木の芽和     116句

木の芽和山河は夜もかぐはしき   伊沢正江   歳時記(講談社)

作品
作者
掲載誌
掲載年月
濁音のきれいな人の木の芽和 内田美紗 船団 199811
母の忌や旬をのがさず木の芽和 岡田和子 馬醉木 199905
魚づくしの膳に添へらる木の芽和 鈴木幸枝 199905
かたくなに子と離れ住む木の芽和 安田晃子 馬醉木 199906
木の芽和肴に話進まざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200003
駅弁の淡きところぞ木の芽和 小林優子 酸漿 200007
二十年ぶりの再会木の芽和 松田裕子 六花 200007
百年後もういないけど木の芽和え 児玉硝子 ヒッポ千番地 200007
木の芽和人生さりげなく続く 蔦三郎 ホトトギス 200008
木の芽和竹の器に盛りにけり 佐藤京子 百鳥 200108
暮れがてや夫を待つかに木の芽和 かとうゆき 銀化 200206
辛口の地酒にかなひ木の芽和へ 山口速 200207
中庭の雨白じろと木の芽和 野口光江 遠嶺 200207
擂粉木は夫の手づくり木の芽和 野口光江 遠嶺 200208
庭にふと思ひつきたる木の芽和 丸田安子 酸漿 200210
気に入りの薄手の器木の芽和 芝尚子 あを 200305
木の芽和へ酒の相手はみのもんた 横山迪子 六花 200305
木の芽和五十路になつてわかること 江頭信子 馬醉木 200306
木の芽和義父のことなど語り合ふ 浅川悦子 雲の峰 200404
木の芽和手皿に受けて味見せり 波多野葉子 200405
まづ色と香を楽しめり木の芽和 小石秀子 酸漿 200406
取り箸の竹のさみどり木の芽和 高橋淑子 馬醉木 200407
雨垂れの間遠となりぬ木の芽和 江崎成則 栴檀 200408
香しき今朝の厨や木の芽和 橋本光子 酸漿 200408
力抜くことの難しや木の芽和 西川五郎 馬醉木 200505
晩学の明日を信じて木の芽和 土屋酔月 火星 200505
木の芽和つひの孤りに飽きもせず 岡本眸 200505
繊細な男の料理木の芽和 中嶋陽子 風土 200506
瑠璃釉に中高に盛る木の芽和 柿沼盟子 風土 200507
木の芽和苦みほろほろ齢とは 坂本京子 200507
ひとつだけ取得のありし木の芽和 堀内一郎 あを 200603
山頭火ゆかりの地酒木の芽和 河本利一 200606
お揃ひの萩の小鉢や木の芽和 久保田至誠 200606
母の味出せずじまひや木の芽和 千坂千津恵 200608
母の味ははの彩して木の芽和 鈴鹿仁 京鹿子 200704
方言のままのもてなし木の芽和 志村美江 酸漿 200704
木の芽和へ職の自説を曲げずけり 中野さき江 春燈 200705
木の芽和少し近づく母の味 中村悦子 200705
もてなしは母のしてゐる木の芽和 豊田都峰 京鹿子 200705
もてなしの話題に土壌木の芽和 安永圭子 風土 200706
取り皿は益子がよけれ木の芽和え 藤岡紫水 京鹿子 200706
木の芽和子に伝へむと立つ厨 南原正子 酸漿 200709
旧闊を叙すひとときや木の芽和 泉田秋硯 200806
八十路なほ学ぶことあり木の芽和 柴野静 200806
禅寺をめぐりて月と木の芽和 加藤京子 遠嶺 200806
旅の朝茶粥にそへて木の芽和 斉藤小夜 風土 200806
合掌す坊の朝餉の木の芽和 井口光石 風土 200806
木の芽あへ和食でとほす夫なりし 伊東和子 200807
盛付けは九谷の小鉢木の芽和 舩越美喜 京鹿子 200807
海のもの香でつつみ木の芽和 島谷征良 風土 200808
木の芽和世に完璧のもの在らず 小澤克己 遠嶺 200905
木の芽和妣とのくらし四十年 高木典子 雨月 200906
せせらぎは夜の底より木の芽和 大崎紀夫 やぶれ傘 200906
木の芽あへ盛る現川うつつがわ焼きにかな 天野美登里 やぶれ傘 200906
擂粉木の音かろやかや木の芽和 山本信子 200907
手術後のそろりひと箸木の芽和 松岡和子 200907
日本酒と健やかに生き木の芽和え 池端英子 ろんど 200907
木の芽和夫婦に広き夜の卓 久保東海司 200908
帰りたがる病む母なだめ木の芽和 木杉千保子 万象 201006
木の芽和一口食みて母を恋ふ 泉田秋硯 201006
好きな盃選べる酒房木の芽和 青森公子 201007
年重ね母の味恋ふ木の芽和 井関祥子 酸漿 201007
遠き世の母を近くに木の芽和 安武晨子 201008
身すこし遠くなりたる木の芽和 竹内悦子 201104
停電や燭に暈ある木の芽和 松井志津子 201106
独り居の集ひて笑顔木の芽和 長崎桂子 あを 201106
民宿の朝の香や木の芽和 加藤静江 末黒野 201107
通院に日日好日や木の芽和 安永圭子 風土 201107
止みゐしがまた降る雨や木の芽和 根橋宏次 やぶれ傘 201107
俳縁のおろそかならず木の芽和 野沢しの武 風土 201109
うみやまの恵み豊かに木の芽和え 中田寿子 ぐろっけ 201205
木の芽和中途半端に納得す 齋藤厚子 201207
木洩れ日のやうな余生や木の芽和へ 三浦澄江 ぐろっけ 201302
手びねりの器に盛りて木の芽和 石川かおり 201306
器には有田か萩か木の芽和 佐藤喜仙 かさね 201306
目をみない人と一緒に木の芽和 池田久恵 ぐろっけ 201307
木の芽和いつも心の窓を開け 常盤しづ子 馬醉木 201307
掌にたしかむる味木の芽和 コ田鶴子 馬醉木 201404
木の芽和事なくひと日過ぎにけり 山崎刀水 春燈 201405
外国の旅は適はず木の芽和 田中臥石 末黒野 201406
和三盆の少しを足して木の芽和 上村葉子 風土 201407
木の芽和数多の友に恵まれて 落合由季女 雨月 201412
八十の歳や妻籠の木の芽和 田中臥石 末黒野 201506
仏大事生き身大事の木の芽和 佐藤淑子 雨月 201507
故郷に疎き日重ね木の芽和 河原昭子 万象 201508
割箸の音よく割るる木の芽和 阿久津勝利 万象 201606
手になじむ若狭塗箸木の芽和 石黒興平 末黒野 201608
木の芽和え漱石好きの従兄弟会 鶴濱節子 船団 201701
小さくて気のきいた店木の芽和 高橋道子 201705
村人は義理の貸し借り 熊川暁子 201706
人生を噛みしめるごと木の芽和 高橋将夫 201805
木の芽和へ及ばずながら母の味 片山煕子 京鹿子 201806
縁側の手酌又よし木の芽和 松本幸子 馬醉木 201807
木の芽和だけは拘る漢かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201903
御影堂の逆さ銀杏や木の芽和 柳橋繁子 202005
ふるさとの地酒の旨し木の芽和 田中臥石 末黒野 202005
まだすねているのかしらん木の芽和 辻水音 202006
扁額の傾ぐ鮨屋や木の芽和 小田嶋野笛 末黒野 202007
毎日がひとりの夕餉木の芽和 重実ひとみ 京鹿子 202008
待つ人の帰る頃あひ木の芽和 森清信子 露の堂 202008
やうやくに雨上がりゆく木の芽和 木村傘休 春燈 202107
木の芽和もう一本の酔心地 森川享 末黒野 202107
木造りの猪口を満たして木の芽和 澤田英紀 202107
嫁ぎ来し家の味なり木の芽和 田嶋洋子 春燈 202204
木の芽和使ひ慣れたる小擂鉢 佐々木永子 末黒野 202206
常套も時には変革木の芽和へ 植村蘇星 京鹿子 202207
木の芽和の箸休めなる昼餉かな 武田ナオミ 末黒野 202208
木の芽和小指の先で味見して 田中とし江 202302

 

2023年2月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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