去年今年 6       109句

去年今年老父母のなきやすらぎに  竹内弘子  獐

作品
作者
掲載誌
掲載年月
気にかかる隣の事情去年今年 永塚尚代 ぐろっけ 201102
相棒のしわの増えしや去年今年 永塚尚代 ぐろっけ 201102
カレンダー書き込み多き去年今年 福島悠紀 ぐろっけ 201102
去年今年ただ現状を受け止めて 篠田純子 あを 201103
掃除機の吸ひ取る力去年今年 安部里子 あを 201103
就職の車列動かぬ去年今年 鴨下昭 201104
ランタンの灯る窓辺も去年今年 西村節子 火星 201104
はからずも白きの積みて去年今年 舩越美喜 京鹿子 201104
去年今年晩成遥か未だ傘寿 片岡石走 ろんど 201104
去年今年アルバムは背を支へ合ひ 井田実代子 雨月 201104
かはるなく二人居りけり去年今年 井上浩一郎 ホトトギス 201105
明星の輝きに去年今年なく 藤浦昭代 ホトトギス 201105
八百も嘘はつけない去年今年 松田都青 京鹿子 201105
去年今年生活常に埃あり 松田都青 京鹿子 201105
去年今年木霊も魂もめでたけれ 雨村敏子 201107
さづかりし齢大事に去年今年 近藤きくえ 201107
若かりし日々は戻らず去年今年 稲畑汀子 ホトトギス 201111
片づけてなほ片づかぬ去年今年 稲畑汀子 ホトトギス 201201
忽ちにいつもの暮し去年今年 稲畑汀子 ホトトギス 201201
去年今年柱時計の時合す 山田六甲 六花 201201
瞬きの一瞬にあり去年今年 天野みゆき 風土 201202
母の知らぬ齢を生きて去年今年 小澤菜美 201203
頼りなき体となりて去年今年 高倉恵美子 201203
蛇口より水垂直に去年今年 藤原若莱 春燈 201203
床の間の「凛」の一字や去年今年 浅木ノヱ 春燈 201203
去年今年馬頭はうしろ振り向かず 栗栖恵通子 201203
定位置の五臓六腑や去年今年 栗栖恵通子 201203
呼子鳥きこゆ頃なれ去年今年 瀬川公馨 201203
日々は露の間なりし去年今年 中野京子 201203
去年今年等身大の影ふんで 熊川暁子 201203
去年今年長小便の手を洗ふ 小林清之介 風土 201203
老いぬれば去年今年なく臥してをり 山田をがたま 京鹿子 201203
舊友と膳かこむ幸去年今年 林美智 ぐろっけ 201203
ひろげたるままの顔彩去年今年 松下八重美 夢見の鐘 201203
人間の分際を知る去年今年 篠田純子 あを 201203
妻ありてこその今あり去年今年 浅井吉雄慈 夕端居 201203
去年今年コートの釦とれさうな 栗栖恵通子 201204
新しき扉に記す箴言去年今年 西村純太 201204
去年今年命繋がる管数多 数長藤代 201204
去年今年句読点なく川流る 中山皓雪 201204
万華鏡ひと揺らしして去年今年 相良牧人 201204
三面鏡みんな我が顔去年今年 藤岡紫水 京鹿子 201204
履き馴れた靴を磨いて去年今年 中田寿子 ぐろっけ 201204
去年今年ひとりの脂湯に淡く 古井公代 ぐろっけ 201204
吾が庭の先師の句碑の去年今年 細川コマヱ 雨月 201204
絆とふ文字を掲げて去年今年 服部珠子 雨月 201204
亡き夫に朝の茶手向け去年今年 宮原悦子 雨月 201204
去年今年自力他力の足に雨 井田実代子 雨月 201204
老を忘れ老を忘れず去年今年 後藤比奈夫 ホトトギス 201205
遠き友尋ねてくれる去年今年 児玉有希 京鹿子 201205
来し方を思ひめぐらせ去年今年 大久保弘子 雨月 201205
去年今年酒母を眠らす蔵二つ 佐藤雄二 万象選集 201205
髭あたる夫の背広し去年今年 多田陽子 万象選集 201205
去年今年大蝦夷松のゆるぎなし 橋本弘子 万象選集 201205
時計台の鐘を数へて去年今年 松原晴哉 万象選集 201205
去年今年湧き水今も樫の木に 今野桂子 万象選集 201205
満月を高く仰ぎて去年今年 正木喜美代 万象選集 201205
去年今年バナナの房が皿のうへ 大崎紀夫 やぶれ傘 201205
戦ひの文字のあふるる去年今年 須賀充子 パミール越え 201206
ストマイの耳鳴り今も去年今年 瀬島洒望 やぶれ傘 201206
去年今年氏神の鈴鳴らしけり 都丸スミ代 やぶれ傘 201206
卒寿なほホ句の未来や去年今年 竹下陶子 ホトトギス 201206
去年今年ことなく住みぬ花八ツ手 千葉榮 万華鏡 201206
去年今年歩みつづけて弥次郎兵衛 松木ひろ 万華鏡 201206
ただ一度恵まれし命去年今年 池田加代子 風土 201209
枕辺に虚子歳時記や去年今年 北崎展江 くりから 201209
これよりの明るき未来去年今年 稲畑汀子 ホトトギス 201211
新しき心抱きて去年今年 稲畑汀子 ホトトギス 201212
まさに飲み放題なりし去年今年 中江月鈴子 201301
俳歴が職歴を越す去年今年 田中貞雄 ろんど 201301
夜の瀬戸船笛ながく去年今年 山田六甲 六花 201301
転々としたくともせず去年今年 山田六甲 六花 201301
母看取る我慢比べの去年今年 田中貞雄 自註句集 201301
去年今年明後日とは遙かなる 西川織子 馬醉木 201302
寒木瓜の蕾をつけて去年今年 田島昭久 かさね 201302
「紅白」に微睡む妻や去年今年 山本孝夫 201303
一束の書簡を整理去年今年 阪本哲弘 201303
秒針は未来へ進む去年今年 飯田ひでを 201303
去年今年身の周りより清め生く 中島玉五郎 201303
作りみるメビウスの輪や去年今年 松本周二 かさね 201303
去年今年風の彼方に人住めり 都丸美陽子 春燈 201303
傾ける月より音叉去年今年 湯橋喜美 201303
一病を同士とさだめ去年今年 栗原公子 201303
シャーレに脈うつ細胞去年今年 西村純太 201303
円周率の無限に続く去年今年 岩下芳子 201303
太陽のやうな主治医や去年今年 大内幸子 六花 201303
ぼんやりの平和あはあは去年今年 須賀敏子 あを 201303
去年今年箍のゆるまる音がする 篠田純子 あを 201303
どの家も道に出る戸や去年今年 柴田佐知子 201303
病棟は白衣のままに去年今年 田代貞枝 201303
去年今年八十路二人のテレビかな 鴨下昭 201304
エプロンの白きが恃み去年今年 奥田順子 火星 201304
目の前に未知といふ坂去年今年 堀田順子 馬醉木 201304
生き方を日々に試して去年今年 中野京子 201304
湯煙の真中にをり去年今年 前田美恵子 201304
卒寿の母おはす果報や去年今年 横山昭子 雨月 201304
去年今年煮豆の泡をすくひをり 笹村政子 六花 201304
旅人となりし心や去年今年 伊舎堂根自子 万象 201304
去年今年一夜寝かせむはれの句に 森本虹泉 京鹿子 201304
露天湯より仰ぐ星座や去年今年 西川みほ 末黒野 201304
枕辺のラジオの時報去年今年 久世孝雄 やぶれ傘 201304
足跡の一歩進めて去年今年 松本アイ ぐろっけ 201305
机の上すでにちらかる去年今年 岩上行雄 末黒野 201305
スリッパはいつも一対去年今年 早瀬淳一 船団 201306
物語元気に続く去年今年 稲畑廣太郎 ホトトギス 201310
あらためて花鳥を友に去年今年 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311
酔うて得し迷句と寝まる去年今年 布川直幸 201312
去年今年人は皆夢持つてゐる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201401
継続は力と信じ去年今年 稲畑廣太郎 ホトトギス 201401
去年今年→ 7      

 

2021年1月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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