君子蘭      63句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
門多き帝陵の道君子蘭 松崎鉄之介 199907
君子蘭女医のピアスと会話する 三井孝子 六花 199909
君子蘭部屋に日向と日陰あり 池田澄子 船団 199909
いもうとの形見となりぬ君子蘭 當麻幸子 俳句通信 200006
教え子の抱へて走る君子蘭 二瓶洋子 六花 200007
君子蘭華族の裔といふ君に 稲畑廣太郎 ホトトギス 200102
開館に寄する心や君子蘭 稲畑廣太郎 ホトトギス 200102
君子蘭ふやせし保母の退職す 須磨璋子 ぐろっけ 200107
母より継ぎ五十年経ぬ君子蘭 藤田千代江 200107
案の定輸贏(ゆえい)を避くる君子蘭 宮京子 銀化 200203
君子蘭咲く日の迫るふくよかさ 河田青嵐 風土 200205
堂堂の女盛りや君子蘭 佐藤瑛 帆船 200304
黙々と蕾育くみ君子蘭 篠崎荘市 酸漿 200306
君子蘭処変ふるに鉢重く 二瓶洋子 六花 200307
優雅なる隣家のピアノ君子蘭 白石秀雄 酸漿 200408
陽を透す机上遺品の君子蘭 児玉豊子 対岸 200505
忌を修す十二単の君子蘭 工藤ミネ子 風土 200506
咲き出でて濁世に逢ひし君子蘭 泉田秋硯 200507
高層階の陽を傲慢に君子蘭 佐藤仁 200508
老の部屋窓辺を飾る君子蘭 家塚洋子 酸漿 200508
疾風や倒れ伏したる君子蘭 芝尚子 あを 200605
炎抜けほむらこぼしぬ君子蘭 工藤ミネ子 風土 200606
甲冑を飾れるごとし君子蘭 林香耀子 200606
君子蘭の古株花茎三本立ち 松崎鉄之介 200705
君子蘭飾れる家の主人老い 松崎鉄之介 200706
北窓を豪華に飾る君子蘭 松崎鉄之介 200706
銀行に四角い空気君子蘭 小嶋洋子 200707
ベランダヘ出すにすぐ咲く君子蘭 大沼トシ子 200707
君子蘭白き蕾ののぞきけり 原田敦子 酸漿 200805
君子蘭北窓にても豪華なる 松崎鉄之介 200807
媼吾住みゐて君子蘭あでに 大橋敦子 雨月 200906
君子蘭並ぶ傘寿の控室 藤沢秀永 200908
一隅の花芽たしかに君子蘭 水原春郎 馬醉木 201005
ピアノ弾く少女の出窓君子蘭 松本三千夫 末黒野 201006
君子蘭咲く吾が家より子ら巣立つ 大谷信子 201104
君臨といふ咲きやうの君子蘭 田中春子 雨月 201107
閨秀多き句座に君臨君子蘭 東野鈴子 雨月 201107
余震また花大揺れの君子蘭 土田亮 末黒野 201108
独酌のあとも一人や君子蘭 松岡悠喜夫 ぐろっけ 201207
大正期の絢爛たる庭に君子蘭 松田利秋 かさね 201208
書斎豪華に胡蝶蘭君子蘭 大橋敦子 雨月 201306
今年はも卒寿と賜ばる君子蘭 大橋敦子 雨月 201306
君子蘭とふ花の名留め花落ちぬ 大橋敦子 雨月 201306
花芽見せそこからが遅々君子蘭 布川直幸 201403
退院の母を迎へし君子蘭 落合裕子 万象 201405
君子蘭五鉢を咲かせ妻逝けり 佐渡谷秀一 対座 201505
葉のかげに花芽のぞかす君子蘭 有賀鈴乃 末黒野 201506
君子蘭咲けり晨の強風裡 鎌田篤 雨月 201507
ビストロに傘寿の集ひ君子蘭 大島寛治 雨月 201507
明るさを正面にして君子蘭 稲畑汀子 ホトトギス 201602
君子蘭咲けば太陽近くなる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201702
君子蘭虚子生誕の日の狭庭 稲畑廣太郎 ホトトギス 201702
君子蘭部屋に積まるるダンボール 高橋正江 末黒野 201706
逞しき新芽七本君子蘭 石森理和 あを 201806
君子蘭庭の一隅照らしけり 海村禮子 春燈 201906
朱色燦々大鉢の君子蘭 下田奉枝 雨月 201907
総檜造りの客間君子蘭 中島秀夫 王水 201909
君子蘭傾きにある気品かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202102
朝の日や今し主役の君子蘭 鈴木千恵子 末黒野 202107
朱の色の濃し燦として君子蘭 毛利直子 末黒野 202107
記念にともらひて重し君子蘭 内山みち 末黒野 202205
君子蘭濃かり朱色に湧く元気 臼居澄子 やぶれ傘 202207
褒め言葉鉢をはみ出す君子蘭 高木晶子 京鹿子 202208

 

2023年2月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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