56句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
暁紅や鱚糶り上ぐる高調子 長谷川閑乙 馬醉木 199810
鱚舟や波の音生む隠れ礁 長谷川閑乙 馬醉木 199810
魚暦かかげ釣宿いまは鱚 松田曼莉 京鹿子 199810
捨舟の中に扶座して鱚を釣る 花房敏 ぐろっけ 199909
鱚釣りに倦みイーゼルを立てにけり 中川晴美 俳句通信 200007
鱚釣の同じコンビニ弁当かな 高重京子 200008
鱚釣るや河口は雲のたれこめて 木下玉葉子 酸漿 200009
鱚釣に降りかけ日照雨ともならず 長沼三津夫 200010
紺碧の果なき海に鱚を釣る 林敬子 酸漿 200010
春潮や鱚をあやつれば九鬼の海 岡井省二 200101
地魚と値札に墨書鱚はねる 鎌倉喜久恵 あを 200105
五番目に鱚の出てくる天麩羅屋 大柳篤子 俳句通信 200107
鱚釣の外道ばかりがかゝる潮 今井千鶴子 ホトトギス 200110
べた凪の入れ食ひに釣る鱚五十 三浦晴子 200110
鱚釣のうしろ花火師来てゐたり 大山文子 火星 200111
鱚釣れば豪華客船舟ゆらす 河内童楽 六花 200210
流木を椅子に鱚釣はじまりぬ 木船史舟 200212
鱚舟の日ざし散りばめつつ傾ぎ 中村斐紗子 対岸 200310
鱚釣りて鱗を飛ばす笑ひかな 中村斐紗子 対岸 200310
鱚釣とメモや小島の駐在所 小森泰子 馬醉木 200311
鱚の椀大声になる同窓会 長谷川鮎 ぐろっけ 200405
鱚釣るや救命胴衣着せられて 飯塚ゑ子 火星 200408
鱚釣りの少年の影伸びゆけり 徳田正樹 河鹿 200412
鱚の口ドレミファソして売られゐる 上野進 春燈 200508
鱚釣に遠かみなりのさまよへる 瀧春一 菜園 200509
地曳網ひき寄せし鱚砂まみれ 光野昌平 築港 200509
シュノーケル鱚釣の子に浮かびけり 松本欣子 百鳥 200509
夕潮の音白鱚に箸執らむ 瀧春一 常念 200606
魚偏に喜ぶ鱚の干物かな 西山美枝子 酸漿 200607
泳ぎ子を遠見守りに鱚を釣る 吉原一暁 200607
霧晴れて大きく広き鱚の海 神蔵器 風土 200608
べた凪の大浦鱚の脚立釣 神蔵器 風土 200608
潮流を逸れ鱚舟の漂へり 岩木茂 風土 200608
鱚釣るや礁打つ波のしづもりて 小山漂葉 酸漿 200609
鱚釣りの孤独悟道と思ひつつ 泉田秋硯 200609
鱚釣に奥志摩の風かはりけり 小山漂葉 酸漿 200609
鱚一尾釣れて嬉しとさざら波 林翔 200609
涼風と鱚のてんぷら屋形船 芝尚子 あを 200609
鱚釣に日照雨のなほも降りやまず 長沼三津夫 200611
手ごたへのあるかなきかの鱚を釣る 丹生をだまき 京鹿子 200711
人工浜攩網にて鱚を掬ひをり 松崎鉄之介 200807
川の瀬に鱚のぼり来を見てをりぬ 鎌倉喜久恵 あを 200808
鱚釣りや浜辺の歌碑と記念館 寺内信 遠嶺 200910
鱚釣の海の紺より竿を引く 山田六甲 六花 200910
鱚天をトッピングして梅雨茫々 上谷昌憲 201009
鱚釣の外道のあなご喜ばれ 山本無蓋 201010
鱚あると行商人の声かかる 天野美登里 やぶれ傘 201012
釣糸に跳ねてなけなし鱚力 藤岡紫水 京鹿子 201108
鱚を釣る遣唐使船発ちし浜 川口崇子 万象 201210
安房の海鱚釣る人の渚べり 岡井マスミ 末黒野 201211
小一の子に釣られたる鱚に礼 大西ユリ子 ぐろっけ 201301
鱚と答ふ釣人海を向きしまま 岡井マスミ 末黒野 201409
口丸くして白鱚の釣り上がる 山田佳乃 ホトトギス 201411
釣り上げて弓手に掴む尺の鱚 中島玉五郎 201506
人の手の入りて失せけり鱚の海 四條進 201507
鱚を釣る太公望に海平ら 稲岡みち子 雨月 201609
鱚釣りや白き砂紋の続きをる 橋本順子 201609
白鱚の框に残る鱗かな 赤松赤彦 六花 201710
鱚天やふと思ひ出す父のこと 小山唄枝 やぶれ傘 201807
海神のとりこぼしたる鱚を釣る 山田佳乃 ホトトギス 201810
太平洋剥がして鱚の釣り上る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
江戸前の誇りに鱚の釣られゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
鱚の字の大き江戸前天麩羅屋 和田華凛 ホトトギス 201909
白鱚や潮の匂ひを天ぷらに 内田梢 末黒野 201909
海道に鱚釣日和展ごりぬ 浜福惠 風土 202007
朝餉には今朝釣り来たる鱚とべら 浅嶋肇 やぶれ傘 202112

 

 

2023年5月30日 作成