轡 虫 (くつわ虫・.がちやがちや)    49句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
がちゃがちゃは蔑みの意ぞくつわ虫 丸山海道 京鹿子 199812
ホスピタルがらんとしたり轡虫 近藤憙治 船団 199912
がちやがちやや御家騒動ありし城 成澤桂助 百鳥 200112
がちやがちやのなく京大の農学部 鈴鹿野風呂 京鹿子 200202
がちやがちやの楽譜の切れて静戻る 西岡残照 京鹿子 200212
しばらくは耳になじまず轡虫 渡辺真奈美 200212
ワープロを打つを止めよと轡虫 山本とみを 200212
轡虫右もひだりも空き家なり 木下野生 200301
がちやがちやの暮色必死に迫りくる 黒田咲子 200311
火星あかるしだしぬけに轡虫 島村ひろ子 対岸 200311
純粋といふ酒にがし轡虫 吉田明子 200312
百分の四十くらひか轡虫 出口誠 六花 200410
小鳥来る卵カチャカチャ掻き混ぜて 新井佐知子 遠嶺 200412
薩摩路に入ればがちゃがちゃ頻り鳴く 田中峰雪 雨月 200412
洗ひ場に女三人がちやがちやと 滝沢伊代次 万象 200509
網戸より攻め入る如しくつわ虫 坂元フミ子 河鹿 200512
風聞や掃出し窓に轡虫 吉田明子 200512
轡虫鳴き止み宿舎誰か来る 稲岡長 ホトトギス 200606
轡虫聞き分けて高原にあり 稲畑汀子 ホトトギス 200609
街あかり控へ目に鳴く轡虫 三浦ひろみ ぐろっけ 200612
逝きし人雑学であり轡虫 森一枝 八千草 200703
くつわ虫聞くふるさとの風のなか 伊藤白潮 200710
塞の神従者がちやがちや喧しき 田辺博充 200711
惜春や食器がちやがちや洗ひをり 淡路久仁子 春燈 200807
がちやがちやよ日暮となりしがちやがちやよ 小形さとる 200811
磧湯の闇掻き立てて轡虫 森脇貞子 雨月 200912
夜の早き海人の家居や轡虫 卯月十六 末黒野 200912
がちやがちやや一人も乘らぬ山の駅 鎌須賀礼子 万象 201012
マスコミに煽動されし轡虫 矢口笑子 春燈 201012
轡虫一沫の悲もなかりけり 小形さとる 201102
轡虫夜通し兄を捜しけり 星野早苗 船団 201110
明日あらばあると鳴き止む轡虫 布川直幸 201110
いつまでも母は心配くつわ虫 コ田千鶴子 花の翼 201111
内耳への音の落書き轡虫 布川直幸 201210
寂しさの雑言と聴く轡虫 渕上千津 201311
がちゃがちゃや机上に本の乱れ積み 中本吉信 201312
気乗りせぬこともあるらむくつわ虫 箕輪カオル 201612
がちやがちやや鍬の楔が見当らぬ 足立良雄 201612
停車する貨車がちやがちやと日短か 丑久保勲 やぶれ傘 201703
泣きじょうご松虫鈴虫くつわ虫 川副民子 船団 201707
がちやがちやの途切れて眠気離れけり 中江月鈴子 201711
がちやがちやの茅の葉先の揺らめけり 中江月鈴子 201711
逝きし友そこでも元気轡虫 七郎衛門吉保 あを 201711
隣家より籠ごと来たる轡虫 秋川泉 あを 201810
消灯の後がちやがちやの始まれり 森岡正作 202010
這ひ這ひの子のがちやがちやと向き合へり 森岡正作 202010
がちやがちやの夜の一角を食みてをり 森岡正作 202010
がちやがちややここは日本ど真ん中 岩月優美子 202011
草叢に競うて鳴くや轡虫 佐藤まさ子 春燈 202112

 

2023年10月13日 作成

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