草取り   106句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
草取るや根深根浅のありにけり 長野碧水 199907
ふたり居て庭の草取り捗らず 熊谷みとり いろり 199908
草取りや任せてをけば父なりに 松沢久子 いろり 199910
草取の前衞の手の杜撰なり 中原道夫 銀化 199910
妹は草取り上手母に似て 山本潤子 いろり 200007
草取りの母亡く鎌の赤錆びぬ 花島陽子 遠嶺 200010
対岸の人草取か摘草か 大串章 百鳥 200106
病むときは草取に出てをりにけり 石川千津子 銀化 200107
留守に来し姉が草取したらしき 高尾豊子 火星 200107
一番草取る音のして文庫閉づ 神蔵器 風土 200108
草取女はなればなれに休息す 小田玲子 百鳥 200110
草取やはや日の高き丘の畑 倭文ヒサ子 酸漿 200111
毛虫嫌ひ蚯蚓嫌ひも草取りす 村越化石 200208
返事だけして草取りをつづけをり 宮城白路 風土 200209
草取りし畝美しく甦る 八木岡博江 酸漿 200209
塔頭の影をそびらに草取女 鈴木恭子 200209
校庭に父母ら集いて草取りす 安部美和子 ぐろっけ 200212
車座に嫁誉め合うて草取女 清わかば 雲の峯 200308
山荘の三日草取り小枝掃き 須佐薫子 帆船 200308
二メートルの蛇を掴めり草取女 新倉舒子 200407
重装備して草取りに妻励む 塩川雄三 築港 200408
庭の草取りに帰りし空家かな 藤森万里子 百鳥 200408
草取をせしとはつきりいへぬほど 稲畑汀子 ホトトギス 200506
草取のどこからとなくいつとなく 稲畑汀子 ホトトギス 200506
考へるための草取り続けをり 能村研三 200508
草取にかかる決意のやうなもの 山田弘子 ホトトギス 200511
片陰にいざり寄り行く草取女 大塚民枝 酸漿 200511
草取と命といづれ大事かや 植村よし子 雨月 200601
背を伸ばし草取農夫畦に立つ 清水和子 酸漿 200603
よく見れば草取せねばならぬかな 稲畑汀子 ホトトギス 200606
ゴルフ場の青い波間の草取親子 瀧春一 瓦礫 200606
草取の手を払ひつつ夕刊とる 竹内弘子 あを 200607
草取る手土のぬくもりさぐりつつ 鎌倉喜久恵 あを 200608
草取りや舗装路に尻餅をつく 長崎桂子 あを 200608
草取りや蚊遣の匂ひただよはせ 早崎泰江 あを 200608
草取りもここまでとして昼餉かな 鎌倉喜久恵 あを 200608
草取りに余念なき日の暮れにけり 早崎泰江 あを 200608
草取りて晴の一日始まれり 長崎桂子 あを 200608
草取や頑と動かず蟇 森理和 あを 200608
草取の奉仕団体絆生む 長崎桂子 あを 200608
青紫蘇に似て非なる草取りにけり 竹内弘子 あを 200608
小さき庭草取る帽子鍔広し 赤座典子 あを 200608
野菜便草取虫取雨天気 東亜未 あを 200608
思ひきり草取りの果てうつらうつら 芝尚子 あを 200608
草取もその人らしく大雑把 安原葉 ホトトギス 200611
草取や都心庭付一戸建 稲畑廣太郎 ホトトギス 200705
又見えて見えて草取止められず 稲畑汀子 ホトトギス 200705
なき如くありし草取どこまでも 稲畑汀子 ホトトギス 200705
草取りの人来てくれし今朝の夢 城戸愛子 酸漿 200709
草取の草取りつぱなし畦の昼 布川直幸 200710
一掴みづつ草取り体操はじまりぬ 岡田章子 ぐろっけ 200710
久びさを詫びつ草取る墓前かな 牧野麦芽 京鹿子 200711
名刹の草取りのみを業とせり 大井邦子 ぐろっけ 200711
草取を副業として寺男 大井邦子 ぐろっけ 200712
草取のきりなき仕事電話鳴る 稲畑汀子 ホトトギス 200806
居候らしく草取などもして 山田弘子 ホトトギス 200811
コスモスの土手の草取りボランティア 池田光子 200811
声のしてゐるは草取女の着きし 野沢しの武 風土 200901
根づきたる芝の草取はじまりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200906
旧道の野地蔵の草取り申す 神田一瓢 雨月 200911
草取れば猫の広場となつてをり 苑実耶 201009
草取女休む霞の木蔭かな 佐藤和子 万象 201009
草取女両手に草の匂ひさせ 仁平則子 201109
草取女余呉の旅人に目もくれず 中原吟子 雨月 201109
雨脚に無頓着なり草取女 中原吟子 雨月 201109
草取りの跼めば隠る草の丈 菅野蒔子 末黒野 201110
草取りの区切りを余し骨惜しむ 鈴木礼子 末黒野 201110
菠薐草取りほかし去る農夫かな 吉村さよ子 春燈 201206
草取りの泥手に訃報の回覧来 中島玉五郎 201209
草取りの腰折りにけり梅雨菌 杉浦典子 火星 201210
日課なりけり句作りも草取も 古賀しぐれ ホトトギス 201210
草取に膝突く己宥しけり 椿和枝 201210
指先の荒るるをいとひ草取らず 稲畑汀子 ホトトギス 201306
ひざまづき草取る人や行宮趾 窪田粧子 馬醉木 201307
草取りは裸婦像下に休みゐる 大島英昭 やぶれ傘 201311
草取りの疲労宥める夜のワイン 笠井敦子 201409
草取りて振り向けば又草生ゆる 下平誠子 ろんど 201409
日の出まで草取る日課つづかざる 稲畑汀子 ホトトギス 201506
草取つて傷みし芝の見えて来し 稲畑汀子 ホトトギス 201506
草取女一服はまたパン・ジュース 仁平則子 201508
草取りや待つた無しなる生業知る 伊吹之博 京鹿子 201510
ひたすらに草取る齢忘れをる 田坂能雄 201511
門までを送り草取る人となる 苑実耶 201512
振りかへる目の平らなり草取女 樋口みのぶ 201512
病窓に草取の景嵌めこみて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201606
草取りのロボット考案待ち遠し 笠井敦子 201608
八十は草取り出来ぬ齢なり 齋藤厚子 201608
少年へ球を返して草取女 西住三恵子 201610
草取りし軍手を一指づつ洗ふ ふじの茜 201610
草取りの限界すぐに来たりけり 笠井敦子 201610
草取りや正午のポーとにぎり飯 天野美登里 やぶれ傘 201708
草取や名もなき小花残しゐて 加藤静江 末黒野 201709
草取りの出立ち我は異邦人 濱上こういち 201711
草取りも愉悦の一つけふも取る 大畑善昭 201808
草取の根に強弱のいのちあり 有松洋子 201809
草取りの匂ひのままの会釈かな 黒滝志麻子 末黒野 201910
草取に辟易せしに土恋し 竹内喜代子 雨月 201910
「大変だね」と草取る人に声を掛け 村田武 やぶれ傘 201912
草取りの庭に現る郵便夫 岩永みはる 追伸 202003
雑念を消す草取にある力 石橋みどり 202007
腰伸ばす田の草取や空まさを 大坂正 末黒野 202009
草取も終へて家居の時余る 三村純也 ホトトギス 202010
寄せつけぬ背中となりぬ草取女 柴田佐知子 202010
かはたれの草取る肺腑清々し 高井修一 春燈 202110
草取や庭の歳月見極めて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202206
妻逝きて草取りの手の滞る 星野喜郎 202212

 

2023年7月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。