古 茶      97句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
徹夜する仕事に備へ古茶淹るる 稲畑汀子 ホトトギス 199805
月一度泊つ仕事部屋古茶淹るる 稲畑汀子 ホトトギス 199805
懐旧の故人の増ゆる新茶古茶 大橋敦子 雨月 199807
恰幅の殊に佳かりし古茶急須 栗栖恵通子 199808
古茶淹れて看取帰りの身を労ふ 安田悦子 円虹 199908
粥に炊く古茶焙烙に煎られけり 落合由季女 雨月 199909
古茶筅紙衣まとい雛段に 岡野峯代 ぐろっけ 200107
僧正の言葉すくなし古茶を汲み 高木良多 春耕 200109
古茶新茶飲みくらべして老舗かな 鵜飼紫生 雨月 200110
古茶FB7;きて香を聞くことも雨読の日 桑田青虎 ホトトギス 200201
雨止まず古茶たつぷりと淹れにけり 須賀敏子 あを 200206
永き日の手に馴染みたる古茶碗 村山方 築港 200207
余り茶に福ありと古茶喫しけり 大橋敦子 雨月 200207
古茶渋く板東武者の味したり 高千夏子 200307
母の忌を終えて夕の古茶新茶 伊藤マサ子 ぐろっけ 200308
祖母っ子の娘も知命なり古茶新茶 東野鈴子 雨月 200308
連綿と時つながりて古茶新茶 辻由紀 雨月 200308
武蔵鎧咲かす宿場で古茶すする 松崎鉄之介 200308
古茶淹れて六十年を夫に蹤く 宮本道子 酸漿 200406
三つ指にいづれと問はれ新茶古茶 鷹羽狩行 200406
古茶すすり奥の細道読み継げり 竪ヤエ子 雲の峰 200408
濃き味の古茶をたしなみルビー婚 橘澄男 「山景」 200408
晩年へ齢傾ぎぬ古茶新茶 大橋敦子 雨月 200408
古米古茶われも老いたり日の短か 吉田多美 京鹿子 200502
古茶新茶雨を訪はれてをりにけり 岡本眸 200508
親族のたけくらべ会古茶新茶 吉澤利治 遠嶺 200508
日と月の回り舞台や新茶古茶 西村純 200508
水軍の割れたる茶臼古茶渋き 松本恒子 ぐろっけ 200509
それらしき茶筒なりけり古茶新茶 片山由美子 200607
突然の客にぼうまい古茶新茶 浜明史 風土 200607
古茶新茶いのち慰め合ひにけり 村越化石 200608
み仏を拝し来てより古茶新茶 大井彌雨 雨月 200609
しらじらと通夜明け古茶に寧らぎぬ 東野鈴子 雨月 200708
古茶を濃く淹れ泥縄の句作かな 森一枝 八千草 200712
言の葉に秘む思ひやり古茶新茶 堀田こう 雨月 200808
さびしさの夜を重ねて古茶新茶 岡野ひろ子 200808
手の届くところにいつも古茶の缶 木村享史 ホトトギス 200811
客の来て古茶と新茶の二ごころ 鷹羽狩行 200906
新茶古茶茶どころ出身ちゃっきり節 藤野寿子 あを 200907
大切に叔母よりの古茶出してみる 柳生千枝子 火星 200907
古茶の筒新茶の筒と並べけり 杉浦典子 火星 200908
大き掌に生る和三盆敢て古茶 平田恵美子 ぐろっけ 200908
ホ句に親しみ幾年月や古茶新茶 稲次登美子 雨月 200908
その後の消息を聞く古茶淹れて 安原葉 ホトトギス 200910
折詰に残す羊羹古茶やさし ことり 六花 201005
どちらとも言ひ出せずゐる古茶新茶 鷹羽狩行 201005
古茶房に母子語らふ昭和の日 小黒加支 酸漿 201008
古茶新茶仕事一途の喜寿の夫 白石善子 雨月 201008
古茶淹れて変らぬ生活ありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201105
古茶好む昔気質の翁かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201105
馴染みたる古茶の暮しを変へざりし 稲畑汀子 ホトトギス 201105
古茶少し残したままで新茶かな 須賀敏子 あを 201107
古茶淹れて常の起き臥しこそよけれ 和田崎増美 雨月 201109
肩肘を張らぬ暮しや古茶をいれ 柴田良二 雨月 201209
碁敵に負けて古茶飲む二杯飲む 林哲夫 ぐろっけ 201209
インフレにデフレに古茶をすすりけり 須藤常央 ホトトギス 201211
帰国する荷に加へたる古茶の筒 小川龍雄 ホトトギス 201301
金環食見て来しばかり古茶淹るる 稲畑汀子 ホトトギス 201305
まだ雨は止みさうもなき古茶淹るる 稲畑汀子 ホトトギス 201305
新茶より古茶を所望の客なりし 稲畑汀子 ホトトギス 201305
おしゃべりに佳境の姉妹古茶好み 和田森早苗 201307
タイミング良ければ旨し古茶新茶 和田郁子 201307
調べもの終へたる父へ古茶の香を 福永尚子 ろんど 201310
新茶どき古茶熟年の味と言ふ 瀧春一 花石榴 201312
亡き人を偲ぶに古茶を汲みながら 細川コマヱ 雨月 201407
夫在せば昔語りを古茶新茶 細川コマヱ 雨月 201407
語らひの過去形多し古茶新茶 伊藤紀子 ろんど 201408
古茶淹れて互に八十路ふり返る 山口登 末黒野 201408
代替はりすすむ母郷や古茶新茶 落合晃 201408
家族史を夫婦して編み古茶新茶 西村操 雨月 201408
古茶新茶薬は白湯がよかりけり 加藤良子 春燈 201509
たわいなきことばに和み古茶をくむ 元橋孝之 京鹿子 201510
古茶淹れて家居心に親しめる 稲畑汀子 ホトトギス 201605
古茶淹れて特に話題のなき夫婦 湖東紀子 ホトトギス 201610
古茶淹れて仕事の意欲湧き立たす 稲畑汀子 ホトトギス 201705
健康に勝るものなし午後の古茶 稲畑汀子 ホトトギス 201705
古茶淹れて古き仲間をもてなさん 稲畑汀子 ホトトギス 201705
古茶淹れて会話途切るることのなく 稲畑汀子 ホトトギス 201805
古茶淹れて会話途切るることのなく 稲畑汀子 ホトトギス 201805
庭仕事終へて一服古茶好む 古川しげ子 雨月 201809
古茶いれて別れし人を思ひをり 沼田巴字 京鹿子 201904
俳諧の古茶のごときを愛しけり 岩岡中正 ホトトギス 201911
古茶啜りワイン談議の二人かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202003
古茶苦し免許返納せし母に 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
古茶啜りワイン談義の二人かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
古茶いれて誰彼となく逢ひたき日 田中藤穂 あを 202007
どう見ても女は強し古茶新茶 木村傘休 春燈 202008
古茶汲んでその後の所行尋ねけり 木村傘休 春燈 202008
古茶新茶遠州織部大徳寺 竹内悦子 202008
古茶熱く午後の仕事に備へをり 柿沼盟子 風土 202009
借り多き一世となりぬ古茶新茶 森田明成 202010
蘊蓄の深き言の葉古茶の壺 小張志げ 春燈 202107
聞くとなく聞き出す本音古茶新茶 菊池和子 京鹿子 202108
古茶新茶聞き上手ゐて聞き下手も 小張志げ 春燈 202207
古茶淹れる洗濯すこし後にして 木村瑞枝 やぶれ傘 202208
力抜くことも知恵なり古茶新茶 栗原公子 202208

 

2023年5月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。