旧正月     59句

道ばたに旧正月の人立てる    中村草田男

作品
作者
掲載誌
掲載年月
旧正の風邪花柄のどてら着て
尾形不二子
遠嶺
199903
旧正も姦通罪もありしかな
河合城太
銀化
199904
旧正や皇子御手植の大櫟
和泉喜代子
俳句通信
200004
旧正に平野最中を食うてをり
堀義志郎
火星
200005
旧正の富士泰然と雲寄せず
奥村鷹尾
京鹿子
200204
百千の鴎を浮かせ旧正月
市場基巳
200206
旧正をたのしみ御慶申すかな
鎌倉喜久恵
あを
200303
旧正のお薬師さまへ小豆飯
玉置かよ子
雨月
200305
旧正の水を走りし鳰
山尾玉藻
火星
200403
旧正の大蒜畑静かなり
片岡静子
200405
手造りの振舞島の旧正月
小山百合子
遠嶺
200405
旧正や雪を掘り出すもの多く
立石萌木
雨月
200406
旧正のみなれし天井みてねむる
黒田咲子
200408
旧正に始まる農業日誌かな
小林呼溪
200502
父さんと気安く呼ぶな旧正月
小田元
六花
200505
母おもひあれば旧正月が来る
市場基巳
200507
空晴れて旧正の川鵜が泳く
市場基巳
200507
旧正や両手をあげて子の走る
中村房枝
六花
200602
旧正の揚げて紅白アドバルーン
黒田咲子
200604
旧正月とは懐かしき雑魚寝かな
中山純子
万象
200604
南島の旧正便り届きけり
沼口蓬風
河鹿
200605
旧正のランタンの下夜光龍
津田霧笛
ぐろっけ
200605
旧正の湯島天神詣かな
高橋さえ子
200705
旧正や琉球歌舞の節回し
安田久太朗
遠嶺
200706
旧正の肉焼き神の眼と合へり
高嶋文清
春燈
200805
旧正や財布の底の古き護符
上林孝子
200805
旧正の富士を車窓に東上す
大久保白村
ホトトギス
200906
旧正の花鳥諷詠塾に酌む
大久保白村
ホトトギス
200906
旧正や酒も醤油も甘口に
大久保白村
ホトトギス
200906
旧正を祝ふ神戸の一部分
稲畑汀子
ホトトギス
201002
旧正の淑気身近にタイ暮し
大口堂遊
春燈
201004
旧正の神慮の雪の降り出せり
田中貞雄
ろんど
201005
旧正の湯気立ててゐる藁家かな
立石萌木
雨月
201007
旧正の日にめつむれる松の鶏 山尾玉藻 火星 201102
旧正の羽をつくろふ大白鳥 戸栗末廣 火星 201105
旧正のお化けと遊ぶ今年かな 深澤鱶 火星 201105
旧正の初夢父母に声掛けられ 田中貞雄 ろんど 201105
旧正や老酒の甕立ちならび 根橋宏次 やぶれ傘 201105
旧正や江戸よりつづく時の鐘 大久保白村 ホトトギス 201107
旧正のしきたり守り里に老い 大久保白村 ホトトギス 201107
旧正や大江戸線に待合せ 大久保白村 ホトトギス 201107
旧正のよろこびすぐにペンをとり 井田実代子 雨月 201204
旧正月のフランス料理主婦の贅 辻知代子 201304
墓垣の草引くことも旧正前 前田貴美子 万象 201304
旧正や三番叟が街に舞ふ 福島せいぎ 万象 201305
旧正月農事日記の破れ表示 三枝邦光 ぐろっけ 201305
旧正やごつたかへりし南京街 吉本淳 ぐろっけ 201305
旧正や兄の緋裏のつつがなし 深澤鱶 火星 201305
旧正や古りし仏間の青畳 今泉あさ子 末黒野 201305
旧正や男綱女綱の藁こぼれ 石井美智子 風土 201401
旧正の雨音に溶く酒の粕 蘭定かず子 火星 201405
母のゐる故山賑ふ旧正月 王岩 あを 201503
副都心旧正月の歩幅もて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201702
天井画旧正月の視線かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202002
木鉦に旧正月の響き乗せ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202002
旧正や日がな嘴太長鳴ける 木村嘉男 202003
祝元旦祝旧正と天手古舞ひ 呂秀文 春燈 202004
旧正の祖祠にちらほら混血児 廖運藩 春燈 202004
母小さし旧正の日の中に置く 荒井一代 202007

 

2022年1月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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