草の穂       70句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
穂草波茅葺厚き新羅窯 皆川盤水 春耕 199811
草の穂に隠れて在す疣地蔵 志水千代子 俳句通信 199912
道の辺や虎尾草の穂の短かり 二瓶洋子 六花 199912
飛鳥川秋来てみれば穂草の実 田中藤穂 水瓶座 200002
草の穂の小さき十字や秋初め 林翔 200010
道の辺のいくたび刈られ立つ穂草 平しげる 酸漿 200012
穂草揺れ止み蜻蛉の来るを待つ 能村登四郎 羽化 200110
戯るる穂草に杖を差し出せり 村越化石 200112
草の穂にすがる雀や夕近し 早坂静生 風土 200201
即答を避けて草の穂しごきをり 宮脇ちづる 200201
慎しく穂草穂を成す海の日や 岡崎るり子 銀化 200210
草の穂にささやきのあり秋の風 大山妙子 酸漿 200212
回しゆく草の穂の輪を指にして 大森美恵 風土 200302
遠ちに見る穂草かくれにローカル線 河中スエ子 200312
梅の木の周りの穂草刈られあり 水野恒彦 200401
草の穂や三日坊主のストレッチ 細井紫幸 草の花 200401
草の穂を食べさせ馬に乗りにけり 小林とみゑ 百鳥 200501
奈良公園起伏のままに穂草生ふ 小林。榮子 築港 200501
草の穂や一人生れば皆坐り 真塩実 200502
ただよへるほか草の穂のこと知らず 市場基巳 200502
穂草みな川に向きたる夕の風 安田とし子 ぐろっけ 200511
草の穂と見れば鳴らしてみたくなる 伊藤早苗 200511
畦跳んで草の穂つかむお胞衣塚 神蔵器 風土 200610
雲を見る遊び草の穂吹くあそび 前田貴美子 万象 200610
暮れぎはを光りて穂草吹かれけり 田村園子 200611
仄ぼのと穂草日に浮きひた睡し 坪井洋子 200611
橋渡り穂草の揺るる道となる 加古みちよ 火星 200612
王陵の穂草ばかりに吹く風よ 前田貴美子 万象合同句集 200703
秋風や川辺の穂草波打たせ 木内美保子 六花 200801
産み月の万の穂草のなびきけり 服部早苗 200804
草の穂や竜飛は烈風崎なる 池端英子 ろんど 200912
草の穂や口を尖らす山頭火 太田慶子 春燈 201001
神鹿の銜ふる穂草震へをり 丸山照子 火星 201001
水の上の草の穂にゐる天道虫 杉浦典子 火星 201010
石仏の笑みゆきわたる穂草かな 山尾玉藻 火星 201011
草の穂や山ふちどりを濃くひけり 豊田都峰 京鹿子 201012
草の穂を踏んで道なきところまで 大島英昭 やぶれ傘 201101
草の穂がくすぐる夫婦道祖神 石川友江 風土 201101
降り出しの雨に穂草の匂ひけり 赤松郁代 万象 201101
阿騎野に来朗ら朗らと穂草原 川井秀夫 ろんど 201201
鯉の背に草の穂絮の止りけり 田尻勝子 六花 201209
穂草立つ野末を告げる雲なき日 豊田都峰 京鹿子 201211
草の穂やときに激しき鳥のこゑ 藤原若菜 春燈 201212
草の穂や耕着てゐる漁休み 柴田佐知子 201311
草の穂の風にまかせてゐる日かな 白石正躬 やぶれ傘 201312
子等帰り草の穂なびき河川敷 千葉惠美子 末黒野 201401
草の穂の飛び散る勢ありにけり 近藤紀子 201401
やっちゃ場の跡や草の穂草の花 古川夏子 201402
ひとしごきしたる穂草を風にやる 比嘉半升 万象 201412
草の穂や行く道はまた戻る道 門伝史会 風土 201412
自分史を鞄に詰める穂草かな 鴨下昭 201501
悶着ひとつ互ひに譲り合ひ穂草 田中貞雄 ろんど 201501
草の穂のさゆれ夕灯遠くする 豊田都峰 京鹿子 201501
風を聞く穂草のあたり村ざかひ 豊田都峰 京鹿子 201501
草の穂や湖へと続く道細く 廣瀬雅男 やぶれ傘 201501
草の穂の撓りて雀落ちさうで 小山陽子 やぶれ傘 201502
草の穂の先に稲村ケ崎かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201601
穂草波新河岸川の舟着き場 水野加代 万象 201602
夕映えの草の穂に風吹き渡る 岡崎春菜 万象 201712
病床や草の穂高くなるばかり 岩田洋子 201712
草の穂や祖父に習ひし竹とんぼ 樋口みのぶ 201712
草の穂や弱る仔牛の離されて 小林朱夏 201801
草の穂や背中の赤子揺すり上ぐ 宮井知英 201801
草の穂の旅立つ自由見とどけし コ田千鶴子 馬醉木 201812
草の穂を噛めばたれかがハーモニカ 青谷小枝 やぶれ傘 202002
草の穂や負けを認めぬ子の涙 柴田佐知子 202101
草の穂の池塘の余白雲流る 長尾タイ 末黒野 202112
草の穂や露もろともに壺に活く 市川夏子 末黒野 202112
仏性やこの秋草の穂先にも 杉原ツタ子 202112
吹かれきったるいぬころ草の穂のひかり 伊藤希眸 京鹿子 202212

 

2023年9月20日 作成