山の僧待つ寺領水草生ふ 鈴木石花 風土 200906
麓まで水草生ふなり産科閉づ 丸井巴水 京鹿子 200906
水草生れほぐしに通ふ魚心 禰寝瓶史 京鹿子 200906
水底に天日しづめ水草生ふ 渡部志津子 200907
太陽に両手ひろげて水草生ふ 山田慶子 京鹿子 200908
水草生ふ神輿が渡る向う岸 山田慶子 京鹿子 200908
えいえいとつもりし月日水草生ふ 沼田巴字 京鹿子 201001
水草生ふ渡しやセーラー服揃ひ 山本耀子 火星 201006
水草生ふ見積り表の位どり 辻直美 201007
水草生ふあをき水流鯉泳ぐ 菅谷たけし 201007
俳諧に美濃派伊勢派や水草生ふ 鈴木直充 春燈 201007
水草生ふ尺余の鯉の恋に群れ 柴崎甲武信 春燈 201007
水草生ふこの世をはなれゆく日数 杉浦典子 火星 201007
壬申の乱の城垣や水草生ひ 塩見治郎 雨月 201007
佐比売野の埋没林に水草生ふ 波多野弘秋 ホトトギス 201009
富士よりの水の透明水草生ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201103
考への堂々巡り水草生ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201103
亡きひとの中の亡き人水草生ふ 井上信子 201104
わたくしの内なる流れ水草生ふ 近藤喜子 201106
との曇る鎌倉の谷戸水草生ふ 大橋雅子 万象 201106
水草生ふ髭の動いて鯉曲る 西田美ち ろんど 201107
水の綾天井にあり水草生ふ 田尻勝子 六花 201107
夜桜や水草生ひたる舫ひ舟 竹内悦子 201107
溝はさみ振れ合ひにけり水草生ふ 岡田愛子 京鹿子 201110
水音の集まるところ水草生ふ 伊藤とほ歩 ホトトギス 201203
全長を流れにゆだね水草生ふ 浅井吉雄慈 夕端居 201203
ちちははよ被爆川にも水草生ふ 荒井千佐代 201205
水草生ふ歪む日のかげ水の影 原田達夫 201205
水草生ふ淀川添ひを下校の子 師岡洋子 ぐろっけ 201206
水草生ふ日曜画家の椅子低く 松本三千夫 末黒野 201206
風に触れたくて水草生ふ高さ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201303
水草生ふ鏡のやうな水面かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201303
水草生ふ水底といふ万華鏡 稲畑廣太郎 ホトトギス 201303
隠国の仏を浮かべ水草生ふ 豊田都峰 京鹿子 201305
塔影を間に間に水草の生へる国 豊田都峰 京鹿子 201305
水草生ふ水の気負ひを躱しつつ 齊藤實 201305
届かぬ日に生ふ水草の泡を吐く 片岡久美子 201306
池心より寄するさざ波水草生ふ 岡淑子 雨月 201406
宝蔵を巡る掘割水草生ふ 竹内喜代子 雨月 201407
陽気ややほぐれし辺り水草生ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201503
この辺り流れ淀みて水草生ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201503
をりをりに渡る小橋や水草生ふ 佐藤良二 末黒野 201604
列を成す水かけ地蔵水草生ふ 西川みほ 末黒野 201605
水草生ふ水の中なる世を覗く 犬塚李里子 201606
水草生ふ崖の下なる通学路 井上信子 201606
水草生ふ底まで透くる湧水池 森清信子 末黒野 201606
ふつふつと遠き日のこと水草生ふ 柴田靖子 201607
水草生ふ青き地球の懐に 近藤喜子 201705
水草生ひ水を明るくしてをりぬ 赤松赤彦 六花 201706
筑波嶺を浮かせ溜池水草生ふ 阿久津勝利 万象 201707
水草生ふ先へさきへと命あり 笹村政子 六花 201806
決めかぬる心の揺れや水草生ふ 河本由紀子 春燈 201905
水草生ふあたりに二体道祖神 増成栗人 201905
雨脚は絹のひかりに水草生ふ 鷺山珀眉 京鹿子 201906
水草生ふ出会ひは混声合唱団 はしもと風里 201906
水草生ふ野道を行きて散歩する 岡本まち子 馬醉木 201909
水草生ふ佃にありし骨董屋 栗坪和子 202005
合はせゆく二人の歩み水草生ふ 西岡啓子 春燈 202007
あをあをと水の若狭の水草生ふ 南うみを 風土 202107
川幅に敵ふ水音水草生ふ 能村研三 202205
水草生ふ釣るには小さき魚はしり 根橋宏次 やぶれ傘 202205
水草生ふ共に顔出す鯉のゐて 池上昌子 春燈 202206
水草生ふ真鯉の影のゆつたりと 小林共代 風土 202206
行きつけぬ墳の正面水草生ふ 平居澪子 六花 202206

 

2023年3月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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