きちきち   87句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
きちきちの子が水甕を覗きけり 荻野美佐子 船団 199902
すいつちよとび時にきちきち跳びにけり 高橋将夫 199912
きちきちの三尺跳んで水の上 松本恭昂 火星 200004
きちきちを捕ったと猫が見せにくる 山田六甲 六花 200009
躓きてきちきちばつたに出会ひけり 島田和子 風土 200101
キチキチの鵙聞く会に誘われる 北原武巳 船団 200105
きちきちといのち乞ひして飛びゆけり 鷹羽狩行 200110
きちきちの身じろぎもせず奥の院 清水晃子 遠嶺 200111
晴るる日やきちきちばつた飛ぶ支度 清水伊代乃 酸漿 200112
夢殿にきちきちばつたつかみけり 石脇みはる 200112
きちきちや素通し土間の乾ききり 鳴海清美 六花 200201
立春の廊下の軋みきちきちと 松本文一郎 六花 200206
きちきちが跳んで夕日を大きくす 小澤克己 遠嶺 200209
きちきちの何処まで跳べば日暮くる 佐藤よしい 風土 200211
きちきちの飛び交ふ中の地鎮祭 安達風越 雨月 200301
きちきちの食べ残したる葉を摘めり 堤田博子 対岸 200311
きちきちの跳びて子供の髪にまで 後藤志づ あを 200312
きちきちや猫ゆっくりと通り過ぎ 須賀敏子 あを 200312
きちきちや経誦む僧の胸に来て 古田考鵬 雨月 200401
天津縄手の風にきちきち曲り飛ぶ 朝妻力 雲の峰 200410
きちきちばつた鍵屋の辻へ馳せ参ず 長谷川翠 馬醉木 200411
きちきちきち鋼の音のばつた飛ぶ 神蔵器 風土 200411
きちきち蝗虫一尺とびて息をつぐ 吉弘恭子 あを 200412
きちきちや足許に来て鳴きをはる 鈴木良子 酸漿 200412
きちきちの翔ぶや大きな空の下 山本浪子 風土 200412
骨折の子にきちきちの飛んで来し 中村昭義 百鳥 200412
透きとほる五大きちきちばったかな 近藤喜子 200501
風の谷きちきちバッタとびにけり 高橋将夫 星の渦 200507
きちきちばつた月の微塵を舐めにけり 工藤進 200512
きちきちの飛び込んで来し飼葉桶 吉田明子 200601
きちきちばつた群るる棚田や六地蔵 浜福恵 風土 200611
きちきちや臥したるままの兵士像 浜田はるみ 遠嶺 200612
さらばよときちきちばった低く飛ぶ 伊藤稔代 200701
よく晴れてきちきちばつた墓碑巡る 小島みつ代 200702
きちきちの剛き貌して止まりをり 山口ひろよ 200712
きちきちの光飛び込む勝手口 生田恵美子 風土 200712
白鶺鴒きちきちばつた丸呑みに 猪鼻純枝 万象 200712
きちきちのとび出しにけり合戦図 浜口高子 火星 200811
まつすぐに胸へきちきちばつたかな 浅田光代 風土 200812
日だまりの冬のきちきち跳ねにけり 荒井和昭 200903
きちきちの小さき野原を小さく飛び 前川明子 200912
きちきちや働きづめの紺がすり 田村愛子 万象 201001
きちきちは私の三歩ひとっ飛び 石川裕美 ぐろっけ 201001
水音を遠くきちきち飛蝗かな 大島英昭 やぶれ傘 201002
きちきち飛蝗ひっくり返って夜になる 吉弘恭子 あを 201003
きちきちや二車線道路跳びおほし 七田文子 201011
きちきちや世渡り下手のむかしより 甕秀麿 201112
きちきち飛蝗雄の客のせ飛行かな 笹井康夫 201201
きちきちばつた少年を攫ひゆく 近藤喜子 201201
きちきちの二畦飛んで国分寺 和田照海 京鹿子 201201
きちきちに栗詰まりゐる網袋 根橋宏次 やぶれ傘 201201
きちきちのきちきちきちと紀伊の国 布川直幸 201209
畝立ての鍬にきちきちばった来る 小菅美代子 ぐろっけ 201304
きちきちと飛蛙は低く遠くまで 廣瀬雅男 やぶれ傘 201311
虚子句碑の上にきちきちばつたかな 大崎紀夫 やぶれ傘 201311
波音に倦みてきちきちばつたとぶ 山尾玉藻 火星 201311
きちきちの確かな音をのこし去る 布施まさ子 風土 201312
刑務所の塀にきちきちぶつかりぬ 涼野海音 火星 201401
きちきちやむせんばかりの塩むすび 原田しずえ 万象 201401
わが影にきちきちばつたちよつと飛ぶ 上原重一 201411
螺旋階児童駆けきちきちばつた飛ぶ 相沢有理子 風土 201412
きちきちや救命胴衣垣に干す 生田恵美子 風土 201412
きちきちや線路越ゆれば別の町 佐津のぼる 六花 201501
きちきちや泣いた子供がもう笑ひ コ田千鶴子 馬醉木 201511
故障したやうにきちきちばつた飛ぶ 高橋将夫 201511
きちきちや鳥居の残る津波跡 山田春生 万象 201512
きちきちの危機存亡とばたばたと 荒木甫 201512
きちきちや災禍の浜の句碑しかと 原田達夫 201602
きちきちの飛んで川幅広くなり 布施まさ子 風土 201611
きちきちと跳んでばつたは草の色 中村房子 馬醉木 201701
きちきちの畳の上の虚心かな 石田きよし 201701
きちきちの音に晴れきし淡路島 戸栗末廣 201701
故障したやうにきちきちばつた飛ぶ 高橋将夫 蜷の道 201704
太陽の中よりきちきちばつた来る 神蔵器 風土 201708
きちきちの眺び交ふ道を旧家まで 安藤久美子 やぶれ傘 201710
をさなごの網に捕らはれきちきちは 荒木甫 201711
竹籠に竹のきちきち涼新た 吉武美子 201712
地滑りの闇よりきちきちばつたかな 笹村政子 六花 201803
日矢はねてはねてきちきちばつたの野 今橋眞理子 ホトトギス 201903
きちきちと転ばぬやうに遊びけり 鈴木愛子 201911
跳ぶ方へきちきち向きを変へにけり 瀬島洒望 やぶれ傘 202002
きちきちの飛びゆく方が崖つぷち 大崎紀夫 やぶれ傘 202002
きちきちの斜め斜めに跳ぶ日暮 井上つぐみ 202011
伝令のやうにきちきち鳴き交はし 足立枝里 202101
きちきちの跳んで日差しのやはらかし 森高武 風土 202112
きちきちの蹴りて銅鐸出土の田 田岡千章 202205
きちきちの機嫌とびして湖真青 和田照海 京鹿子 202212

 

2023年9月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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