海鼠腸     48句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
カウンターの端で海鼠腸すすりをり 山尾玉藻 火星 199902
海鼠腸と読むにしばらく間のありし 水谷芳子 雨月 199903
海鼠腸の紅引く闇となりにけり 今木偉郎 199912
青竹の筒に海鼠腸入れてあり 高橋将夫 200003
家族皆食はぬ海鼠腸ひとりじめ 池水雅子 200004
このわたの闇にて天御中主(みなかぬし) 岡井省二 200011
海鼠腸をすすりて父の忌なりけり 三代川次郎 俳句通信 200102
海鼠腸を海の容に收むべし 伊藤格 200104
海鼠腸の闇に目覚めてをりにける 各務耐子 200105
海鼠腸をすする夜目にも波高き 千田百里 200202
海鼠腸を啜り怨念遠ざかる 保田英太郎 風土 200202
海鼠腸を捨ててんげりと山の神 瀬川公馨 200202
はてさてとこのわた掬ひをりしかな 高橋将夫 200203
海鼠裂き海鼠腸啜り余得なる 古里蝶次 200204
海鼠腸や夫人と呼ばれむづがゆし 渡辺みどり 200204
海鼠腸に砂をはかせて地酒かな 平松かをる 六花 200205
ながながと海鼠腸伸びる箸の先 滝沢伊代次 万象 200212
丹の箸でこのわた掬ひをりしかな 高橋将夫 200301
海鼠腸を酒断ちの友睨み付く 山遊亭金太郎 百鳥 200302
海鼠腸を啜り貧乏物語 小宮山勇 遠嶺 200303
このわたの出自を問へば癌家系 森茱明 京鹿子 200304
このわたの箸に齟齬あるたのしさよ 千田敬 200403
海鼠腸や大王岬の波の音 小山漂葉 酸漿 200406
海鼠腸に独り酌みしも遥かなり 大串章 百鳥 200602
海鼠腸に金粉振つてありにけり 山尾玉藻 火星 200603
海鼠腸に酒は寒梅飲むべかり 小林愛子 万象 200604
このわたにうるかに雲丹に冷酒かな 河合しよう 春燈 200710
このわたにちよつとよごせる箸のさき 佐藤喜孝 あを 200712
海鼠腸のほそきを啜り深眠り 飛鳥由紀 200803
海鼠腸を盛るによろしき萩の猪口 瀬島洒望 やぶれ傘 200804
海鼠腸や琥珀の如き君の言 村上ひで香 炎環 200903
このわたや松の梢を風渡る 杉浦典子 火星 200904
主婦休業と決め海鼠腸すすりゐる 平野加代子 春燈 201002
このわたや酒遊ばせる舌の上 馬場由亀雄 201003
掌に海鼠腸垂らす上戸かな 山崎青史 ろんど 201102
海鼠腸を確かむる舌ありにけり 前田美恵子 201202
このわたや夜雨は窓を打ちつづけ 大崎紀夫 やぶれ傘 201303
海鼠腸の高値をよそに海鼠食む 先山実子 ぐろっけ 201403
創作の海鼠腸珍味七人衆 藤本秀機 201404
海鼠腸や波にのまるる波殺し 根橋宏次 やぶれ傘 201603
海鼠腸や今宵はちょっとカメレオン 宇都宮哲 船団 201612
このわたのほんの少しに酒二本 内海良太 青嶺 201612
海鼠腸や強きままなる箸使ひ 能村研三 201702
海鼠腸をすする潮どきなど思ひ 千田百里 201802
杉玉や家に海鼠腸あつたはず 仲里貞義 201912
海鼠腸を刻む和ばさみ声ありぬ 阪倉孝子 202003
海鼠腸を啜り喉元細うせり 能村研三 202201
海鼠腸の話に尾鰭つきてをり 木多芙美子 春燈 202203
海鼠腸や津軽の海を裏に見て 雨宮桂子 風土 202204

 

2022年12月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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