喰 積 (食積)    75句

喰積やみな海山の寶もの    鳳峨

作品
作者
掲載誌
掲載年月
食積の洋風に皆箸伸ばし 稲畑廣太郎 ホトトギス 199901
喰積や床に祀りて石の臼 神蔵器 風土 199903
わが家紋食積の蓋に見出しけり 能村登四郎 芒種 199911
搭乗を待つ喰積みを携へて 品川鈴子 ぐろっけ 200001
喰積やうれひなしとはよも言へで 和田敏子 雨月 200004
喰積や妻にまた負け指相撲 山田六甲 六花 200202
食積の必ず先に減るところ 稲畑汀子 ホトトギス 200301
食積の十八番一品任されし 藤見佳楠子 200403
店屋物混ぜて食積五段なる 市川伊團次 六花 200404
喰積や夜の余つてしまひたる 戸田和子 200404
がやがやと来ては喰積片付けし 板橋智恵子 百鳥 200404
喰積や父の講釈聞えける 柳沢典子 酸漿 200503
喰積の二段無添加無着色 北嶋ひさ子 帆船 200503
我が味になりし喰積義母と喰ふ 斉藤裕子 あを 200503
食積も生花もととのい息子(こ)らを待つ 東紀子 200503
失明の師に持ち寄りの喰積を 水野範子 ぐろっけ 200504
喰積の与之重までの彩の奢侈 生方義紹 春燈 200604
喰積の豪華な寿司がいま届く 渡辺安酔 200703
喰積の一万九千八百円 堀志皋 火星 200704
根菜の食積残し帰りけり 笠井敦子 200704
年ゆゑの粗相はかなし喰積に 後藤比夫 ホトトギス 200804
喰積やセピア色なる母のメモ 金田美恵子 ぐろっけ 200901
喰積は故郷の味母の味 金田美恵子 ぐろっけ 200901
喰積やをの子の好きは卵焼 東亜未 あを 200903
喰積や燻(ふすべ)いろなす板襖 太田寛郎 200904
食積に家族の好みあることを 稲畑汀子 ホトトギス 201001
母没後喰積消えてしまひけり 田中貞雄 ろんど 201001
食積に淡く残りし母の色 鈴木良戈 201003
洋風の喰積もまた一興と 大橋晄 雨月 201003
喰積や独りに厚き福祉の手 岡野ひろ子 201003
喰積の見事にはけて嬉しかり 斉藤裕子 あを 201003
喰積の海の物より減り始め 生田喬也 201005
喰積の縁起物にも食べ飽きる 布川直幸 201101
喰積の空つぽになるめでたさよ 高橋将夫 201201
喰積の隅守りをるごまめかな 高橋将夫 201201
食積のいまは一枚皿で足る 田中貞雄 ろんど 201201
喰積の伊万里の陶器母譲り 山口キミコ 201203
喰積の栗きんとんめ明るさよ 松本周二 かさね 201203
食積の蒟蒻ばかりへつてをり 瀬戸悠 風土 201204
食積を遺影の前に供へ置く 中沢三省 風土 201204
食積や絆創膏の母の指 太田良一 末黒野 201204
喰積に中るものあり中りけり 山崎青史 ろんど 201204
独居も喰積だけは手作りに 野口喜久子 ぐろっけ 201204
娘等帰り残る食積老二人 水野弘 ぐろっけ 201204
喰積や烏賊を枕ににらみ鯛 川越昭子 万象選集 201205
喰積の五十余品に箸迷ひ 大橋晄 雨月 201303
喰積や沈金の蓋開けてみる 安藤久美子 やぶれ傘 201304
食積や老を気遣ふ嫁のゐて 岸本久栄 雨月 201403
生きてをり子等と食積喰うてをり 斉藤裕子 あを 201403
食積の経し百年の絵を合はす 鈴木良戈 201403
喰積や結びて白き割烹着 すずき巴里 末黒野 201404
喰積に焼きにぎり飯添へにけり 升田ヤエ子 六花 201404
食積の隅の鮑の水晶煮 鳥居美智子 ろんど 201405
喰積に特々上の鱈子あり 山田六甲 六花 201501
食積のひとつは郷のひたし豆 山内洋光 201504
喰積に訛りぽろりと太柱 中山賠雪 201504
喰積やいづれ劣らぬ食ひしん坊 中道愛子 201504
病むとても主婦は現役お喰積 落合由季女 雨月 201508
生き耐へて片減り余すお食積 渕上千津 201603
幼らの箸賑はふやお喰積 水原春郎 馬醉木 201604
喰積や空渡る風高らかに 犬塚李里子 201604
食積の一つに子等の箸集め 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
食積に健康な手の伸び行けり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
喰積の片減りうめる妻の所作 平澤侃 末黒野 201704
喰積の並ばぬ卓に向ひたる 今井充子 201804
喰積といふも老いわれ一人分 遠藤レイ 春燈 201805
喰積の仕舞にひかるゼリー羹 七郎衛門吉保 あを 201903
喰積の黒豆をまづ撮み食ひ 山田健太 風土 201904
喰積の妣より受くるレシピかな 大内由紀 末黒野 201904
食積の集めてゐたる眼かな 中島陽華 202005
喰積や母の教への味噌なます 升田ヤス子 六花 202104

 

2022年1月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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