草の花   130句

ランボオも徳利も棺に草の花   関合正明   山枇杷

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
城砦に張りつく民家草の花 山田弘子 春節 199503 ロマンチック街道
多摩川に中州のありて草の花 吉田呉天 風土 199812  
姉妹とは気ままに軽く草の花 坪内稔典 船団 199812  
熔岩原を下り来て瑠璃の草の花 荒尾茂子 199902  
人ほどに遠くはゆけず草の花 藤崎久を ホトトギス 199903  
ぴったりと足にあう靴草の花 しおやきみこ 船団 199903  
廃線を歩く計画草の花 中林明美 船団 199903  
ローマへの道にびつしり草の花 品川鈴子 ぐろっけ 199904  
汗ばみて坂のぼりゆく草の花 小西昭夫 船団 199908  
背を丸め踊子草の花をみし 久保田一豊 いろり 199908  
草の花犬のアヌスは紅に 長沼都 船団 199909  
大振の魚籠に挿したる草の花 渕江千代 酸漿 199910  
二の丸の風のさやけし草の花 大和田鏡子 俳句通信 199910  
年ごとにさびしきものに草の花 藤井昌治 199910  
数々のもの見て忘れ草の花 大場燈児 風土 199911  
富士を描く三脚据ゑる草の花 芋川幸子 春耕 199911  
土手下の花火工場や草の花 西川よし子 春耕 199911  
透き通る翅を拾ひし草の花 石田邦子 遠嶺 199912  
錆噴ける船を祀りて草の花 岡本眸 199912  
己が法超えぬ分別草の花 藤岡紫水 京鹿子 200001  
死ねば担がれるこの道草の花 足利徹 ぐろっけ 200001  
石仏の面豊かや草の花 渕江千代 酸漿 200002  
名を知らぬ故にいとしき草の花 田畑美穂女 ホトトギス 200003  
優秀な人と思われ草の花 塩見恵介 虹の種 200005  
蹌踉と影のつきくる草の花 笹家栄子 200011  
城跡のどこか床しき草の花 鈴木とし子 遠嶺 200012  
定家忌の壷にぞあふれ草の花 中村祐子 200012  
草の花入館八千人を超え 稲畑廣太郎 円虹 200101  
磨かれし廊下に生けて草の花 三井公子 酸漿 200101  
風やさし名もなき草の花にさへ 川口咲子 ホトトギス 200102  
音のせぬメリヤス工場草の花 鳴海清美 遊び蔓 200105  
虚子迷子ありし日偲ぶ草の花 稲畑汀子 ホトトギス 200109  
草の花磯の祠の欠け茶碗 皆川盤水 春耕 200109  
三曲二双杢太郎詩碑草の花 神蔵器 風土 200110  
児が抱く小さきヴィオロン草の花 林翔 馬醉木 200110  
それぞれに安らぐ高さ草の花 中本憲巳 200111  
草の花摘んでくれたる幼き子 山本あかね 百鳥 200111  
卓の上犬踏み折りし草の花 山荘慶子 あを 200111  
曲家の屋根の上なる草の花 金子つとむ 俳句通信 200111  
知られぬ名それでも草の花が咲く 原教正 200112  
草の花もろとも飼葉刈られゐる 丸尾和子 雨月 200112  
草の花馬入れ径の消えてをり 鈴木とおる 風土 200112  
狭山路を語りつつ行く草の花 中島徳子 酸漿 200112  
水鏡見んとて揺るる草の花 金山千鳥 酸漿 200112  
破船よりこぼるる錆や草の花 池内けい吾 春耕 200112  
閉園の孔雀の舞や草の花 久胡さわ江 春耕 200112 (行川アイランド)
海望む寺のあかるし草の花 関洋子 200201  
母の干す腹痛薬草の花 高尾豊子 火星 200201  
草の花コップに寮の賄婦 海老澤映草 春耕 200201  
宿坊の名のつらねあり草の花 宮倉浅子 遠嶺 200201  
母に似る羅漢に供へ草の花 谷口みちる 200202  
ご自愛を切にと結ぶ草の花 小西昭夫 船団 200202  
何も変らぬ家を出で来て草の花 川上弥生 200202  
草の花径ほそぼそとつづきけり 長沼紫紅 200204  
父知らぬ新道村に草の花 田中藤穂 あを 200311  
草の花温泉湧きし父の村 田中藤穂 あを 200311  
厨水朝毎に撒く草の花 鎌倉喜久恵 あを 200311  
本堂を囲む参道草の花 鎌倉喜久恵 あを 200311  
草の花犬が嗅ぎ出す鶏の骨 森理和 あを 200311  
草の花ほとけの往き来風の道 鈴木多枝子 あを 200311  
草の花つかず離れず子と暮す 斉藤静枝 あを 200311  
焼夷弾赤子ほどなり草の花 佐藤喜孝 あを 200311  
ありなしの風旅人と草の花 堀内一郎 あを 200311  
寺男をらずなりたる草の花 竹内弘子 あを 200311  
通はねば径消えかかる草の花 冨山俊雄 山居抄 201008  
群鹿の憩ふ境内草の花 笠井清佑 201011  
メクタイを解けば牧夫よ草の花 城台洋子 馬醉木 201011  
水害のありしは昔草の花 高橋秋子 201011  
手を鳴らし赤子歩ます草の花 荒井千佐代 201011  
山は神里は仏の草の花 岩永充三 201012  
健脚な男の背中草の花 小倉陶女 春燈 201012  
腰下ろすにはちさき石草の花 松本三千夫 末黒野 201012  
草の花夜明の石の濡れてをり 松田泰子 末黒野 201012  
つぎの世につづく青空草の花 宮川みね子 風土 201012  
山路ゆく草の花の名唱へつつ 夏目満子 酸漿 201012  
綾子句碑なでて親しや草の花 疋田華子 万象 201101  
草の花ごつたに吹かる粟田口 深澤鱶 火星 201101  
ビニールの四手たれてをり草の花 伊勢きみこ 火星 201101  
ふだん着に戻れるところ草の花 山田佳乃 ホトトギス 201102  
水の星火の星草の花の星 今井千鶴子 ホトトギス 201102  
尊王も佐幕も土に草の花 片山博介 春燈 201103  
天平の礎石の湿り草の花 石黒興平 末黒野 201104  
三層の櫓影置き草の花 亀掛川菊枝 末黒野 201104  
石垣の隙を埋めぬ草の花 中野久雄 末黒野 201104  
星流れけり屋根の上の草の花 山尾玉藻 火星 201108  
つつましき彩こそ良けれ草の花 上原恒子 雨月 201110  
呟きが風にさらはれ草の花 コ田千鶴子 花の翼 201111 信濃逍遥
ひたすらな母の歳月草の花 コ田千鶴子 馬醉木 201111  
泣く前の子の眼動かず草の花 柴田佐知子 201111  
こざっぱり生きてもんぺや草の花 松岡和子 201112  
草の花散歩の好きな女の子 伊藤純子 201112  
思ふまま風を遊ばせ草の花 市村健夫 馬醉木 201112  
五十年を経るも異郷ぞ草の花 藤沢秀永 201112  
裾たくし行く山の辺の草の花 山本耀子 火星 201112  
いろいろの尻尾の過る草の花 藤田素子 火星 201112  
きき流すことも才覚草の花 博多永楽 雨月 201112  
ひとところ固まり白き草の花 川下明子 雨月 201112  
この道が好き岬まで草の花 谷渡末枝 万象 201112  
蝶翔ちしところを見れば草の花 嶋田摩耶子 ホトトギス 201201  
戸口よりキーを投げたり草の花 大坪景章 万象 201201  
わが町に緑地ありけり草の花 山田天 雨月 201201  
石仏に魂の鎮もる草の花 荒井千佐代 201201 城の古址二句
土手上に昼の日差しや草の花 大島英昭 やぶれ傘 201201  
ひと言を温めてゐる草の花 井尻妙子 京鹿子 201202  
すぐそこといふ距離遠し草の花 水田むつみ ホトトギス 201203  
集乳缶さげくる少女草の花 須賀充子 パミール越え 201206  
老楽の勿忘草の花詞 岸本幸 万華鏡 201206  
車椅子寄せて手に触れ草の花 古林田鶴子 ぐろっけ 201207  
揺れながら紅さしきたり草の花 山田六甲 六花 201210  
草の花揺れつつ紅を帯びて来し 山田六甲 六花 201210  
無蓋車に豚のひしめく草の花 荒井千佐代 201210  
薬研堀障子堀あり草の花 神蔵器 風土 201211  
草の花玩具のやうな犬つれて 清水元子 末黒野 201211  
草の花どれも故人の影をもつ 加藤みき 201211  
有りなしの風にも揺るる草の花 安立公彦 春燈 201211  
草の花揺れつつ色の濃くなれる 山田六甲 六花 201211  
野仏に蔭差しかけぬ草の花 伊藤平八 末黒野 201211  
富士裾の溶岩をそこひに草の花 間島あきら 風土 201212  
打ち明けて同じ思ひの草の花 太田佳代子 春燈 201212  
草の花一歩踏み出すごと恐る 河村啓花 ろんど 201212  
句とともに歩む人生草の花 古賀しぐれ ホトトギス 201301  
逆賊に郷土はやさし草の花 菊川俊朗 201301  
安曇野の瀬音清らや草の花 松本三千夫 末黒野 201301  
いただきの天日淡し草の花 熊切光子 末黒野 201301  
草の花友は祖父母に育てられ 青木朋子 201301  
待たさるることにも慣れし草の花 涼野海音 火星 201302  
岬へと色を連ねて草の花 黒滝志麻子 末黒野 201302  
奈翁だとて摘まずにをれぬ草の花 瀬川公馨 201302  
振ればよく鳴つてさみせん草の花 根橋宏次 やぶれ傘 201307  
草の花母似と言はれ母しらず 森清信子 私の一句 201307  

2013年9月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。