草むしり    110句

大門や涼がてらの草むしり   一茶

作品
作者
掲載誌
掲載年月
この峡に生れ死ぬる身草むしる 鎌田亮 199908
草を追ひ草に追はれつ草毟る 八木岡博江 酸漿 199909
草むしり完全武装に疲れたり 久保田一豊 いろり 200008
きりのよきところなどなし草むしり 佐藤博美 200012
高邁なことは思はず草むしる 石田邦子 祭笛 200109
草むしり本気で爪の伸びてきし 深田雅敏 200208
商運は傾きしまま草むしる 山中宏子 200208
親のこと考へてゐる草むしり 鎌倉喜久恵 あを 200209
炎天に農の一念草毟る 八木岡博江 酸漿 200209
草むしり婦唱夫隨の痛み止め 竹貫示虹 京鹿子 200209
営々とわが草むしり始まれり 阿部ひろし 酸漿 200209
代々の汗染みし畑草毟る 八木岡博江 酸漿 200210
町内のコミュニケーション草むしり 岡谷栄子 200211
草むしり赤のまんまも混じりをり 早崎泰江 あをかき 200310
花実までもろとも夫の草むしり 林裕美子 六花 200311
草むしりけふここまでとしたりけり 鈴木幾子 酸漿 200408
陽に射られ刺す虫もをる草むしり 長崎桂子 あを 200409
草むしりつつ暗涙をのごはざる 伊藤白潮 200507
草むしる碑より誓子と波津女の声 品川鈴子 ぐろっけ 200508
帰り来て朝より妻の草むしり 蓮尾あきら 風土 200509
子の家に来て幼子と草むしる 甲斐遊糸 百鳥 200509
制服の白の一列草むしる 足立武久 酸漿 200509
草むしり自分と会話する時間 森野俊子 遠嶺 200509
草むしる背にふりそそぐ蝉しぐれ 菊谷潔 六花 200510
草むしる団子虫ほど屈まりて 長谷川千枝子 200510
このあひだむしつた場所の草むしる 田口武 さうぢやなくても 200512
昼すこし過ぎて終へたる草むしり 三井孝子 六花 200608
草むしりポケットベルに一休み 森山のりこ あをかき 200608
言はでものことつい言うて草むしり 鎌倉喜久恵 あをかき 200608
形やや歪の畠の草むしる 定梶じょう あをかき 200608
蟻の巣をみつけ手を止む草むしり 森山のりこ あをかき 200608
雀のけぞり軒下の草むしる 定梶じょう あをかき 200608
草むしる運動服の修道女 八木岡博江 酸漿 200610
草毟り励みし今日の土の色 八木岡博江 酸漿 200610
蝉の穴かぞへてからの草むしり 延川五十昭 六花 200610
どくだみの匂ひにまみれ草むしり 岩松八重 六花 200610
寧日や読書に倦めば草むしり 三輪温子 雨月 200709
亡き母の容チにかがみ草むしる 成瀬櫻桃子 春燈 200710
草むしり強き根弱き根ありにけり 四條進 200711
疲れては草につぶやく草むしり 林和子 200711
草むしり詩歌の泉涸れぬほど 安田久太朗 遠嶺 200806
人工膝となり草むしり叶はざり 大橋敦子 雨月 200807
庭の草むしり亡骸迎へたり 浅井敦子 万象 200810
草むしり小学校のチャイム鳴る 松岡和子 200908
草むしり車庫となす地に祓ひ砂 足利ロ子 はらから 200911
思ふほど引けず朝の草むしり 吉田きみえ 末黒野 200911
無心とは違ふ素直さ草むしり 中下澄江 200912
草むしる汗滴れる大地かな 内田和子 酸漿 200912
亡き姉の面影浮ぶ草むしり 先崎きくよ 酸漿 201007
草むしり指の先より暮れにけり 鎌倉喜久恵 あを 201008
草むしる一句成すため十句捨て 布川直幸 201008
一二本やがて本気の草むしり 秋山悌歩 末黒野 201009
根の深き草むしりをり十二月 島崎勇作 酸漿 201102
前頭葉耕してゐる草むしり 細川洋子 201107
草むしり放課と致す遠チャイム 松岡和子 201108
決心のゆるがぬうちに草むしり 森さち子 201108
雨上がり急いで庭の草毟る 北村ちえ子 六花 201109
炎天下額拭ひて草むしる 青木英林 かさね 201209
草むしり地底の主と綱引きを 細川知子 ぐろっけ 201210
草むしる隅に残りし秋茗荷 菊地崇之 かさね 201211
草むしり蜥蜴出でしは想定外 遠藤逍遙子 風土 201310
日の昇るまでを一気に草むしり 松田洋子 201310
思はざるほどに長居の草むしり 布川直幸 201405
賑はへる日曜菜園草むしり 谷口俊郎 201408
草むしり楽しむ齢となりにけり 武政礼子 雨月 201408
膝の土はらひて終る草むしり 柴田志津子 201409
神妙な顔して禰宜の草むしり 市村健夫 馬醉木 201409
外に出るついでついでの草むしり 田村園子 201410
話好き聞き好き揃ひ草むしり 和田政子 201410
折畳椅子をずらして草むしる 小林正史 201410
草むしりだんだん手先だけになり 山口輝雄 201410
朝より影を選びつ草むしり 長崎桂子 あを 201508
みんなみにみな尻向けて草むしる 原田達夫 201508
前庭の一人に広き草むしり 田村加代 末黒野 201508
いつの間に背中合はせの草むしり 坂場章子 201509
草むしり気合ばかりの雨後の庭 荒井貞子 末黒野 201509
一心に啄めるさま草むしり 西村将昭 201509
学僧の舐むるがごとく草むしる 吉田葎 201510
草むしるただ敬服の根力や 中村三郎 京鹿子 201510
日かげりを焦りもせずに草むしり 森口千代子 京鹿子 201510
草むしる長きエプロン膝包む 古川夏子 201510
みんなみにみな尻向けて草むしり 原田達夫 箱火鉢 201511
草むしる気塞ぎの箍ゆるぶまで 田岡千章 201512
夕星やひとりはかどる草むしり 秋川泉 あを 201607
草むしる母の姿の定まれり 森屋慶基 風土 201608
賞罰に縁なくひたに草むしる 湯橋喜美 201609
草毟り五分刻みのストレッチ 七郎衛門吉保 あを 201609
家守る妣の気概の草むしり 佐々木秀子 201610
草毟るスイッチバックの汽車の道 室井津与志 春燈 201610
草むしり地肌をなでて終はりけり 高橋将夫 蜷の道 201703
赤紫蘇を残して終はる草むしり 秋山信行 やぶれ傘 201708
草むしり蠢くものを追ひ払ふ 長崎桂子 あを 201708
思ひ出はひとりぞ良けれ草むしり 田原陽子 201710
無駄口のありて捗る草むしり 相良牧人 201710
泡雪羹固まるまでの草むしり 笠井敦子 201711
一句拾ふ楽しみありて草むしり 片岡さか江 末黒野 201712
追弔のこころのままに草むしる 能村研三 201806
草むしりテレビの中は嘘ばかり 秋川泉 あを 201808
青臭き大地に屈み草むしる 辻由紀 雨月 201909
草むしる尼は時をり背を伸ばし 秋山信行 やぶれ傘 201911
草むしる時も己も忘れをり 小川流子 202009
スクワットめきてきたりぬ草むしり 柿沼盟子 風土 202009
グウと鳴るのは十一時草むしり 林田麻裕 202009
庭石を覆ひ鮮やか草むしり 長崎桂子 あを 202107
今朝もまた狭庭黙々草むしり 丹羽武正 京鹿子 202111
雲出でて草毟り終へちと安堵 長崎桂子 あを 202206
頭上すぎ日は西へ寄り草むしり 長崎桂子 あを 202207
庭一面草は新鮮草むしり 長崎桂子 あを 202207
露の朝身まで濡らして草毟る 田部富仁子 202211
草むしり言語離れてゐる軽さ 奥田筆子 京鹿子 202212

 

2023年7月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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