マント     52句

黒マントからクルクル牙が花びらが  八木三日女

作品
作者
掲載誌
掲載年月
大聖堂出て物乞ひの黒マント 水野範子 ぐろっけ 199903
前世は魔女がもしれぬ黒マント 品川鈴子 ぐろっけ 200002
立春は魔法使ひのマントから 松木知子 ヒッポ千番地 200004
時どきはマントにかくす星月夜 三宅やよい 玩具帳 200004
時々はマントにかくす星月夜 三宅やよい 「玩具帳」 200005
一度も着ず父の形見のマントかな 和田あきを 風土 200104
マント着て異界の祭横切りたり 西村和子 知音 200106
灼ける牛黄泉へ誘う赤マント 秋尾敏 火星 200109
身に入むや太宰遺愛の黒マント 田下宮子 200201
おさがりや犬もかれんなマントきて 鈴木多枝子 あを 200204
マント追ひつづけてどこまでも男 依田明倫 ホトトギス 200207
巡礼のマントの過る春の闇 中里カヨ 酸漿 200302
鵜が黒き翅をマントと拡げたる 大橋敦子 雨月 200302
マント着て通夜の帰りの無言かな 武田眞砂 百鳥 200303
梅三分動物園のマントヒヒ 石脇みはる 200304
ハロウィン猫髯マントの下校の子 星野淑子 200401
緋マントに蹤く胸突きのロシア坂 築城百々平 馬醉木 200402
川べりをセーヌと想ふ黒マント 石山惠子 遠嶺 200403
牡丹の芽マントの父の影の中 山尾玉藻 火星 200404
マント脱ぐやわたつみのいろ木々の色 竹内悦子 200405
青春のマントに残るものがたり 伊東湘三 春燈 200504
春節や跳ねる少女の赤マント 大坪景章 万象 200505
マント干す浮世の塵を払ひをり 有島夛美 河鹿 200506
シャーロックホームズ横丁マントの女消ゆ 成瀬櫻桃子 春燈 200506
ラスプーチン枯のマントを着たりけり 瀬川公馨 200702
国を売るやうにマントの男去る 伊藤白潮 200703
フリルマントのブルドッグめく顔厳つし 安井和子 200704
前世は魔女かもしれぬ黒マント 品川鈴子 200708
水止めて小便小僧のマントなる 水谷ひさ江 六花 200801
マント被て小便小僧独りきり 馬越幸子 ぐろっけ 200802
白マント被て塵界に降り立ちぬ 小澤克己 遠嶺 200803
長身の若き紳士の黒マント 羽賀恭子 200904
椿にはビニールマント奥信濃 宮入河童 201003
マント着て探偵気どりすまし顔 石川かおり 201003
張り詰めし句座黒マント掛けてあり 橋本良子 遠嶺 201004
芽柳やアンデルセン像マントぬぐ 遠山みち子 201107
奇術師のひそかに懐炉マントの緋 定梶じょう あを 201201
大丸は六階が好き黒マント 坪内稔典 船団 201203
翻る野火信長のマントめく 岡澤田鶴 201205
黒マント魔女めく夜の靄深き 藤見佳楠子 201301
すれちがふマントの人や煉瓦館 浜福惠 風土 201303
借りて着る雪のマントを賞められて 松田泰子 末黒野 201304
遊歩道揃ひのマントの父と母 横山さくら 春燈 201401
バリトンのマントばさつと翻す 小川明美 万象 201408
オスカルのマント広がる冬の薔薇 奥田茶々 風土 201502
信念がマント羽織つてゐる昭和 高橋将夫 201504
桐の葉にマント一枚注文す 瀬川公馨 201603
ビーンズのやうなマントでアルマジェロ 大日向幸江 あを 201701
マント脱ぐ黄色い家で君を待つ 辻水音 201806
古写真考のマントに包まれて 及川照子 末黒野 202002
悲しみは去りぬマントのやうなもの 奥田筆子 京鹿子 202002
マント脱ぐなんやかんやとありまして 高貴美子 202007

 

2021年11月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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