吉 書      81句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
喜寿へ一歩一茶の一句吉書せり 伊藤通友 200004
袴穿きて吉書の筆をとりし父 大橋敦子 雨月 200103
天声に応へつぎつぎ吉書揚 磯田富久子 200104
茂吉書斎窓々塞ぐ雪の壁 桜井菜緒 200202
吉書揚触れてはならぬ雲のあり 宇都宮滴水 京鹿子 200202
雲平の筆をもてこそ吉書かな 大橋敦子 雨月 200203
火だるまとなり大恵那に飛ぶ吉書 室伏みどり 雨月 200204
福引の福引き当てし師の吉書 中島知惠子 雨月 200204
吉書掲げつぎつぎ千木を越えゆけり 外岡興子 200204
落款のおちつく余白吉書かな 尾上直子 200204
幼な字の夢高々と吉書揚 小澤克己 遠嶺 200204
切り結ぶさまに筆おく吉書かな 鷹羽狩行 200301
渇筆の墨美しき吉書展 岩花秀子 200305
いさぎよく退いてひとりの吉書かな 小澤克己 遠嶺 200401
うす墨の万葉仮名の吉書かな 吉川ハマ子 築港 200403
息細くおとす吉書の一画目 今瀬一博 200403
吉書とす虚子の花の字倣ひては 大橋敦子 雨月 200403
浜風の蒼天かけて吉書揚ぐ 水原春郎 200404
瑞兆に火の粉飛びつぐ吉書揚 長沼冨久子 馬醉木 200404
天日へ火の鳥と駆け吉書燃ゆ 室伏みどり 雨月 200405
強く爆ぜ童女を照らす吉書揚げ 高村淳 200503
汲み置きし若狭水なり吉書初 本城布沙女 雨月 200504
災(わざわい)の一字高舞ふ吉書揚 泉田秋硯 200504
吉書揚飛天の舞を見せにけり 友田直文 200505
歌を早瀬のごと散らしわが吉書 山仲英子 200601
吉書揚夢の一字の高舞へり 山本康夫 200604
七彩を放つ墨色吉書なり 大橋麻沙子 雨月 200604
吉書揚一礼をして母子去る 西村しげ子 雨月 200604
遠巻きにしても火照るや吉書揚 山本漾子 雨月 200604
空焦がし風を焦がして吉書揚げ 森下清子 200605
神南備の空深みけり吉書揚げ 山本康夫 200704

 「たかんな」十五周年を祝して

八の字を末広がりに吉書かな

鷹羽狩行 200801
吉書揚げ雲が動いてゐたりけり 宮津昭彦 200803
炭斗紙になす代筆を吉書とす 藤井佐和子 200804
水茎の跡のびのびと吉書揚 井田実代子 雨月 200804
炎立つ裏まで閲し吉書揚 井田実代子 雨月 200804
いきいきと太字滲むも吉書かな 柴崎英子 200901
晩学の喜寿を迎へし吉書かな 加藤北天 雨月 200903
大筆の墨のしたたる吉書かな 宮川秀穂 200904
左義長の村人こぞり吉書揚ぐ 手島伸子 雨月 200905
吉書とて硯に落す酒一滴 加藤北天 雨月 201003
和紙の白引き立たせたる吉書かな 野坂民子 馬醉木 201003
「一陽来復」大きく吉書かかげたり 竹内慶子 春燈 201006
あらたまの吉書の墨を含ませり 門伝史会 風土 201104
降る雪に火屑飛びつく吉書揚 山口美貴子 火星 201104
投げ入れるすなはち空へ吉書揚 田岡千章 201105
旅人も振舞はれをり吉書揚 コ田千鶴子 花の翼 201111
揮毫せる龍飛鳳舞の吉書かな 加藤北天 雨月 201203
力強き吉書を並めて天満宮 大橋晄 雨月 201203
墨痕の穂先の気負ふ吉書かな 安斎久英 末黒野 201204
田の中のどんどの吉書天に舞ひ 石井勇 末黒野 201204
火を帯びて吉書輪中の宙駆くる 村上美智子 雨月 201205
玄孫の目背に吉書を揚げにけり 山田六甲 六花 201301
捨てし句の舞ひ上がりたる吉書揚 阪本哲弘 201303
何時の世も勝者が正義吉書揚げ 片桐てい女 春燈 201304
海よりの風の風よび吉書揚 堺昌子 末黒野 201305
鶴唳と吉書二タ文字横書に 加藤北天 雨月 201403
めでたさや鶴の一文字吉書展 加藤北天 雨月 201403
奉献の吉書飾られ神門に 山本喜朗 雨月 201403
経文に応えこぞる火吉書掲げ 藤岡紫水 京鹿子 201404
筆勢の料紙はみ出す子の吉書 森脇貞子 雨月 201404
鳶の輪へ灰上げ浜の吉書揚 森清堯 末黒野 201405
この撥ねの力の吉書かな 天野みゆき 風土 201502
吉書揚ぐんぐん海の青くなる 岩木茂 風土 201504
わが句書き吉書始めのペンを置く 布川直幸 201601
風向きの俄に変る吉書揚 窪田粧子 馬醉木 201603
吉書揚げ空に一朶の雲もなし 佐藤貞子 雨月 201605
吉書揚消防団の待機せり 宮崎高根 201704
祝百歳と母へ夫の吉書かな 樋口みのぶ 201704
身の丈に余る神燈吉書揚 田代民子 201704
高揚る米寿の夫の吉書かな 丸尾和子 雨月 201704
犬の字のちぢみて乾く吉書かな 黒滝志麻子 末黒野 201804
竹爆ぜてちぎれ飛ぶ火や吉書揚 菊澤さち子 雨月 201804
正座して吉書の墨を磨りゐたる 増成栗人 201903
金文の日の字五才の吉書かな 内田梢 末黒野 201904
ことごとくみづうみへ発つ火の吉書 南うみを 風土 201904
中天に燃え尽きてゐる吉書かな 岩木茂 風土 201904
親達の見上ぐる炎吉書揚 竹村淳 202004
日日新た太き吉書に墨にほふ 塩貝朱千 京鹿子 202104
船笛が煽る岬の吉書揚 柴田近江 202105
母をふと吉書の筆を下ろすとき 増成栗人 202203

 

2023年1月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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